第15話 称号が俺のSAN値をゴリゴリ削ってくる件

 コロンはその後泣き疲れて眠りについた。

 

 「ピキュ〜ン」


 そんなコロンにゴンが優しく何かを語りかけていた。


 金属と炭素繊維複合素材で作られた軍用AIボットのはずなのに、ゴンの姿からは慈愛を感じられる・・・。


 寝ているコロンを横にすると泉で体を洗い、汗と土で汚れたコンバットスーツを着替えた。

 冷たい泉の水が気持ち良い。


 下着とコンバットスーツの着替えは、ゴンのインベントリから出てきた。


 今晩の晩飯は、米軍のレーションを食べた。ミートソースのペンネだった。味は・・・武士の情けだ。察してくれ。

 何故米軍のレーションを選んだんだ、さっきの俺!!


 食後、コロンのバイタルを確認して、コーヒーを淹れた。

 

 今日も色んなことがあったが、一日の終わりのコーヒーは良い。大事なことだから、もう一度言おう。一日の終わりに飲むコーヒーは良い!

 ささくれ立った心が癒されるんだ。


 「そう言えば、さっきレベルアップしたな。見てみるか。“ステータスウィンドウ”」


【八神 大地】

レベル: 4

称 号:『遥かなる異世界からの孤独な探訪者』『内気な人工妖精の朋友』『厳然たるゴブリンの宿敵。例え魔王と呼ばれようとも!』『太古のハンターキラー』

『異世界の優しいし穴掘り職人』(new)『傷ついた子狐の守護者。それは愛ですか?』(new)


[習得技能]


語学

├基礎英語

├普通英語

├上級英語

├基礎異世界言語

└普通異世界言語


軽火器

├M5

├M250

├ SFP9

└(new)


火器整備


弾薬

├M26グレネード

├M84スタングレネード

└40x46mmグレネード


偵察

├ブラックホーネットNanoII

├RQ-20C PumaIV

├スイッチヴレード300+

└スイッチヴレード600+


衛生

├衛生資材

└救急救命士


[習得可能技能]


重火器(new)

ATM(new)



 「うわ〜、称号が・・何これ『それは愛ですか?』って!愛じゃね・・・いや、愛なのか?どうなんだ?

 父親が娘に向ける的な〜とか、人類愛的な〜とかそんな感じ・・・」


 誰なんだよ、このテキスト作ってるヤツは!

 この称号を作ってるヤツの悪意を感じる!


 ま、それよりも、『軽火器 └(new)』てのが気になる。


 「押してみる?」


 『new』の文字に触れたら、ものすごい勢いで数え切れない数の小火器のイメージが頭の中に溢れた。


 「これの中から選べるのか?

 うわー、“ DA22 デリンジャー・スタンダード”から“ 20式5.56mm小銃”まであるわ・・。」


 一体誰がどういった基準で選んだんだと問いたくなる。

 北◯鮮の88式小銃なんて、誰が選ぶんだってのもあった。


 それと、この[習得可能技能]も何気に気になる。


「この、重火器って何?触れてみるか。」


 すると、【重火器の技能を習得しますか? Yes/No】という、小さなウィンドウがでた。


 【Yes】をタップすると【重火器: 0/1680】と表示された。


 同じく【ATM】をタップしたら、【ATM: 0/1176】と表示された。


 全然意味が分からん!


 分からんことは考えても仕方ないので、コロンの輸液パックを交換して、俺も横になって体を休めた。

 輸液交換の時間になったら、ゴンに起こしてもらおう。


 今日はホント疲れた・・・

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