第98話 再開(求めてません)

~半年後~


カイトとエイトが戦ってから早くも半年の月日が流れた、この期間はまさに平和そのものであったが、その平和も遂に終わりの時を迎えた。


クラスでエイト達が談笑していると

ガラッと大きな音を立てながらカイト達がやってきた。


「彼奴、やっと学園に来たんだ。」


「あんなにサボっても許されるなんて、流石貴族様ねぇ。」


カイトは半年前の罰として3ヶ月間学園内をひたすら掃除していた。

しかしそれ以降は授業に参加出来る筈だったのに、学園には来ないで、ずっと欠席をしていたのだ。


(でも、とうとう来やがったな)


奴はミュウ達を奪う為に、何か準備をしていたに違いない。

奴と言っているのは、アイ、メグミ、サユリ等は授業に参加したりはしたが欠席が多く

カイトだけが全く来なかったのだ。


「彼奴がいないだけで随分平和だったんですけどねぇ。」


アイ達はカイトがいないと飼い主のいない犬の様にとても大人しかった。

(まぁ目線は鋭かったが)


多分、カイトに自分がいない間は勝手な事はするなと命令されていたのだろう

カイトの為と言って勝手に行動するのが彼女達だ。


「お前の初恋の人達の面影は何処にいったのやら。」


「は?」


「アリアン!余計なこと言うな!ミュウ!ストップ!ストップ!駄目!めっ!」


「離してエイト、あのメス共をなぶり殺しに出来ない。」


前世の記憶を取り戻してからミュウは本当に人が変わった…(エイトの時だけ)

特にエイトに関わろうとする女(シルフィ達を除く)達をまるで親の仇かの様に睨みつけ

今まさにエイトの初恋と言うだけで怒り狂っている。


「そもそも、前世の記憶を取り戻す前だから!殺しに来た人達をずっと好きでいられないから!」


「…本当?」


「俺がミュウに嘘をつくとでも?」


「………信じる。」


(前世のミュウはこんなんじゃなかったぞ?なんでこうなったんだ…)


原因はカイトにあるのだが、間接的理由はエイトにあるが、それを本人が知る由もない。


(全く…エイトさんの迷惑をかけるなんて…私のエイトさんに迷惑でしょうに。)


「………」


ギロリとミュウはシルフィに目線を向け、シルフィは何食わぬ顔でカイト達を見ている。


(シルフィは大切な家族だから殺さないけど…私からエイトを奪ったら、…容赦はしない、全身の骨を砕いて、目の前でエイトと○○xしてやる。)


「…もうやだこの空気。」


「原因はお前だろうが。」


「それは本当にごめん。」


本当はカイトが学園に来た事に警戒しないといけないのだが、ミュウとシルフィとの間にある凄まじい殺気により、それどころではなかった。


そんな殺気に気がついたのか

カイトは笑顔でこちらに近づく。


「おはよう!ミュウ!シルフィ!アリアン!」


「…………」


「……………」


「…なんの様だ?」


アリアンは好感度に変化はないが、ミュウとシルフィはマイナスな為、会うだけで

好感度は下がっていく。


2人は既に塵を見る様な眼でただ見つめていたが、カイトはそれに気がついていないようである。


「なんだよー、愛しの婚約者が来たんだぞ?もっと喜んでくれよー♪」


「その臭い息を吹きかけるな。」ボソ


ミュウは小さな声で言ったおかげか、カイトは聞こえなかったらしい。


「ん?なんか言った?」


「何か御用はあるのですか?と言っているのです。」


(吐き気がするが、我慢しないと…いけませんね。)


シルフィが顔を引きつらせながらカイトに話すと、カイトは笑顔で言う。


「え?決まってるじゃん!君達を助けに来たんだよ!」


「…助けに?」


「そう、そこにいる生きる価値のないモブから君達を救いにね!」


(エイト…我慢しなくて良い?)


(…頼むから耐えて)


ミュウが既にカイトを襲いそうなのを必死に抑えながら、エイトはカイトと話し始める。


——————————————————————

ミュウの性格が初期からだいぶ変わってしまった(^◇^;)



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