敬老の日ですね!

9月の第三月曜日は、敬老の日ですね。

昔は確か、9/15日でしたので一瞬あれ?と思ってしまう事もあるのですけども…ありませんか?


私のリアルおじさんおばさん達も、退職だー年金だーという年に差し掛かって来ていますが、幼い頃に記憶しているリアル祖母が還暦の時よりも若々しい気がします。

因みに祖母、うちの母に「おめーらの世話にはなんねぇ」と言い、大叔父(祖母の弟)から曾祖母(祖母の実母)の介護の手伝いを頼まれた際、自分が遊びたいからと雑にやってたせいなのか、今では盛大にボケて叔父さんがお世話してます。

特大ブーメランですが、世話になんねぇ言ってたけど息子達がお世話してくれて良かったね。(別に祖母が嫌いではないですよ)


はい、話が逸れましたね。

今回は…元気なおじいさん、おばあさん達のお客様達の話をしたいと思います。

私の住む地域は程よく田舎なのでご高齢の方が多いです。

いくつになっても元気だったり、優しかったり…まあすっげ口悪い方々もいるんですけどね、この辺の訛りもありますので、そこはご愛敬ってことで。



まずは、とあるご長寿のお爺さんのお客様の話です。


そのお客様、90歳を過ぎているご長寿なお爺さんなのですが、ほぼ毎日のように散歩をしている元気な方です。

その散歩の途中でショッピングモールに立ち寄り、飲み物を買って休憩していきます。

私の働いていたお店の場所からは、お爺さんのその様子が見えます。

毎日見ていて、段々気付くようになりました。

……で、その飲み物。

店員さんからカップを受け取り、お客様が専用マシンを操作してカップに飲み物を注ぐまでが、セルフサービスになってます。(コンビニのコーヒー等の買い方とほぼ同じです)

その飲み物マシンの場所がまた良くなくて、お客様から分かりにくい所に置いてありました(裏側に回り込む必要がありました)。

なのでお客様から、マシンの場所を聞かれる事が度々ありました。


お爺さんは散歩の途中なので、いつも一人で飲み物を買っていきます。

付き添い無しで出かけられるくらい元気なのです。

ですが、やはり90歳を過ぎているせいか、新しい事を覚えるのは難しいみたいです。マシンの操作が分からず、毎回店員さんを呼んでやってもらっていました。

それで、何回か呼んでいるうちに頼み易い人の顔を覚えたようでした。

何時からかマシン近くのお店にいる若い店員さんによく頼むようになりました。

笑顔が素敵な可愛らしい女子といった見た目の店員さんです。頼みやすい人に声を掛ける方が気持ち的にも楽なんだろうな。


……え、私ですか。

マシンまで一回ご案内した事があります。まあ、この時に初めてお爺さんの事を知ったのですよね。

それから休憩の時にレジの店員さんにそのお爺さんの事を聞かされました。


「あの年で一人で来てくれるのよ」

「元気な方ですね」

「そう、世間話もしてくれるんだよ」

「気さくだ」


但し、耳が遠いせいか、出したお金が違っているのを説明しても不思議そうな顔をされたとかの話をされました。


とてもいい人なんだけど、忙しい時に来店された時、お爺さんの動きがゆっくりなので急かせられないし、後ろに並んでるお客様がイライラしているし…で冷や汗をかいた事もあったらしいです。


お爺さんがゆっくりなのはしょうがないし、こっちの事情は関係ないからね。


「忙しくない時に来てくれれば、ゆっくり接客出来るんだけどさ」

「タイミングもありますからね」


店員さんの顔を覚えているらしく、「最近はあの人見かけないなあ」とか、暫くぶりの店員さんには「久しぶりだね」と言ってくれるそうです。


毎日飲み物を買いにきてくれるお爺さん。

このまま100歳まで元気で散歩を続けられて、買い物にも来てくれるといいなあと思っています。



続いては、電話でカーナビ代わりに聞いてきたお爺さん。


とある小春日和のことです。

うちのお店に電話が掛かってきました。


プルルル、プルルル、プルルル…


私はその時一人で店にいましたので、電話に出ました。


「まいどありがとうございます、○○店です」とマニュアル通りに話しますと

電話を掛けてきたのは、話している声色の感じ、お爺さんのようでした。

お爺さんは


「もしもし、そちらのお菓子が欲しいんだけどよぉ」

「ええ、ありがとうございます!」

「で、○○店に行きたいんだけど、△△(地名)から車でどう行けばいいんだよ」


声を大にして言いたい。


知らねえ!

