狂気のオムライス

 昼食の時間。

 私は鈴ちゃんのために、オムライスを作った。

「鈴ちゃん、オムライスできたよ」

 スプーンですくって、鈴ちゃんの口元に真っ赤なそれを持っていく。

「はい、あーんして」

 鈴ちゃんが、小さくてかわいい口を開けた。

 その中に、優しくオムライスを入れる。

「おいしい?」

「ん?」

 鈴ちゃんは顔をしかめて言う。

「鉄の味?」

「うん。私の血の味だよ。私の一部が鈴ちゃんの一部になるの! 興奮で、寒気がするね! ほら、もっと食べて。私と一つになろう!」

 言われるがままに、鈴ちゃんは血が乗ったオムライスを食らい続けた。

「おいしかった?」

 私は満面の笑みで訊いた。

「…………おいしかった」

 私は鈴ちゃんの口の端に着いた血を舐めとった。

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