第27話
道中に現れる複数の敵を倒しながら八階層への階段がある方に進んでいく。回避のスキルレベルが上げたからか回復ポーションの使用量が減っている。それでも偶に回避の失敗があったりするから緊張感がある
「階段まで着いたな」
「はい、HP、MP、SPを回復してから階段を降りましょうね」
「うん、そうだな」
階段の前でそれぞれの回復ポーションを飲み干して八階層に向かう階段を降りていく。階段を降りて夕陽に照らされた草原に降り立った
「よし!探索するぞ、シルク」
「はい、ご主人様」
八階層の白紙の地図を埋めていきながら探索していく。偶に戦闘中に現れる敵を相手に攻撃を受けてダメージを食らうがそれも前回よりは少なく探索を続けていった
「今回は宝箱がなかったな」
「宝箱自体見つかれば運がよかったと思うべきなのでしょうね」
「まあ、仕方なかったとして次の九階に向かうとしよう」
白紙の地図をすべて埋め終わると最初の方で見つけた九階層への階段に向かい歩いていく
階段に着き九階層に向かい階段を降りていく。階段を降り切ると月の光が降り注ぐ草原を探索の用意をしていく
「やっぱりこの階層は暗くて敵の発見に遅れるな」
「そうですね。警戒していてもいつの間にか接近していますからね」
「そうだな。闇の中に月明かりでウルフの目が光って見える時があるしな。でも今回は光を出す魔道具があるから大丈夫だろう」
インベントリから取り出したライターのスイッチを押してそこから光を放ち浮遊する玉が浮かび上がる。浮かび上がった光の玉は俺の頭上に留まり俺が移動すると俺の後を追って移動する様だ
「これなら明るくなってウルフが見つかりやすくなるだろう」
「そうですね。でもウルフからも見つかりますから奇襲には気をつけないといけませんね」
周囲が魔道具の光で良く見える様になり探索を始める。探索をしていると光に集まる虫の様にウルフの群れが襲ってくる
「はぁ、はぁ、はぁ、結構な数のウルフが襲ってくるな」
「やはり光を目印にして来るのでしょう。魔道具を一旦切りますか?」
「いや、ウルフからの攻撃を避けるので体力を使って疲れるけどウルフとの戦闘数が増えるからこのまま探索しよう」
「分かりました。ですが危険だと判断したら切って貰いますよ」
「分かったよ、シルク」
白紙の地図がようやく半分埋まり魔道具を切り結界発生装置を使って結界を作り出すとそれぞれの回復ポーションを飲んでレジャーシートを敷いて座り一休みする
「ふぅ、疲れた」
「汗が冷えますよ。拭きますから動かないでください、ご主人様」
「うん、わかった」
どこから取り出したのかタオルを持ったシルクが俺の汗を拭いていく。シルクに身体の汗を拭いて貰うとシルクは汗を拭いたタオルを仕舞う
「それにしてもシルクは元気そうだね」
「私はまだ動けますからね。ご主人様の身体は子どもですからそれだけ体力の消耗が多いのでしょう」
「まあ、そうなんだろうなぁ。今回はそれもあるだろうけど光を放つ玉を浮かべている俺にウルフが集まってきて攻撃するから避ける行動でより体力を使ったんだろうな」
「なら次からは私が使用しましょうか?」
「うーん……いや、いいよ。俺が囮になってシルクが倒した方が早くウルフを倒せるしさ」
「そうですか……ご主人様が言うならそうしましょう。いつでも交代できますからね、ご主人様」
「うん、分かったよ。それにしても魔力波は離れていれば用意は間に合うけど近いと間に合わないしそれに乱戦にあるとシルクを巻き込みそうになるよな」
「まあ、そこら辺は臨機応変にするしかないでしょう。熟練度が上がれば魔法陣の魔力を流す速さも変わりますからね」
結界発生装置が壊れるまでの休憩が終わり残りの白紙の地図の空白部分を埋める為に探索を続ける
やはり頭上の光を目指してでウルフたちが襲ってくるが休んだ事で体力が回復したおかげもありどんどんウルフをシルクが倒していく
二匹、三匹のウルフから避けるのに必死になるが俺が囮になる事で早くシルクがウルフを倒していくこの方法で白紙の地図を埋めきった
「どうしますか、ご主人様。このまま九階層で敵の討伐をしますか。それとも十階層を除いて今日は帰りますか」
「とりあえず十階層の階段まで行ってから考えようかな」
「分かりました」
空白を埋めきった白紙の地図を開き階段の位置を確認するとその場所まで真っ直ぐに進んでいく
