第29話

 インベントリから取り出した弁当箱を置いて蓋を開けるとたっぷりと肉とトマト、レタスが挟まったサンドイッチを食べ始める


 「美味しいな、シルク」


 「それならよかったです」


 鶏肉の様な食感だな。でも鶏肉の味じゃないしなんだろうなこれって


 「シルク、これってなんの肉なんだ?」


 「昨日ドロップしたラージラビットの肉ですよ。あの肉はかなりの大きさでしたからね。夕食だけでは使いきれないので昼食にも使いました」


 「これがラージラビットの肉なんだな。案外美味しいなウサギの肉って」


 「ドロップした特殊な肉だからなのかもしれませんね」


 ラージラビットの肉に掛かっているソースも肉とパンに合うしボリュームがあるけどどんどん食べていけるな


 「ふぅ、結構食べたな。ごちそうさまでした」


 「お粗末さまでした」


 「少し休憩してから七階層に向かおうか」


 「分かりました。ご主人様、私のふとももを使いますか?」


 メイド服のスカートに包まれたふとももをポンポンと叩いてシルクが聞いてくる


 「あーじゃあお願いするね」


 「どうぞ、頭を乗せてください」


 シルクのふとももに頭を乗せて横になる。ムチムチしているシルクのふとももの感触を頭で感じながら下からシルクのその豊満な胸を眺めながらゆっくりとする


 温かな日差しを浴びながらほどよい風が吹いていて気持ちよく眠れそうだ


 シルクに頭を撫でられながら休んでいるともうそろそろ結界が無くなる時間が来そうになった


 「ご主人様、もう新しい結界発生装置の時間がきますよ」


 「ん、そうか一時間経ったんだな。ふぁー、じゃあ行くか。シルク」


 「はい」


 結界発生装置(一時間)の結界が切れる前にレジャーシートを片付けて結界を出て階段を降りて七階層に向かう


 七階層に着くと白紙の地図階段探しのコンパスを取り出して使い階段を目指して進んでいく


 現れる敵を倒していきながら八階層への階段を見つけ降りていく


 「ここから探索だな。シルク、頼むぞ」


 「分かりました」


 八階の夕焼けに染まる草原を探索していく。階段探しのコンパスは使わずに白紙の地図で現在地を確認すると近くの端から空白部分を埋めに探索をする


 しばらくして九階層への階段を見つけた。見つけた場所は八階層から降りてきてかなり離れている場所で白紙の地図の空白の部分はあと少しだけになっていた


 「残りの部分を埋めたら階段を降りるぞ。シルク」


 「もうこの階の探索はよろしいのですか?」


 「今日は十階層の探索がしたいからね」


 空白の部分を埋め終わると九階への階段がある場所まで歩いていき階段を降りていく。階段を降りて九階層に着くと月明かりが照らす暗い草原に着いた


 「じゃあ魔道具を使うよ」


 「はい、ご主人様も気をつけてください。ご主人様が狙われますから」


 「分かってる。俺が囮になっている間に倒したくれよ」


 インベントリから取り出したライターの形をした魔道具を使い光の玉を出した。出した光の玉が俺の頭上に浮かんで辺りを明るく照らしていく


 明かりを付けた事で遠くからウルフの遠吠えが聞こえてきた。遠吠えが聞こえた方を警戒しながら魔力波の魔法陣を展開していつでも使える様に魔法陣の魔力を流していきながら進んでいく


 魔力波の先制の一撃をウルフの群れに食らわせながら戦闘をしていきどんどん探索を続けて白紙の地図の空白部分を埋めていく


 MPの消費が多くなってしまうが魔力波を多用してウルフたちに使っていきウルフの討伐速度を上げながら探索して十階への階段を見つけた


 階段は白紙の地図が半分埋まった頃に見つけその後は残りの未探索域を探索しながら採取ポイントで採取をしたりウルフの討伐をしながらこの九階層のすべての探索を終えると十階層に向けて進んでいく


