第132話 親子喧嘩

~夜~


〜エイト達がミュウの実家に着いたその日の夜〜


「君1人を外に出すのは申し訳ない」


と言う理由で1泊、泊まらせて頂く事になった。

公爵家としてなのかミュウの彼氏としてなのかはわからないが、兎に角助かった


「では、私が案内いたしますので、着いてきてください。」


「わかりました」


メイドはそう言ってエイトはミュウ達と離れていった

残ったミュウ達も自分達の部屋に行こうとしたが、


「待て」


とミュウの父に言われて止まる

3人はミュウの父を見て話を聞く。


「なんでしょうか?お父様」


「ミュウよそれにシルフィとアリアンよ、お前達に聞きたい事がある、嘘偽りなく答えてくれ」


「わかりました旦那様、可能な限りお答えいたしましょう。」


ミュウの父はかなり失礼な態度だが、前世の事や、女神の事などは言ったところで信用してくれる可能性は低いし、余計な事をしてこちら側が不利になる事はしたくない。


だからこそ、エイトは黙っていたのだ

その点においてはエイトは知恵が働く。


「ミュウよ、お前達は本当にカイトとの婚約は嫌なのか?」


「…どう言う事でしょうか?お父様?」


「彼奴(あやつ)…エイトともうしたか?あの者がなんらかの魔法か何かで洗脳しているのではないか?と思っているのだ。」


「そんな事を聞いて何になると言うのですか?」


ミュウの言い方はきついが事実だ

もし本当に洗脳されているのなら「洗脳されています」なんて言うわけもないし

必ず「洗脳されていない」と答える。


つまりここで「洗脳されていない」と答えると無条件でエイトが不利になるのだ。


(旦那様はエイトさんを信用していない)


(だからこんな子供騙しを使ったのか?)


シルフィとアリアンの考え当たっている。

どちらにせよ、洗脳魔法なんてエイトは持っていないし、そもそも「魔王」にそんな物が効くとは思えない。


「いや…仮にお前達が何かしらの洗脳を受け騙されている可能性もあるのでな、それを確かめたいのだ。」


「確かめてどうするのですか?あのクソ野郎と結婚でもしろと?」


「お前達は幼き頃から仲が良く、彼奴(あやつ)のためにわざわざ他国まで行ったのだ、そう考えるのが妥当だろ?」


仲は良くないし、付き纏(まと)っていただけだ(カイトが)

他国に行ったのも、そんな奴と1秒でも良いから離れたかったからだ。


ミュウの父親はその事すらわからない様だ。


「では、カイトとの婚約も私達の意思で決めていたとそう思っていたのですか?」


シルフィはそう聞くとミュウの父は頷く。


「事実であろう?それを何処ぞの馬の骨が奪い取ったとも書いてあった、それが彼奴(あやつ)なのだろう?」


「…つまりカイトは自分の妄想話しを本気で信じていて、その妄想を真実として手紙に送っていた…と言うことか?」


アリアンの言う通りだろう、カイト…

まさに存在そのものが害悪そのものだ

今は隔離寮に住んでいるが、それでもここまで影響を及ぼすのが腹ただしい。


「お父様…」


「なんだ…m」


ドゴォォォォンンン…とけたたましい音を立てながらミュウの父の後ろの壁が破壊される

破壊したのは勿論ミュウだ。


ミュウの瞳はハイライトがオフになり

完全にブチギレている。


「…もう1度言います、確かめてどうするのですか?あのクソ野郎と結婚しろと?…ふざけるなよクソジジイ…ッ!!!」


「貴様…父親に向かって!」


「貴方の様な人は私の父親ではない!」


「な!?」


「エイトのお父さんとお母さんはとても優しかった!

あんなにも暖かい家庭があるなんて、

あんなにも幸せな気分になれるなんて思っても見なかった!

それなのに貴方はなんなの!

他人の人生を滅茶苦茶にする最低最悪の屑男と結婚しろと!両想いだから良いだろって!私が好きなのはエイトなの!この世でたった1人の私の大切な人なの!!!!」


そう言ってミュウは外に飛び出した。


「おい!何があった!?」


「先程大きな爆発が聞こえましたが!?」


離れていたエイトとメイドが慌てて戻り

状況を確認する。


「ミュウ様が外に行ってしまいました!」


「はぁ!?」


「エイト、シルフィ!兎に角行くぞ!」


そう言ってエイト達はミュウを追いかけに行った。


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厨二病の人って1番小説家に向いていると思うんですよねぇ(^◇^;)

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