(車乗らないので)


知らない事をすぐに答えられないし、適当に言えませんので、店の最寄り駅をお伝えしました。

しかしカーナビが壊れてわかんねぇ、どこの県道乗ればいいんだと言われました。……いや、ほんとに分かりません。

これ、車に乗る人にはわからないかもですが、電車しか使わないと道に疎いんですよね……。

まあこっちも一人でしたし。

お客様には、「ええ。申し訳ありませんが、私は車に乗らなくて道に詳しくありませんので、只今道を調べますね。少々お待ち下さい」

と、伝えました。

するとお客様がヒートアップしてきましてね


「この店に男はいないのか!お前一人か!

誰かに変われ!ちよ(名字)って探して電話掛けてやる!」


これがまー、コテコテの罵詈雑言の嵐なんですよね。随分と古典的過ぎて、しかも面白みがない。

それにうち、電話帳載ってないから探してもないしな。(家電は知ってる番号以外出ないし)

怒鳴られて怖いなという気持ちより、スーッと冷めていく自分がいました。

なんか、沸点低い方だなあ、と。

(お客様が気に入らないと、怒鳴られるのは極たまにあります)


頭の中で、なってしまった事はしょうがない、どう対応するかと思いつつ。

お客様には取り敢えず……こちらが焦ってると思わせとこう、と思い

私は焦った風に装って「聞きに参りますね」と言って受話器から離れました。


私はスーパーの店員さんに電話での話を説明しました。

で、道をざっくり調べてもらいまして、お客様にお伝えしましたが…

当のお客様は頭が冷えてたみたいで少し落ち着いてました。

それから、欲しい商品について聞かれましたが…お客様はあると聞くやいなや

「菓子あるんだな!じゃあな!」とガチャ切りでした。

マジで自由なお客様だな!


調べてくれた店員さん曰く『電車ならともかく、道は急に言われると分からないよ!』と言っておられました。

珍しい問い合わせだそうです…ええ、後にも先にもこのお客様だけでしたよ。


それからお客様は、

私が休憩中に来店されたそうで、対応してくれた方の話では、商品を買って普通に帰られたそうです。

しかも、「道がわからなくて、カーナビもなくて迷っちまったよ、ははは」


………………。

ええ、私の言い方が良くないのではないかと反省してますが、やっぱり理不尽ですね。

…お店的には、お客様が納得して買ってくれれば結果的にいいんですがね。



最後は、常連のおばあさんの話です。


そのお客様は、週に何回かやって来ては気に入ったお菓子を買っていってくれます。

結構な高齢のお方ですが、しゃきしゃき動いてますし、仲良しの店員さんが忙しくない時に来ては、少し話していくこともあります。

私も長いからか、割と話すことが多くて


「あっちのお店の子達に差し入れしたいのよ」と言って下さり、たまに商品を買っていってくれていました。


おばあさんとは、どこそこが閉店するといえば「寂しいわね、あそこの店員さんにはよくしてもらっていたのに」と話したり、

また新しいお店が入った、ということがあると

「あのお店はどうなの?商品はどうかしら」と新しいお店に来店されていたり

仲良くなった店員さんにも「あの人はうちもお得意様なのよ!」と言われるくらいだったり。

そんなある時、近くにある店の店員さんが、近々退職される事になりました。

個人的にもよくお世話になった方で、寂しかったのですが…

お客様も仲良くされていたので、退職の話をご本人から聞いて数日後ですかね、私にこんな話をされました。


「◇◇の店員さん、退職されるのよね。寂しくなるわね」

「ですよね」

「それでね、私。その店員さんにプレゼントしたいのだけど、最後の日は来れなさそうなのよ」

「そうなんですか…」

「だから、預かって代わりに渡して欲しいのよ!」


詳しく聞くと、うちのお店の商品を買って渡したかったけど、今日店員さんはいないし自分は最後の日までに会えないかも知れない、なので買って預かって欲しいと言う話でした。

常連さんの頼みですし、今回は特別ということでお受けしました。


お客様は、季節商品の自分が気に入っている商品を選んでいました。


「それじゃ、よろしくね」

「はい、お預りします」


それを預り、プレゼント用に包んで店員さんにお渡しします。

商品をおばあさんからです、と伝えるとびっくりしていまして「もー、こういうのいいのに……」と言われましたが、喜んでいました。


後日、お客様には「お渡ししました」とお伝えしましたら、ほっとされていました。

それから店員さんが退職されて、おばあさんは変わらず来店されています。




……いかがでしたでしょうか。

ほっこりしたり、少し理不尽だったり、色んな人達がいますよね。

色んな人達がいますけれど、またぼちぼちとご提供出来ればと思います。




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