第149話 無様な最後 父親side
カイトとミュウが結婚する事で公爵家は安泰
別の女と関係を持つ事で、ストレス発散になり、より良い判断ができる様になる。
仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事
と寝ても覚めても同じ事の繰り返し。
夢の中で見る光景が、実は白昼夢(はくちゅうむ)だと確信したのは、別の女性と肉体関係を持ち始めてからだ。
そうすることによって本当にストレス発散になり、仕事も幾分か捗(はかど)る様になった。
私の使命は公爵家を残す事
大切な娘?大事な妻?
そんなものは"どうでもいい"
公爵家さえ残れば2人も幸せなのだ
だからこそ私はカイトとの文通を通してミュウとカイトの関係が良好なのを知ると、今回も自分の夢は白昼夢(はくちゅうむ)で間違っていない事が証明された
…だと言うのに、私の娘、ミュウはあろう事か、貴族であるカイトではなく、同じ学園のそこら辺にいる平民の男を交際相手として連れて来た。
許される筈がない、平民の男が公爵家の娘と釣り合うはずもなく、仮に許可しても跡付きにするなんて、天変地異が起こったとしてもあり得ない。
そんな事をすれば公爵家は滅びる、それは決してあってはならない事なのだ、これは執事長も自分の部下達も同意見だった。
だからこそ、ミュウに伝えてあげたのだ
それなのにミュウは怒りあろう事か自分の父親に手を挙げたのだ。
娘はそんな事をする子ではない、そうなるとそうなった原因は交際相手と自称するあの平民になる、だからこそ目を覚まさせようとしたのに、妻は私を裏切った。
表面上は素直に謝罪したが
側室にすれば問題ないのだ、慰謝料なんて払う義理もない。
今は隠し部屋の牢の中にいるが、明日になれば自由の身だ、即座に雲隠れをして再起を図る。
もう1人の愛人の所には偶に会いに行くくらいならバレやしないだろう。
そう言った事を考えていたら、突如として全身を縄で縛われ、突如として目の前が真っ白になった。
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「…こ…ここは?」
あたりが真っ暗で何も見えない
しかし見えない方が幸せかもしれない
そう直感的に感じた…それは何故か?
「う…オェェェェェ…」
途轍(とてつ)もなく臭い匂いがあたり一面に充満しているのだ。
言い表しようのない異臭を放ち、吐いても吐いても、その気持ち悪さが止まらない。
「な…なんて…に…臭い…だ…」
この暗い部屋に一体何があるのだろうか?
人間というのはこんな状態でも知りたいと言う好奇心に晒される。
そしてあることに気づく。
「し…視界…が…」
そう暗くて見えないのではなく、明るい所にいたせいで暗い所に慣れていなかっただけなのだ。
そうやって徐々にあたりが見えるようになる…が、見えなかった方が良かったと後悔する。
「ひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
大の大人が発狂してしまうのも無理はない
あたり一面には夥(おびただ)しい数の死体が転がっているのだ。
しかもそれはただの死体ではない
顔や腕、内臓や臓器、脚など、至る所が飛び出しており、そこから大量の寄生虫や小さい生物が見るだけでも気持ち悪い程大量にいた。
「なん…ウゲェ…な…んグェ…だ」
もはや胃液すら出ない程吐いたのに、吐き気が更に増していく。
「ひぃ!?」
見たくもない光景に目を逸らすとそこには自分と共に牢にいた執事長が何者かに喰われながら、こちらを見つめていた。
既に息絶えているが、その目は助けをずっと求めている。
食屍鬼(グール)…まさにそう呼べる化け物が一心不乱に執事長を喰らっていた。
グジュ…ガジュ…ニチャァ…クチャァ
と咀嚼音が響き渡る。
そして気がつくと食屍鬼(グール)は自分の周りを囲んでいて、眼を赤く光らせ、口からは大量の涎を垂れ流し、自分をただの餌としてしか見ていない。
「や…やめろ…やめてくれ…」
パチンと言う指パッチンの音が聞こえ
その音と同時食屍鬼(グール)達が
グルァァァァァァァァァと雄叫びを上げながら、ミュウの父に襲い掛かる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
まず最初に腕が噛まれる、そして肉が引きちぎられ、声を上げようとするが、次は逆の腕、胸、腹を食い破られ内臓が飛び出て、小腸が見える。
痛みを感じ、声を上げる
それすら出来ないほどの痛みを味わい
気を失いそうになるが意識が戻る程の痛みで現実に戻り、それを繰り返し。
脚を喰われて四肢が噛みちぎられる
頭や脳は美味しくないのか、誰も喰わず
そのかわり首が噛まれる。
呼吸がしにくくなり、意識が消えかける
痛みはずっと残り続け
そして…
ぶちん!とデカい音が聞こえたかと思うと自分は宙に浮いた。
いや、正確には首を食いちぎられ、頭が宙に飛んだのだ、下には自分の身体を食らう食屍鬼(グール)が見え、まるで第三者目線で見ているようだった
そしてその姿を見た後、ミュウの父の意識は途絶え、2度と戻る事はなかった。
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