第41話 本当の想い人

「leave! Eito!(離して!瑛人!)」


「What are you going to do if you let go?(離したらどうするつもりだ?)」


瑛人はミュウの右手を抑えて、海斗を助ける

いや、正確にはミュウが海斗ごときの為に警察沙汰にしたくないし、殺したいが、我慢する


だけどミュウは怒りに任せて力を更に込める


「Such a guy ... Such a guy ...(こんな奴…こんな奴)!!!」


「Cool it!(落ち着け!)」


(くそ!皆んなも注目し始めた…)


なんだなんだ?

と野次馬が徐々に集まっていき、このままだとミュウがはさみで人を襲ったと誤解されてしまう。


(ミュウ…許してくれよ!)


瑛人は腹を括るとミュウの顔をこちらに向けて


「うむ!?」


「は?」


「え?」


「お?」


「あら~」


唇を合わせた、いつもやっている濃厚なものではなく、軽い挨拶程度の合わせ方で済ます


「…ちょっと!人前で!//////」かぁ


顔を真っ赤にしながら、こちらを睨みつけるミュウ、だが逆に瑛人は安堵の表情を浮かべた


「…これで落ち着いてくれたか?」


「…あ、…うん……ありがとう」す…


そう言うとミュウははさみを下ろして、瑛人に渡す、瑛人はそれを受け取ると自分のポケットに入れる


「…ごめんね、私のせいで取り乱しちゃった。」


「仕方ないさ、あんな事を言われたんだ、俺だって本当はあいつをぶん殴りたい気分だよ。」


そう言って睨みつけると、海斗も同様に睨みつけていた


「おいおい、今のはお前が悪いだろ?なんでそんなに怒ってんだよ。」


「当たり前だ!テメェ…幼馴染みだか、なんだか知らねぇが…やって良いことと、悪いことの区別も出来ねえのかよ!」


今度は海斗が瑛人を襲うと向かってくるが、クラスメイト達が止めに入る


「おい!いくらミュウが暴れてたからって、あれはないだろ!」


あれとは多分唇を合わせた事だろう、確かに人前でやるのは良くない…けどそこまで怒られる意味がわからない


「海斗も海斗だが、お前もお前だ!両方悪い!」


「…お前ら、たかだか人前でやったぐらいで、そこまで怒られる事か?」


「………」


ミュウも顔を赤くして瑛人の後ろに隠れているが、お互いそこまで怒られる理由がわからない


それを理解したのか、同じクラスメイトの女子から理由を説明される


「あのさぁ…いくらなんでも人の彼女とキスするのは不味いでしょ?」


「……人の女?」


全く理解出来ない、ミュウと付き合っているのは瑛人だ海斗ではない


「…まさか…また?」


「何よまたって、あんたが悪いんだから早くミュウと海斗君に謝りなさいよ!」


「そうよ!そうよ!」


「この間男!」


「ミュウちゃんが可哀想だわ!」


どうやら海斗が知らない内に嘘を広めていたようだ


海斗とミュウが付き合っていると言う嘘を


(…あのメンヘラ男…マジで面倒くせぇ)


瑛人は心底呆れた様な溜息を零して話す


「何思い込みしてんだよ海斗、俺とミュウは小学生の頃からずっと付き合ってるんだよ。」


「…貴方…と…付き合った…覚え…ない。」


2人の言葉に周りは一気に静かになる


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更新中

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