抵抗の結果

「茜ちゃん! 外してよ! お願い!」

 鈴ちゃんはまだそんなことを言っている。

「どうして? 私の愛はまだ伝わらないの? もしかして、あの男のこと考えてるの?」

 鈴ちゃんの表情が強張った。

 これを私は肯定と見た。

「分かったわ。それなら私のこと以外考えられなくしてあげる」

 私は鈴ちゃんの首に両手を這わせた。

 そして、一気に力をこめる。

「んん…………んぐっ」

「どう? 意識がもうろうとしてきたでしょ」

 鈴ちゃんは、端正な目元を苦しそうにしかめた。

 ひきつった頬。

 歪んだ口元。

 乱れた髪。

「ああ! かああいい! 私が鈴ちゃんの命を握っているのよ!」

 私の興奮して乱れる呼吸が小さな部屋に響き渡る。

 私は満足して両手を離した。

「ごほっごほっ…………はあはあ」

「これでわかったでしょう。鈴ちゃんは私のものだって」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る