第28話 王権の争奪
スイッチヴレードが一際大きなゴブリンの頭上で起爆した!
「射撃開始!」
バシュ バーン! バシュ バーン!
バシュ バーン! バシュ バーン!
バシュ バーン! バシュ バーン!
バシュ バーン!・・・・・・
ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ・・・・・・
此方の攻撃に気付いたゴブリンたちが、棍棒を振り上げて突進してきた!
バシュ バーン! バシュ バーン!
バシュ バーン!・・・・・・
コロンは的確に集団に纏まっているゴブリンに40mm HE弾を撃ち込んでいる!
ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ ダダダ・・・・・・
俺はコロンの起こしたグレネードの爆発の合間から、飛び出しくるゴブリンに確実に6.8mm SIG Furry弾の3点バーストを叩き込んだ。
「ブヒィ–––!ブ、ブホブイ––––!ブブヒィ––––!」
「ブイ゛イ゛イ゛イ゛–––––!」
なんと、倒したと思っていたゴブリンの王が血塗れで立ち上がり、瀕死の咆哮を響かせた!
「ダイチさま、ゴブリンの勢いが増してます!すごい圧力です!!」
「大丈夫だ、コロン!そのままゴブリンの集団を散らすよう、M320を撃ち続けてくれ!
ゴン、M5を出してくれ!」
バシュ バーン! バシュ バーン!
バシュ バーン!・・・・・・
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ・・・・・・
M250をフルオートでサプレッサーが赤熱化するまで連射し、そしてM5と取り替えながら6.8mmのフルメタルジャケットを放ち続けた!
「撃ち方––止め!」
コロンも最後の方はM320からMP7に持ち替えて、ゴブリンを掃討していた。
目の前一面にゴブリンの死体が積み重なっている。
その向こう側に、全身血塗れのゴブリン王が憤怒のオーラを燃え上がらせて俺を睨み付けている。
俺はM5を手にゆっくり立ち上がった。
「ブイ゛イ゛イ゛イ゛–––––!」
魂を凍らせる様な咆哮を上げて、ゴブリン王が剣を大きく振りかざして突進して来た!
全身のダメージにも関わらず、鋭い突進だ!
俺はゆっくりと深く息を吐き出して、M157 FCSスコープを覗いて、レイティクルをゴブリン王に合わせた。
ダンダンダン–––!
ゴブリン王の眉間に一つと左胸に二つ小さな穴が穿たれ、王の血潮が宙に飛び散った。
だが、その時だった。
突然西の木立ちから、四頭のヴェロキラプトルがゴブリン最大のコロニーに突入して来た!
「何!ヴェロキラプトルだと!何でここに?」
白っぽい体の背中に青いラインの入ったヴェロキラプトルが、ゴブリン王の死体に飛び付きゴブリン王の首を食いちぎった。
白っぽいヴェロキラプトルに従って来た三匹は、散開してそれぞれゴブリンの巣穴に頭を突っ込んで、ゴブリンを引きずり出して虐殺を始めた。
突然繰り広げられた凄惨な光景に驚いたが、ゆっくり腰を落としてM5を地面に置いてM250を手に取った。
「俺がヤツらを引きつけるから、コロンはMP7で援護してくれ。」
だが、コロンの様子がおかしい。
「・・・だ、ダメ、し、疾風竜!だ、ダメよ・逃げなきゃ!」
コロンはうわ言のように繰り返し呟きながらガタガタ震えている。
コロンの両肩を揺さぶりながらコロンに声を掛けた。
「コロン!どうしたんだ?しっかりしろ、コロン!」
「ピピッー」
だがコロンは黄金の瞳を濁らせて、ブツブツと自分の殻に閉じ籠ってしまった。
俺はコロンの両頬に手を当て、コロンの瞳を覗き込みながら力強くコロンに言って聞かせた。
「いいか、コロン。お前の心を蝕む恐怖は、俺がブッ倒してやる!ココで俺を見ていろ!」
M250のスリングを肩に掛けて俺は一番手前のヴェロキラプトルに向かって飛び出した!
「ゴン、コロンを頼む!」「ピッ!」
「えっ!ダイチさまー!」
100m程目の前で、ブラウンの肌をしたヴェロキラプトルがゴブリンの巣穴に頭を突っ込んでいる。
丁度脇腹を晒しているヤツの前足の付け根やや下の胸部に、立ち撃ち姿勢で6.8㎜弾を叩き込んだ!
ダダダ ダダダ!
QuOoooo・・・・
ヴェロキラプトルが大地に沈んだ。
銃声を聞きつけ、他のヴェロキラプトル達が一斉にこちらを振り向いた。
QuRRRRuuuaaa!
近くにいた濃いブラウンのヴェロキラプトルが突撃してくる。
ダダダ ダダダ ダダダ
俊足で突進して来るヴェロキラプトルの頭を撃ち抜いた。
QuRuu・・・
突進して来たヴェロキラプトルが頭から地面に倒れ込んだ。
その瞬間、背筋に冷たい氷の気配を感じた!危ない!
「ふっ!」
咄嗟に前方に跳んで伏せようとすると、俺の頭上を太いヴェロキラプトルの尻尾が通過して、M250をスリングごと跳ね飛ばされてしまった!
QuRRRuuSHAaaaa!!
青縞のヴェロキラプトルが、勝ち誇ったように大きな口を開けて俺を威嚇した!
「ダイチさま―――!!」
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