正面から現れるウルフには魔力波を使ってHPを削る事が出来るが後方や側面から襲ってくるウルフの群れにはどうしても対処が遅れてしまい戦闘が長引いたり先制攻撃を受けたりしてしまう。やっと十階層へ進める階段まで着いた
「シルク、とりあえずここでウルフを待ち構えながら戦闘をしていこうと思う」
「分かりました」
「俺は正面を警戒するからシルクは左右の警戒をお願いね」
「後方には階段がありますから背後の警戒はいいという事ですか?」
「流石に階段を飛び越えてはこないでしょ」
「分かりました。一応偶に後方の警戒もしておきますね」
「うん、飛びかかってくるウルフもいるかも知れないしね」
魔力波の魔法陣を展開してウルフを待ち構えいつでも放てる様に待機状態にしておいた
それから数度ウルフの群れが襲い掛かってきたが警戒しておいたおかげで魔力波を先制に食らわせてHPを削りウルフたちをシルクと二人で倒していった
「じゃあ十階層を探索して今日は帰ろうか」
「そうですね。夕食は何か食べたい物はありますか」
「ナポリタンがいいかな」
「では今日の夕食はそれにしますね」
十階層への階段を降りながらシルクに夕食のリクエストをしたりしながら階段を降りきると十階層は満月が一際高く空に浮かんでいた
「じゃあ少し探索してから帰るぞ、シルク」
「分かりました。ご主人様も油断なく警戒してくださいね」
「分かってる」
歩きながら魔法陣の展開が出来るくらいになった魔弾の魔法陣を展開していつでも魔弾を放てる様に待機状態にしておく
それから三回十階層で戦闘を行いこの十階層で今のところ現れたのは最高三体のウルフの群れが一番強かった
「シルク、もう帰ろう」
「いいのですか?」
「うん、この階層のウルフの強さもだいたい分かったからね」
「そうですか。では帰りましょう、ご主人様」
メニューから鍵を取り出して現れた光で出来ている門の鍵穴に入れて門を開いて中に入りマイルームに転移する
マイルームに帰ると部屋に入り洗面所に向かい手洗いなどをしてから今日の夜に入る為に浴槽にお湯を溜めておく
「ではこれから夕食を作りますね、ご主人様」
「うん、お願い」
シルクが台所に向かい夕食の用意をする間に俺は今日、手に入れたアイテムの換金と消費したアイテムの購入をしていく
「そういえば……シルク、今日初めて手に入ったラージラビットの足肉は換金しちゃっていいのか」
台所で調理しているシルクに聞こえるくらい大きく声を出して聞く。調理をしている音がしながらシルクが聞いてくる
「ご主人様は食べてみたいですか」
「うーん……まあ、初めてドロップして手に入れた食材だし食べてみるかな」
「ではこちらに持ってきてください」
台所に行き調理台の上にラージラビットの足肉を出すとラージラビットの足肉はラップの様な透明な何かに包まれていた
「これがラージラビットの足肉ですか」
「鑑定したのか」
「はい、食べるだけでステータスの能力ではなく身体能力そのものを強化するみたいですよ」
「レアなアイテムだったのか」
「でしょうね。これも今日の夕食に出しますか?」
「今日はナポリタンの気分だし明日でも大丈夫?」
「大丈夫ですよ」
「なら明日の夕食の時に出してよ」
「分かりました。かなり大きいですし下処理だけでもしておきましょう」
ソファに戻り夕食が出来るまで待っていると今日は疲れすぎたのか眠りについてしまった
「ご主人様、夕食が出来ましたよ」
シルクに身体を揺すられて起こされるとまだ寝ぼけているが椅子に座りコップに入っている飲み物を飲んだ。炭酸水の強いシュワシュワで寝ぼけていた頭が覚めてきた
「ふぁー、じゃあ食べようか。シルク。いただきます」
「はい、召し上がってください」
夕食のナポリタンを食べながら探索の話をしたりしながら食べていった
夕食を食べ終わると洗い物が終わったシルクとソファで食休みをしながら一休みしていく
「ご主人様、もうお風呂も沸いていますし入りにいきますよ」
「ん、分かったよ」
寝支度をして二人でお風呂に入りにいった。今日もお互いを洗い合いながらイチャイチャとお風呂に浸かり温まる
お風呂から上がると身体の水気を取り合いながら裸のままベットに向かいシルクと夜の時間を過ごしていった
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