第16話

 「階段探しのコンパスが壊れたけどもう四階層だな」


 「ここからは二匹ずつ現れますから気をつけましょうね、ご主人様」


 「分かってる」


 四階層を探索していくとラージラビットの二匹の群れは体術を取得したからか対応が楽になり武技や魔法を使わなくても時間が掛かるが楽に倒せる様になってきた


 「やっぱり体術を取得したから戦闘も変わるね」


 「そうですね。今なら私はワイルドホークにも魔弾を使わなくても攻撃してきたタイミングでこちらから反撃すればそのまま倒せると思います。試してみていいですか?」


 「回復アイテムもあるし試してみてもいいよ。でも無理そうならその時はやめてね」


 「分かりました」


 それから階段を探しながら四階層を探索しているとやっと階段が見つかったという時にラージラビットとワイルドホークの群れに襲われた


 「ラージラビットはご主人様に任せますね」


 「うん、分かった。そっちも怪我しない様にね」


 「分かりました」


 向かってくるラージラビットを待ち構え魔弾の魔法陣の用意をする。ラージラビットがだいぶ近づいて来た時に魔法陣の魔力が溜まりラージラビットに向けて魔弾を放つ


 放たれた魔弾はラージラビットに直撃してラージラビットの動きが止まる。動きが止まったラージラビットに向かい走り近づくと武技の強斬撃を使い頭に向かって木の剣を振り下ろす


 振り下ろした一撃を食らったラージラビットは頭がクラクラと揺れているのかフラフラしており追撃に何度か木の剣を振るうとラージラビットは倒れた


 ラージラビットが倒れたのを確認するとシルクの方を見るとシルクとワイルドホークの戦闘はまだ続いていた


 シルクはワイルドホークの動きを観察していた様でシルクに降下して攻撃してきたワイルドホークの攻撃を回避して翼に向かい短剣を振るって傷を与えて飛べない様にしていったみたいだ


 ワイルドホークの翼は度重なるシルクの攻撃で両方とも短剣での攻撃で傷ついて先ほどの攻撃で遂に飛べなくなった様だ


 飛べないワイルドホークに向かい攻撃をしていくシルクに向かいワイルドホークもクチバシや鉤爪、傷ついた翼を使い攻撃をしていくがシルクには当てることが出来ずにそのままワイルドホークは倒された


 ワイルドホークを倒したのが分かりシルクの元に向かう


 「凄いな。シルク、一人でもワイルドホークを倒せたね」


 「少しの間ワイルドホークの動きを観察していて遅くなりましたが次からはもう少し早く倒せると思います」


 「俺も一人でワイルドホークを倒せる様にならないとな」


 「そうですね。これから迷宮を進むと戦闘の時の相手の数は増えていくと思いますからご主人様一人で倒せる様になれるくらい強くなりましょうね……うへへへ」


 なんかシルクが上の空で変な笑いをしたり柔らかい唇の端から涎が垂れそれを拭いたりとしているのを見て引くがそれを見なかった事にして五階に進める階段を先に降りていく


 俺がいない事に気づいたシルクが「ご主人様〜!」と大きな声を上げてこちらに向かってきた


 「一人で行かないでください。危ないですよ!」


 「それは悪かったけどなんか上の空だったじゃないかシルクだって」


 「うっ、それはすみませんでした」


 「どっちも悪いって事でほら五階に行こう」


 「はい」


 少し落ち込み気味のシルクを先頭に五階層に降りて探索を始める。五階層に出る敵はレベルが六レベルや七レベルのもいるが順調に探索を続けて白紙の地図が七割くらい埋まった頃に六階に進める階段を見つけた


