2話 小競合い!! 灯VSクロ
警察との戦いを終えて2日が経過していた。
天織灯(あまおりあかり)はいつもの学園生活が過ぎ、悪魔クロとの稽古というなの実践訓練を行う準備していた。
軽くストレッチした灯は、ここまで使ってきた愛機クイーンズブラスターASKを取り出した。
自分専用のスライドキー【レッド】を装着して、トリガーを引く。
普段の灯の髪は黒色になっているが『レッド』を装着したクイーンズブラスターASKのトリガーを引くと赤く染まったストレートの髪になる。真っ赤な髪は腰まで伸びている、モデル体型のような細い体は烏の羽のような艶のある黒色のワンピース・ドレスに包まれている。ドレスの上に羽織っている深みのある華やかなワインレッドカラーのコート。右手には【レッド】専用ナイフ
灯の数メートル先には、悪魔で相棒のクロがいた。
クロもまた、灯と同じクイーンズブラスターを持っている。クロの場合は、クイーンズブラスターの名前の後にBLACKが付いているが、性能はほとんど灯と同じとなっている。
そして、クロもまた、自分専用のスライドキー【ブラック】を装着し、怪盗服姿へ早変わりしていた。クロは17世紀位のレトロ風のコートタイプのペストドクターに、膝までの長さがあるレザーのニーハイブーツ、【ブラック】専用武器忍者刀
「灯、準備はいい?」
「えぇ、いつでも......」
両者は自分の専用武器を力強く握り、1歩1歩歩き、次第に速くなっていく。
お互いの得物がぶつかり合う。
ギンッ! ギンッ!!
金属音が響き、火花を散らした。
クロがバレエのステップを彷彿させる軽やかな動きをしながら踊るように斬撃を繰り出してきた。
灯はその斬撃を回避した。
ただ直進には来なく、上下左右あらゆる方向から斬撃が飛んでくる。斬撃の数が徐々に増えてきて対処に困ってきた。
斬撃だけを対処していてはクロに攻撃の機会を与えてしまう。その逆も然り。
灯はなんとか斬撃を
斬撃が止み、今度は灯が行動を起こす。
ジャンプして右足を蹴る。伸びた足がクロの頭左に当たると思ったが、瞬時に姿勢を低くされ、当たらずじまい。出した右足を曲げながらつま先で着地し、足裏がちゃんと地面とくっつくのを確認し、その場で左足を下から上へ蹴り上げた。低くなっている状態で足に力を溜め、バネのように回避したクロは後ろに回りながら左手1本で押して倒立し、正常な体勢に戻った。
灯はクロを休ます気が毛頭無く、右手に持っている
初めの何回かは首を左右に移動させ、回避していたが、1回左頬に
なんとか後ろに後退したクロだったが、灯が起動させていた【カメラ】で生み出した灯自身の虚像が回り込めれていた。【カメラ】で人物を出しても攻撃はできず、【カメラ】に記憶させた時のポーズのままのため、本体との動きが違いすぐに別の行動をすることができる。
あくまで【カメラ】から出現した人物は敵からの攻撃を一手に担うデコイのような役割もある。
しかし今回、灯が出現させた怪盗服姿の自分の虚像のは後ろに後退したクロの行手を阻む役割のために呼び出した。
後ろに後ずさったクロは虚像の灯とぶつかり、後ろ歩きで石につまづき倒れるように、灯の虚像が邪魔で大きく体勢を崩してしまった。
灯はすかさず、【カメラ】のマガジンをクイーンズブラスターASKから外し、【ライオン】をセットし、エネルギー弾を撃った。試行錯誤をしてなんとかエネルギーの塊を小さくして威力は抜群の調整に成功した。結構な集中力を要するので、安心はできない。
エネルギー弾が直撃するクロ。態勢が崩れているクロには防御の手しか残っていなかった。
【ダイヤモンド】を使って柱で身を守る手や【スパイダー】で空中に回避の手を考えていたが、クイーンズブラスターBLACKにマガジンを差し込む余裕がなく、仕方なく両手を前へクロスして被害を最小限にする手を取った。
エネルギー弾をモロに直撃し、壁に激突してしまった。
今、戦闘訓練をしている場所は璃子さんの実験室の隣の実践場で並大抵の攻撃には耐えれるつくりになっており、核爆弾でも耐えれると璃子さんがチラッと言っていたがほんとかどうか疑問でしかない。
基本は灯やクロが使用している怪盗アイテムの開発、修理をしている。
私達が回収したソドールの成分を解析し、クイーンズブラスターの持ち手の下が空洞となっており、そこにソドールの能力が入っている銃のマガジンに似た物を差し込むことで能力が使えるようになっている。
クロが壁に激突したことで若干、煙が放出し、クロの視線が見えにくくなっている。
次の攻撃の対処をしようとすぐに前を見たが、灯はどこにもいない。
天井のライトが自分に当たっていたが、影で覆われ、暗くなった。
クロが自分の頭上を見ると、灯が空中でドリルのように回転しながら下へ落下してきた。
両足をキッチリ揃えたままクロの頭を勢いよく踏みつけようと目論んでいたが、前転して難を逃れたクロ。
クロは腰の後ろに手をまわした。腰の後ろは異空間なのか、それとも暗器技術の類なのか分からなかったがクロの専用武器である忍者刀
灯が持っていた
灯はすぐに後ろ向きにジャンプし、クロと距離を取る。
「ふう〜、やるわね、灯!! ちゃんと成長している証拠ね、偉いわよ!!」
「ありがとう、クロ」
「でも、なんで私の顔ばかり狙うのかしら、そこが疑問なんだけど......」
「特に意味はないよ。ただ単に、狙いやすかっただけだよ!!」
灯の攻撃的な発言。なんとも爽やかに言い、生き生きとした笑みをこぼしているもんだから、少し怖い気がする。
青奈:良いわよ、灯ちゃん
どんどん狙いなさい!!
黄華:おいおい、灯を鼓舞させるな、全く......。お前は灯の事になるといつもこれだ......。
青奈:何言ってるのよ。これはソドールとの実践を想定した模擬戦なの。躊躇ったら、こちらの命がないわ。今、味わっている歓喜、そして緊張も相手は待ってくれないわ。相手はこちらの息の根を止めてくる。この訓練で早く行動できれば、今後の自分の助けになる。
黄華:へぇ〜。灯に対して頭おかしい行動をとっている割にはちゃんと考えているんだな。僕はそういったことは苦手だから、直球あるのにってね!!
青奈:まぁ、あなたはそれで良いわよ。逆にあなたがこんなことを考えながら戦闘していると恐怖しかないわ。あぁ、あの子珍しく頭使ってる、世の末ねって!!
黄華:おぉ! やるのか、女豹
青奈:来なさい!! おチビさん!!
灯:ちょっと、2人ともケンカはやめようよ。はぁ〜、なんでこの2人はいつもこうなのかな......。
「クロ、次はこれでいくわ!!」
灯もまた、手を後ろ腰に回し、縦長の箱を出した。箱全体が山吹色で統一されている
「来なさい、灯!!」
クロは手をひらひらさせながら灯を挑発していた。
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