第174話 呼ばれた理由
「久しぶりに会ったのにその言い方は失礼じゃないか?」
「貴方の様な塵と会う事そのものが汚点なのよ」
「血の繋がっていない兄妹だからまだいいけど、血が繋がっていたら自殺してたわ」
「幼馴染みと言うだけでも気持ち悪いわ、死ねよ」
カイトの…いや、女神アダマスの力と言うべきだろうか、女神アマスから教えてもらった好感度アップは、予想を遥かに超える程効いているのだろう、アイ、メグミ、サユリは、辛辣な言葉をエイトに向けて言う。
「私のエイトになんて事を言ってんのかしらあの雌豚達…?エイトが殺しちゃ駄目って言うから我慢してるのに、腕を引き裂いて、内臓を抉り取って、目玉をくり抜いて、死ぬ事すら苦痛になる程の地獄を与えたい。」
「ここを血の海に変えてもいいかしら?」
エイトに抱きつきながら、悍ましい事を平気で言っているミュウとシルフィ、その姿に学園長とアリアンはドン引きする。
(ここで乱闘騒ぎになっては困るんだが…)
(国王陛下…止める事を諦めてるよ)
豚に真珠、馬の耳に念仏、猫に小判
つまりエイト以外が一回仲介に入って頭を少し良くしないと止まらないのだ。
「ハァ…お前達…あれを見ろよ。」
「はあ?あれ?…あ」
エイトに集中し過ぎてしまって、存在を忘れていたが、ここは国王がいる謁見の間、今やっている事全てが命に関わるのだ。
「…今回は目を瞑ろう。」
「ありがとうございます。」
「…ちっ」
エイトは素直にお礼の言葉を言うが、カイトは嫌々国王の前で跪く、それを見てメグミ達も跪く。
「ミュウさん、貴女達も。」
「…わかりました。」
そう言うとエイトとアリアンは普通に戻るが、ミュウとシルフィは悍ましい程の憎しみの目を向けてエイトの所に行く。
「やっと揃ったな」
「は、大変申し訳ございません」
主な原因はカイト達だが、彼らが謝る事は絶対にないので代わりに学園長が謝る。
「んで?僕達に一体なんの様なんです?」
(…今ここでカイトに文句を言うのはやめておこう)
言った所で先程の様な事が永遠に続くので、話を進める為にエイトは黙っておく。
国王もその事を理解しているのか、呆れた溜め息を吐きながら答える。
「先程、フローラ達に話したが、厄災が蘇った、それの討伐を君達にしてもらいたくてな。」
「…達?」
「私達だけではないのですか?」
と、アイとサユリは言った。
国王は指を指してカイトとエイト、両方を指名していた、つまりこの2つのチームで討伐してほしいと言う事だ。
「本来であれば、勇者であるカイトに頼みたい所だが、そうはいかなくなったのでな。」
「…どう言う事ですか?」
メグミはそう質問する、勇者カイト以外にも頼まないといけない理由とは何なのだろうか?
「理由は2つ、1つは揃っていない事だ。」
揃っていないとはどう言う事だろうか?
そう思ったエイト達だが、エイトは気づく
「…まだ1人」
「そうだ、本来であれば勇者を筆頭に剣聖、聖女、賢者の3人がいなければならない。」
「しかし、我々がいくら探しても現れたと言う情報すらなく、今現在勇者しかいないのです。」
カルデア王国専属の魔術師達が必死になって探しても見つからないらしく、このままではオラクル…この世界が危うくなる。
「故にこそ、英雄、魔王と言う勇者達に匹敵する職業を持つ君達を呼んだのだ。」
確かに勇者、剣聖、聖女、賢者が揃っていない今、いるかもわからない3人を待つよりも
それに匹敵、もしくは同等、以上の力を持つ英雄と魔王の職業を持つ者に頼む方が得策である。
「しかし、それだけではないのですよね?」
「ああ」
学園長の質問に国王はそう答えた。
国王は2つと言った、つまりもう1つ、理由があるのだ、エイトはその理由を聞く。
「その理由とは、なんですか?」
「簡単な理由だよ、君達の方が強いからだ。」
「…え?」
どう言う事だ?と不思議に思うミュウを他所に、国王は淡々と説明する。
「エイトとカイト、君達の戦いは知っている、その上で頼んだのだ。」
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会話シーンって結構頭使うから疲れる…
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