 「やっと階段を見つけた」


 「少し早いですけど昼食にしますか、ご主人様」


 「うーん、そうだな」


 六階層に入ったらまた敵が強くなるし使ってみたい魔道具があるけど初めて使うし五階層の方がいいか


 「じゃあここで食べようか。用意するから警戒をお願いね」


 「分かりました」


 10000ポイントで購入した結界発生装置(三十分)をレジャーシートを敷いた上に置き起動させる


 結界発生装置を起動すると装置から光が広がり円状の結界が張られた。張られた結界に驚いたシルクがこちらに来ると結界を素通りして俺のところまで来る


 「ご主人様!大丈夫ですか!」


 「うん、大丈夫だよ」


 「それでこれは結界ですか?」


 結界発生装置を見て張られた結界を見たシルクがそう聞いて来た


 「うん、そうだよ。三十分しか張られないから早くご飯を食べないとシルクも座って」


 「は、はい分かりました」


 シルクをレジャーシートに座らせると隣に座りインベントリから収納していたお弁当箱と水筒を取り出してレジャーシートの上に置き蓋を開ける。手を綺麗にしてから食べ始める


 「じゃあ食べよ、シルク」


 「「いただきます」」


 弁当箱に入っていたおにぎりを掴み食べると梅干しのおにぎりで酸っぱっと思いながらウインナーや卵焼きを摘んだりしながらおにぎりを食べていく


 「迷宮の中だけど外で食べるとより美味しく感じるな」


 「そうですね。なんでなんでしょうね。あっ、ご主人様。ほっぺにご飯粒が付いてますよ」


 「ん?」


 シルクにそう言われて触るが見つからずにいるとシルクの顔が近づいてきて唇の端をペロリと舐めなられご飯粒を取ると顔が離れる


 「これで取れましたよ、ご主人様」


 「お、おう。あ、ありがとうシルク」


 顔が熱くなるのを感じながら昼食をすべて食べ終わり水筒から出した温かいお茶を飲みながらゆっくりとしているとレジャーシートに置かれていた結界発生装置が音を立てて壊れた


 「もう三十分経ったのか。シルク急いで片付けて行こう」


 「はい、分かりました」


 急いで弁当箱や敷いたレジャーシートを片付けて六階層に向かう階段をゆっくり降りていく


 六階層も変わらず微風吹く草原で六階を探索し始める。この六階を探索するとすぐにワイルドホークがラージラビットと一緒に現れて倒したり採取ポイントで採取をしたりと探索を続けていくと初めてワイルドホークが二匹が群れで出てきた


 「一人一匹ずつだな。シルク、頼んだ」


 「はい、分かりました」


 ワイルドホークたちを警戒しながら魔弾の魔法陣を展開して魔力を注いでいく。魔力が注ぎ終わる頃に二匹のワイルドホークが俺に向かい降下して攻撃を仕掛けてきた


 俺は魔法陣から魔弾をワイルドホークに放つとすぐにその場から動くと慌てて放たれた魔弾はワイルドホークに当たらずにワイルドホークの後方に飛んでいく


 俺を狙ってきたワイルドホークたちの攻撃は魔弾をすぐに放つ事で避ける事は出来た。シルクはその内の片方のワイルドホークに接近して右翼に強斬撃を食らわせると右翼を半分切る事ができ飛べなくした


 そのまま追撃してワイルドホークをシルクが攻撃している間にもう一匹のワイルドホークが空からシルクに急降下して攻撃してきた


 シルクを狙い攻撃してくる頃には魔弾の魔法陣に魔力が溜まりワイルドホークに向かい魔弾を放つ


 放たれた魔弾は急降下していたワイルドホークの側面に当たりワイルドホークを吹き飛ばす


 吹き飛ばされたワイルドホークは地面に転がってダメージを食らいゆっくりと立ち上がるが翼が片方曲がっていた


 シルクがワイルドホークを倒し終わり翼が折れたワイルドホークに向かう。俺もワイルドホークに走って向かうと俺の方が早くワイルドホークに接近した


 ワイルドホークは接近した俺に攻撃を繰り出すが飛んでいた時よりも全然遅く簡単に避ける事ができ木の剣で強斬撃を使いワイルドホークを攻撃していると追いついたシルクも武技を使いワイルドホークを突き刺すとそれがトドメになりワイルドホークを倒す事ができた

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