第148話 後始末 女神side
(…どうやら失敗に終わった様ですね)
エイト達の一部始終を見ていた女神アマスはとある女神の作戦が失敗している所を確認している。
(しかし、女神アダマスは酷い事をよく平然と出来ますね。)
今回の件は完全に女神アダマスのせいだ、彼女さえいなければ、彼らの人生は狂わなくて済んだのだ。
「この罪は全てが終わった時に償ってもらいますからね。」
そう言って、その場から去る
今の彼女が出来るのは見る事だけで、それ以外の事はできない。
「お待ちになって下さい」
…いや、1人だけいた
1人と人として扱っていいのかはわからないが、人間の姿をした者なのでそう呼ぶ。
「ハァ…貴女も随分も暇なんですね?…駄女神アダマス?」
「半年ぶりくらいですかね?お久しぶりですわ、元女神アマスさん?」
天界より堕天(闇落ちではなく)した女神アダマス、今回の首謀者で、フローラ家を滅茶苦茶にした張本人である。
「何をしに来たのですか?」
「貴女、余計な事をしましたわね?」
余計な事?なんの事だろう
女神アダマスのせいで、本来この世界の女神であるアマスはこの世界に干渉する事ができない、それなのに余計な事とはどう言う事だろうか?
「何のことですか?」
「とぼけるおつもりですの?」
「私が貴女のせいでこの世界に干渉出来ないと知っている上での事ですか?」
「ええ、そうですわ」
頭が悪いと思ってはいたがここまで悪いとは思いもよらなかった
まぁ、だからこそ1人の人間に恋をしてその人間の為にこんな馬鹿げた事をしているのだが
「今回の計画で、カイト君はミュウと婚約する筈でしたのよ?なのに逆にあのモブに奪われてしまいましたわ、これはどう考えても貴女のせいですわよね?」
「私も見ていましたけど、普通にあれはあの父親が悪いですよ、浮気なんてして、バレたら普通はああなります。」
普通の神経の人なら普通にわかる事だ
しかし、女神アダマスのような馬鹿はわからないのだ。
「別にいいじゃありませんの?女の1人や2人増えたくらいでそこまで言うんですの?」
「え?」
「カイト君もあんなに女の子が沢山いるんですのよ、あの母親だって、男の甲斐性として認めればよかったんですのよ。」
つまり、女が出来たぐらいであの様な事をするな、と言いたいのだろう
確かにこの世界は一夫多妻の世界だ…しかし
不貞行為は不貞行為だし
浮気は浮気だ、離婚もするし、精神的苦痛として慰謝料貰うのは当たり前のことだけど、
それが理解できないのが、彼らなのだ。
「つまり、知ってて、そして貴女はカイトとミュウが結ばれる様にする為に…」
「ええ、夢の中で何度も何度も何度も何度も、同じ夢を見せて、"自分達が得をする"と思わせる様にしましたわ。」
まるでブルーベリー色の怪物が住む屋敷を買った殺人犯の父親にしたような事をしている。
元日本の女神だからこそ出来る事かもしれない。
「…下衆女」
まさに外道、人の家庭を人の人生を勝手に壊して、そしてそれについて罪悪感がないのだ。
女神からすればたかだか1人の人間に見えるかもしれないが、人間からすれば、悪魔の所業にしか見えない。
「まぁ、あの人達の後始末は私がしっかりとやりますのでご心配はご無用ですわ。」
「後始末って…まさか!」
アマスは叫ぶとアダマスは転移魔法で縄で縛られている男2人を出した、それは勇者カイトの父とそこで働いていた元執事長の2人だった。
「んんんんー!!!んんん!!!」
「ん!んん!!!んんんん!!」
「ええ、カイト君の役に立たない塵を処分しようと思いまして。」
そう言いながら、別の魔法陣を用意して
そこに男2人を投げ込む。
口にも縄が縛られており、声を上げる事も出来ずに魔法陣の中に消えていった。
「何をする気!?」
「まぁ…そこで見ていてくださいまし」
そう言って女神アダマスはミュウ父と執事長を何処かへと転送させていった。
——————————————————————
愚痴ばっか書いているような?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます