プロローグ:葛岡一樹の捻くれた思考
人間は、大きく分けて2つに分類することができる。
《勝ち組》と《負け組》だ。
平和を謳いつつも競争を強いられる昨今の世の中。勝ち組と負け組は明確なボーダーラインを持って区別される。
受験であれば合格点に達しているかどうか。
大会であれば優勝かそれ以外か。
恋愛であれば好きな人を手に入れられるかどうか。
勝者と敗者を分けるボーダーラインは様々だ。
そんな多種多様に存在する勝敗を分かつボーダーラインには、1つだけ共通解が存在する。
《少数派か、そうでないか》
そう。これが勝者と敗者を分ける、絶対的な共通解である。
……だってそうだろう?
志望した学校に合格する人間も少数派。
大会に優勝する人間も少数派。
好きな人と付き合えるのも、少数派。
どんな事象を取り上げたとしても、面白いくらいに勝つのはいつも少数派なのだ。
……そう、勝つのはいつも少数派だ。
ならば、物理的に少数派であるぼっちは人生の勝者と言え、また華々しい青春をぼっちで過ごすことは、勝者としての素養を高める行為と言えるだろう。
足掛け6年、友達なんてものは一切作らず、常に孤独の中で自分を磨き続け、あらゆる勝負事に勝ち続けてきたこの俺が言うのだから間違いない。
……友達いないのが可哀想? 独りぼっちが惨め?
笑止。
誇れ、崇めろ、奉れ。
──だってぼっちは究極の少数派。勝ち組に分類される人間なのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます