第99話 逆鱗(…もう知らん)

「久しぶりに会ったのにいきなりモブ扱いとは…貴族様は流石ですねぇ。」


(貴族じゃない…あの○○○限定)


ミュウが女の子が言ってはいけないパワーワードを平然と言う。

前世の記憶もあるので、その手のゲームも熟知しているが、生身の人間に対して言う事はなかった。


それ程までにミュウがカイトに対するヘイトが溜まっているのだ。


「うるさいね、貴族であり、勇者である僕に話しかけてもらったんだ光栄に思いなよ、モブ君。」


「そうだね、その光栄に思うよ。」


「へぇ身の程をわきまえているんだねぇ」


勝ったと思っているのか、エイトを見下すカイトだが、次の言葉で表情が変わる。


「そのモブ程度に負けた、惨めで哀れな勇者様?」


「君が不正行為をしたのが悪い。」


「負け犬の遠吠えは惨めですねぇ。」


エイトはあくまでもカイトより下の立場で話している

嫌味ったらしく、苛立たせるように。


「なんとでも言え、君が僕に勝てないからと不正行為をして勝った事になんの意味もない、必ず正義は勝つんだ、君を叩き潰して、洗脳されているミュウ達を救う。」


「それじゃあ私が勝ったから、正義は私の方にある…と言う事ですよね?」


人の揚げ足を取りながら、会話の流れをエイトが掴む、カイトは表情を変えない様にしているが、顔がひくついているためバレている。



「つまり、"私はミュウ達を守る為に使った正当な手段と言っても良い"、と言う事ですよね?」


敬語を使いながら、エイトはカイトと話し続ける。


「それは勝ったらの話だ、ズルした勝利は勝利ではない、無効だ。」


なんとも理不尽な話だが、カイトは貴族であり、勇者だ、今のこの状況も非常に悪い

周りからすれば平民が貴族に喧嘩を売っている姿だが、ここはそんな権力が通用しない。


さらに言えば、カイトは一度エイトに負けている、文句を言った所です負け犬の遠吠えにしか見えないのだ。


「さっきから聞いていれば、あんたカイト君に対して失礼すぎじゃない?」


「本当、家族との縁を切りたいくらいよ。」


「幼馴染みがこんな汚物とか死んでも言えないわね。」


しかし水を得た魚の如く、サユリや周りの女性達が集まって罵倒を始める。


「カイト君にズルして勝った癖に偉そうなんだよ。」


「正々堂々と戦えない女々しい野郎ね。」


「無理に決まってるじゃんw塵なんだから。」


「それもそっかw」


そう言って甲高い奇声に近い笑い声をあげる

耳障りでとてもうるさい。


「ゴミはゴミらしくさっさと死んでよw」


「あーあこんな奴を殺して捕まるとか有り得なくね?」


「むしろ世界に貢献してんだからお金貰えるんじゃないw」


「あ!それ良いね!w」


そう言ってエイトを殺すのを正当化している

メグミ達だが、その言葉全てが彼女の逆鱗に触れている事に気付いていなかった。


いや"達"だ


「ねぇ、もう良いよね?」


「エイトさん、私もう無理です。」


「頼むからやめてくれ、マジで面倒にな………」


エイトが止めようと動こうとした瞬間。


「んじゃあミュウに殺して貰いましょうよw」


「洗脳を解いてその鬱憤(うっぷん)を晴らすのか…いいねそげぶはぁ!?」


アイがカイトと仲良く話していると、ミュウは

カイトの逸物を蹴り上げて壁まで蹴飛ばす

メリッと鈍い音と、亀裂が走り、カイトは気絶する。


「…え?」


アイは驚き、ミュウを見る。


「次にその口を開いたら、君達の皮を全てはいで、そこに塩を塗って、両手両足を切断して目玉を繰り抜いて、舌を切る行為を麻酔なしでジワジワとやるけど…いい?」


「ひぅ!?」


ミュウの生々しい言葉に鳥肌が立ちながら

メグミや他の彼女達はミュウを見る。


「私の全てのを捧げているエイトを馬鹿にするなら、私は悪魔にでもなってあげるよ?」


「…それとももう一度勝負する?」


「…再戦…って事?」


アイはそう言って首を傾げる。


——————————————————————

どうでもいい

と言う話だから、彼女達との会話も上手く書かないとな…(前作みたいにはしたくないし)






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る