第39話 善意の悪意 海斗side
瑛人とミュウがシルフィを探し始める1週間前
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僕の名前は佐藤海斗(さとうかいと)、何処にでもいる普通の高校生だ。
バレンタインでは沢山の女の子達からチョコを貰い、恵まれていない親友の瑛人にチョコをあげる
そしてミュウちゃんから本命のチョコを貰い僕達が両想いだと言う事が実感出来る
そして僕はそれを皆んなに知って貰おうと高校に入った時に出来た友達に話している
だからこそ、僕とミュウちゃんが付き合っているのは皆んな知っている
…なのに最近、いや、ずっと前からだ、瑛人は何故かミュウちゃんと一緒にいる
幼馴染みなのは知っているし、仲が良いのも知っている…しかし付き合っているのは僕なんだ、偶には消えて欲しい
だからこそ、それとなく察して欲しいから無視する時もあるし、いてもいない者としてやってきたりするが、ことごとく失敗する
今日なんか、仕方がないのでカラオケに誘ってあげたのに断られて、いつもみたいに頼めば来てくれると思うが、2人がいつも何をしているのか気になる為、ついて行くことにした
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放課後
(この僕に内緒で何処に行くんだ?…浮気は許さないよ?)
そんな事をすれば別れるし、絶交もする、当たり前だそれにそんな悪い事をした日には皆んなが僕を慰めてくれるだろう。
2人は仲睦まじく歩き、まるで恋人同士の様に距離が近い
(…僕の時はもっと離れているのに…)
これではまるで不倫現場を見ている夫の気分だ、写真を撮って問い詰めたいが、2人は幼馴染み…だから距離が近いと言われたらそれでお終いだ
(もっと…確証的なものがあれば……)
手を繋ぐ…恋人繋ぎならアウトだ
キス…論外(アウト)
ホテル…戦犯(裏切り)
そうであってほしくないが、あれば仲間と共に瑛人を社会的に抹殺し、ミュウちゃんを確実に僕の物に出来る
そんな事を思いつつ、海斗は電柱や家の物陰に隠れながら尾行を続けた
すると2人がとある店の中に入っていくのを確認した
「…ペットショップ?」
エジプトで100年間箱の中で生き続けた吸血鬼が飼っている鳥の名前ではなく
動物専門店に2人は入っていき、そこから袋を持ちながらまた歩き始める
「あっちは橋しかないが…食べる気か?」
猫の缶詰は意外と美味しいらしく、丸い猫を飼っている姉がこっそり食べているのを弟が見てしまう程の物らしく、それに影響を受けたのか?と思ったが、どうやら違うようだった
「お待たせ、シルフィ。」
「良い子に待ってた?」
「ぴゃー!」たた!
橋の下で2人は汚い動物を育てていた
その姿を見て、海斗は確信した
「なんだそう言う事か…」
2人が可笑しいのはこいつが原因だと
こいつがいるから、ミュウちゃんは僕に構ってくれない
こいつがいるから、瑛人はミュウちゃんと一緒にいるんだ
だったらこいつがいなければ?
そう思った僕は微笑みながら、引き返す
「待っててすぐに元に戻してあげるから。」
あんな汚いゴミを育てる2人はとても可哀想だ、ゴミはゴミ
らしく、燃やしてしまおう
「警察に渡すのも良いけど、出来れば僕の手でやりたいなぁ。」
そうすれば2人は僕に感謝するだろう
良い事をすると気持ちが良くなるし、明日の朝…
「ゴミを燃やそう♪」
そうして海斗はスキップしながら帰っていった
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日本編は53話まで続きます。
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