第5話
「団員と
「一回は見てるんじゃないですか。最悪です。っていうか、袋に入れてあるって事は触ったって事ですよね。……私の下着に変な事、してないですよね?」
「変な事ってなんの事でしょうかねぇ。僕、まだ子供だからわかんなぁい」
「……確かに、全て本物です。この字も、
「裸に
「そうですか。本当に、ありがとうございます!
ぺこりと深く頭を下げる受付嬢にクズは手を横に振りながら――
「礼なんて止めろよ。俺はそんな
受付嬢は一瞬キョトンとした後、頬を
「そうですね。……失落の飛燕団さんにはお世話になっていますからね。
「へえ、どんなの?」
「
「――素晴らしいっ!」
王都から三~四日程度で行ける都市への護衛なんて安全が約束されているようなものだ。
キャラバン隊なら
だから、大規模な
せいぜい普段から狩っている弱い小型モンスターぐらいだ。
それでいて、報酬額は百五十万ゼニーと高い。
だいたい一ゼニーでパンが一個買える。
百五十万ゼニーなら、パンが百五十万個分。しばらく飢え死ぬことはないだろう。
むしろ百五十万ゼニーもあれば、団の運営資金と
あとは細々した依頼をこなせば、しばらくは食事や娯楽に困ることはないだろう。
「よし、そのクエストは俺達が
「ふふふ。お気に召してよかったです。では、これが正式な依頼書とクエストの受諾書に――」
笑顔でやりとりをしていると、
「――クズ君が来ているって本当かい!?」
「嘘です。お引き取りください」
「いるじゃあないか!?」
「く、クズさん……! どうしたんですか、ギルドマスター? そんなに慌てて……っ」
「どうしたもこうしたもないよっ! ああ、最高のタイミングで君が来てくれた! 私はね、ずっと君に会いたくて待ち焦がれていたんだよ!」
「俺はシリには会いたくなかった。ギルドマスターが会いたいなんて、面倒ごとの香りしかしない」
「お姉さんを
シリとはギルドマスターの
彼女の本名はシリル。
年齢はギリギリ二十代のお姉さん。
クズとは彼女がまだ受付嬢として勤務していた時代からの知り合いであり、それなりに信頼関係も
そんな長い付き合いだからこそ解る。
彼女がこんな
「シリ、いい呼び名じゃあないか。呼びやすいし、柔らかそうだし」
「お姉さん相手のセクハラはやめんさい。危険な仕事しか回さないよう
「……ちっ。うるせぇな。反省してまーす」
「よろしいよろしい」
にこっと笑うシリ。
実年齢より若く感じさせる幼い笑みだ。
――実年齢に似つかわしくない、とも言えるが。
「全く、クズ君のネーミングセンスはどうかしているよ。君の所の団員もマタやらナルシストやら……よく受け入れているよね」
「俺だってクズ呼ばわりされてんだ、あいつらの通称だって
「君は真のクズなんだから甘んじて受け入れなよ。皆して変な名前を
「団として統一感があっていいじゃないか」
「変人としての統一感を出されてもねぇ。――で、何をしているの?」
シリが苦笑しながら手元を覗き込んでくる。
「報酬の良いクエストを探しにきたんだよ。素晴らしく満足できるクエストを紹介して貰ったところだ」
「――な、なんだってっ!? ダメだダメだっ! こんなしょっぱいクエストは!!」
「――ああっ!?」
「ギルドマスターっ!?」
クズの手からクエスト依頼書と受諾書を
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