第40話 殺意を抱く瞬間

~学校~


「…あれから2週間…シルフィ…大丈夫かなぁ」


「大丈夫だよ、きっとどこかで、昼寝とかしてるよ。」


2人ともまだ隈が酷く、周りが心配そうな目で見てくるが、2人は気にせず

スマホで情報を見ている


真面目に探してくれる人

適当に言う人

ふざけて邪魔をする人

などなど、様々な人達がシルフィの為に探している


提供された情報を1つ1つ丁寧に探して、例えほとんどガセ情報だとしても僅かな希望をかけて探している


そんな事をしていると、しばらく話しかけて来なかった海斗が声をかけてきた


「おはよう!ミュウちゃん!元気?」


「…Shut up forever(永遠にだまってろ)」(おはよう海斗君)


「え?」


「何しに来たの?だってさ。」


相変わらず瑛人を無視する海斗にぶっきらぼうに答える

約1週間、こちらに関わって来なかった奴がいきなりきたのだ、普通はそう思う


「ああ、そうそう、そろそろ整理がついたかなぁって。」


「…Organize(整理)?」


2人きりの時以外は使わないと約束していたが、シルフィがいない悲しみの中、海斗と言うミュウが大嫌いな人間が声を掛けて来たのだ、瑛人も気にせず、海斗を見ている


「わからないってよ、何のことか説明してくれ。」


瑛人が翻訳して海斗に伝える、内容は違うが聞きたい事は同じなのであながち間違っていない


「ああ!そろそろデートでも行こうよ!」


「………は?」威圧


「………」


海斗は上機嫌になりながら、楽しそうに話す


「いやだってさ?あんなゴミの為に泣くなんて馬鹿らしいじゃん?」


「………Is it stupid(馬鹿らしい)?」


「…どう言う意味だ?…だってよ」


2人とも声のトーンが下がり、ペースもゆっくりになっているが、海斗は更に楽しそうに話し続ける


「まぁ?僕も?優しいからさ、気持ちを落ち着かせる為に時間を上げてやったでしょ?」


気持ちの整理をつけさせる為に1週間距離を置いていたらしい

そしてもう落ち着いた頃だからデートでも行こう…そう言う事らしい


「あの汚いゴミが死んで悲しむミュウちゃん見たくなかったけど、アレのせいで僕との時間を削るなんて駄目だよ…だから…ね?」


2人とも堪忍袋の尾が切れる寸前だが、海斗はそれを平気で切る


「それにあの1匹死んだぐらいで大袈裟だよ、飼いたいなら僕が飼ってあげるし…寧ろ死んでよかったよ!野良猫なんて汚いゴミなんだから!」


「………If you listen silently(黙って聞いていれば)」


ミュウは席から立ち上がり、海斗を睨みつけて


「This ... let's do it !!!(この…クズやろう!!!)」


ハサミを持って海斗目掛けて振り下ろした


(殺す!こいつだけは絶対に許さない!!)


自分と瑛人が心底可愛いがっていた仔猫を汚いゴミと言う、目の前に心底のクズに無意識に向けた攻撃に海斗は驚き


「ミュウ!?やめろ!」


瑛人が咄嗟の判断で止めた


————————————————————


続く

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