 「十階層に行くぞ、シルク」


 「はい、ご主人様」


 階段を降りながら消えてしまった明かりを付け直して十階層に着いた。月明かり降り注ぐ草原の探索していく


 十階層はやはり先ほどの九階層よりも強くたまにウルフの攻撃を避け損なう事があるがそれでも探索を続けていると現れたウルフの群れの中に他のウルフよりも大きなウルフが混ざっていた


 「なんだ?あのウルフ……まあ、とりあえず魔力波だ!」


 魔力波をウルフの群れに発動するとウルフの群れに魔力波は当たりダメージを与える


 「ご主人様!あの大きなウルフはウルフリーダーと鑑定に出ました!」


 「シルクはウルフリーダーを倒してくれ!」


 「分かりました」


 鉄の剣を両手に持ちながらシルクと一緒にウルフの群れに向かって走っていく。それなりのダメージを食らったウルフたちは俺に対して敵意を向けて吠える。それにビクッとなるがそのまま突っ込み剣を振るう


 振るった剣は避けられたが体制が崩れたウルフに向かいシルクが短剣を振るいながら群れの奥にいるウルフリーダーに向かっていく


 ウルフリーダーが吠えると他のウルフたちがシルクに向かおうとしていた


 「シルク!狙われてるぞ!」


 「その、よう、です、ね」


 ウルフたちの攻撃を避けながらシルクはこちらに返答をする


 シルクに攻撃をしているウルフに向かい剣を振るおうと近づくとウルフリーダーはさせまいと俺に突っ込んできた


 「うおっ!……がぁっ!」


 「ご主人様!……邪魔です!」


 ウルフリーダーの体当たりで吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。叩きつけられ地面に転がっていった。転がった勢いが弱まり止まると身体を起こし立ち上がろうとした時ウルフリーダーがすぐそこまできていた


 ウルフリーダーの噛みつきを転がりながら避け立ち上がり剣を構えウルフリーダーを睨みながら様子を見る


 身体全体に痛みが走るが少しでもウルフリーダーから意識を逸らすとそのままやられると思いウルフリーダーを警戒する


 ウルフリーダーが襲ってこようとした時遠くの方からナイフがウルフリーダーに飛んできてウルフリーダーの後ろ足に突き刺さる


 ウルフリーダーは突然の痛みに唸り声を上げナイフが飛んできた方を睨む。俺もウルフリーダーを視界に入れながら見るとそこには先ほどよりもウルフが減っていて残りのウルフをちょうど倒したシルクがそこにいた


 「ご主人様!今行きますからね!それまで耐えてください!」


 「分かった!」


 シルクがこっちに来るまでウルフリーダーを観察しながらいつでも避けられる様にする


 ウルフリーダーは今、自身が危機的状況な事が分かっておりあの人型のメスがコチラに来たら倒されるだろうと確信して倒されるならと人間の子どもにトドメを刺そうと剣を構えている子どもに向かい突撃した


 ウルフリーダーが吠え突撃してきて一瞬硬直して隙を晒してしまい鋭い爪で防具がない部分が引き裂かれる


 「うぐっ!」


 「もう少しですから頑張ってください!」


 引き裂かれた痛みを我慢して鉄の剣をウルフリーダーに振るい攻撃する。その一撃は当たるがウルフリーダーはそれを気にせずに噛み付いてこようとしてくる


 走りながらシルクの投擲がウルフリーダーの首筋に当たり怯ませると走ってきた勢いそのままにウルフリーダーにシルクが突撃してその手に持つ短剣をウルフリーダーの首に突き刺し抉る様に引き抜く


 シルクのその一撃のダメージが大きかったのかよたついているウルフリーダーをその短剣を使い攻撃していき倒した


 「ご主人様!大丈夫ですか!」


 「あちこち痛いけど大丈夫だよ」


 「早くポーションを飲んでください」


 「分かってる」


 シルクから渡されたポーションを飲み干すが全快にはならずインベントリから何本か取り出して使いやっと身体についた傷や減らされたHPの回復が出来た

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