第133話 秘密基地(って事になるのかな?)
「ミュウ!!!」
「私に着いてきてください!心当たりがあります!」
「あそこか!」
3人は急いで外に出てミュウを追いかける
エイトは何処に行ったか全くわからないが
小さい頃からずっといたシルフィ達には心当たりがある様だ。
「あの馬鹿!こんな事をしてなんになるって言うんだ!」
「気持ちは理解できますよ!私も貴方が好きですから!」
「…まぁあんな事言われたらなぁ、あたいもミュウみたいになりそうだな。」
ミュウにとっては前世の頃からずっと好きな人で、ただ瑛人(エイト)と共に過ごしたい、ただそれだけなのに、様々な障害によってその道が果てしなく遠いのだ。
その気持ちを理解せず、心の底から嫌っている男と相思相愛なのだから結婚しろと言われれば、ミュウの様になっても仕方ない。
「兎に角、ミュウはそこにいるんだな?」
「はい、エイトさん!おそらく…小さい頃、旦那様や奥様に叱られた時などに来ていましたから。」
「懐かしいなぁ…って今はそんな事言ってる場合じゃないか!」
そう言いつつも走るスピードを加速させ
ミュウの所へと向かう。
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「…ぅぅぅ…なんで…私はいつもこうなの…」
涙が止まらない、カイトもとても厄介で
やっと一時ではあるが幸せな日々を過ごしていたのに、こうやってすぐにまた壊れてしまうのだろうか?
(私はただ、エイトやシルフィ、アリアンと最低な日常を過ごしたいだけなのに…)
毎日がルーティーンの様に過ぎていく日々
そこには刺激はなく、ただただいつも通りの日常を過ごす、でもそれがとても幸せなのだ。
「…身分も何もかも捨てて、エイトと駆け落ちでもすれば、もう苦しまなくていいのかなぁ」
「そんな事しない為に態々来たんだろ?」
「みゅぅぅぅぅ!?」
体育座りでうずくまるミュウの真前に立ち
ミュウが顔を上げた時、エイトの顔がドアップであった
「え…え.え.え.え…エイト?」
「そうだけど?」
「な…なんで…ここに?」
誰も来ないと思っていたのだろう
しかもエイトはここに来たのは初めてでわかるはずがないと、しかし忘れてはいけないのは、ここはミュウだけの家ではないと言う事だ。
「全く、私達がいるんですから、それくらいお見通しですよ?ミュウ様?」
「お前、あたい達を忘れてないか?」
「…あ、シルフィとアリアンは知ってたわね…」
今気づいたのだろう、やはりミュウは何処か抜けてる様だ
エイトはそんなミュウの頭を撫でて立ち上がり辺りを見回す。
「しかし、ここは秘密基地みたいだなぁ」
エイトの言う通り、ここは屋敷の裏に何かで隠している岩があり
それをどかすと地下に、つまりここに繋がる道があったのだ。
中も小さな人形や萎れた花、古びたソファなど、ちょっとした部屋の様になっている。
「はい、修理を頼めばすぐに直りますが…」
「あたい達が小さい頃から今でもずっと残ってたんだよなぁ」
勿論3人は黙っているが
他の人達が気づかないわけがない
…と、思うのだが、今はそれどころではない。
シルフィとアリアンも昔の懐かしさを少し我慢する。
「んまぁ、その話はまた今度にしようぜ?な、シルフィ?」
「はい、そうですね、今は…」
そう言って3人はミュウを見る
その目は理解は出来るが、なぜやった?
と言う少し怒り気味の目だった。
その目線が怖いのか、視線を逸らしながら
エイトに立たせてもらう。
「…ごめん、どうしても許せなくて」
「まぁ大体の予想はつく、けど」
「みゅぐっ!」
エイトはミュウのおでこをデコピンして
ミュウは少し涙目になる。
「母親の前ではあんな事するなよ?」
「そうですね、私には思いっきりハグしてくれたら許してあげますわ♪」
「そうそう、ハグ…って」
「え?」
「あ」
「お母様!?」
エイトがハグしようとしたら、不意に止まる。
シルフィとアリアンはその声の持ち主の方を見て一言言葉を溢す。
秘密基地(?)でミュウと話していたら
いつの間にか、ミュウの母がにこにこしながらソファに座ってエイトとミュウを見ていたのだ。
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猫って可愛いよねぇ、見ていて癒される
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