第5話
ウサギを倒し終わり今度こそ辺りの景色を見るとそこは一面が膝したくらいの草が生えている温かな日差しの草原でたまに微風が吹いているからか草が揺れ動いている。辺りをぼーと見ているとシルクが声を掛けてきた
「どうかしましたか、ご主人様?」
「いや、なんか昼寝でもしたら気持ちよさそうな場所だなと思っただけだよ」
「そうなんですか。でも不思議な場所ですよね。この場所は」
「そうだな」
二人で呑気に迷宮の中を見ていると先ほど倒したウサギが消えていくところを目撃した
「今の見た?」
「はい。ウサギが消えましたね」
ウサギが消えたのを目撃して驚いているといきなり目の前に【ラージラビットを倒しました 経験値を1獲得しました 魔物石レベル1が1つドロップしました】と表示された
「うおっ!なんだこれ?」
「どうしましたか」
驚いているとシルクも確認する為に後ろから覗き込んできた。シルクの豊満な胸がメイド服越しにむにゅっと首筋に当たっている。柔らかいと思ったが顔には出さない様にしてシルクにも目の前の表示されている物を見せる
「ほら、これだよ」
「表示されていますね。ラージラビットというのがあのウサギのモンスターなのでしょうね」
「たぶんそうだろうね。それにしても経験値が1しか貰えないんだねあのウサギ」
「何もなければ普通に倒せるモンスターですから少ないのかもしれませんね。ご主人様、魔物石ですが見つけられましたか?ラージラビットが倒れていた場所を見たのですけどそれらしい物はありません」
そうかシルクにはインベントリのドロップした物を自動で収納する事を教えていなかったな
「俺のインベントリの中に入っているよ。スキルのインベントリはドロップしたアイテムを自動で収納する事が出来るんだって」
インベントリを操作して一覧を見せるとシルクは納得した
「そうなのですね」
「まだ迷宮に着いたばかりだからこの辺りを一緒に探索しようか」
「わかりました。私が先頭を歩きますからご主人様は後ろからついてきてください」
シルクを先頭にこの微風吹く草原一階を探索していく。辺りを探索していると先ほどのラージラビットがまた現れたがラージラビットはまだこちらに気づいていない。シルクにラージラビットに気づかれない様に小声で声を掛ける
「シルク、ラージラビットはまだ気づいてないみたいだから後ろから魔弾の魔法を使おうと思うからちょっと待って」
「かしこまりました」
気づいていないラージラビットに向かって手を向けると手のひらの前に魔法陣が浮かび上がる。浮かび上がった魔法陣に魔力が流れていくと魔法陣に魔力が溜まり魔弾をいつでも放てる様になった
「シルク、魔弾を放つからその後はお願い」
「いつでも大丈夫です。ご主人様」
魔法陣から魔弾を放つと放たれた魔弾はラージラビットの後ろ足に直撃した。魔弾が当たったラージラビットは悲鳴の様な声を上げて後ろに振り向くその時にはシルクはラージラビットに向かって走っており振り向いたラージラビットの首筋を短剣で切り裂いてその場を離れる。首筋を切られたラージラビットは首にある血管まで切り裂かれており勢いよく血が流れていきそのまま何も出来ずにラージラビットは倒れた
「これって魔弾が強かったのかシルクがラージラビットの急所に攻撃したから倒したのかわからないな」
いつの間にか戻ってきていたシルクの申し訳なさそうな声が聞こえてきた
「そういった意図があったのですね。すみませんでした」
「少し調べてみたかっただけだから別にいいよ。レベルが上がったりしたら変わると思うしね。探索を続けよう」
「はい」
シルクを先頭にまた探索を続けていく。それから何回かラージラビットと戦闘になり倒していくとラージラビットが魔物石以外のアイテムをドロップした
「おっ!魔物石以外のアイテムをドロップしたぞ、シルク!」
「そうなのですか?」
「ほら!」
俺の事を微笑ましそうに見ているシルクに先ほど目の前に表示されていた物を見せるとそこにはラージラビットの毛皮がドロップしたと表示されていた
「ラージラビットの毛皮ですか。これは何に使うんでしょう?」
「それは分からないけど鑑定のスキルを覚えれば分かるかな?」
「それなら私が鑑定のスキルを取得しますね」
「うーん、俺のレベルが上がったら取得しようと思うからいいよ」
「ですがご主人様のスキルスロットの枠は少ないですから私が取得しますよ」
そうシルクに言われて確かに職業スキルで埋まっているから少ないからなと思った
「じゃあお願いしてもいいか、シルク」
「構いません。鑑定を取得しますね」
シルクはその場で鑑定をボーナスポイントを使って取得した。さっそく鑑定を取得したシルクにラージラビットの毛皮を鑑定して貰うとこんな風に表示された
アイテム名 ラージラビットの毛皮
項目 素材
説明 毛が短毛のラージラビットの毛皮
「素材だって事が分かるくらいだな。なんかこんなスキルを取得させちゃってごめんな。スキルレベルもないみたいだし」
「残念ですがご主人様が取得しなくてよかったです」
そう言ったシルクに申し訳なく思いこんな事を言ってしまった
「シルクがやって欲しいことをなんでも一つ聞くから」
「な、なんでもですか!!」
そうシルクが俺の顔にそのクールな顔をグッと近づけて聞いてきた
「あ、ああ。でもお願いを増やす様なのはダメだからな」
「は、はい。な、なんでもですか……えへへ……何にしましょうか」
シルクのイメージが崩れていく様な光景を眺めながらどんなお願いをされるのか少し怖くなってきてしまった
「ほ、ほらシルク。探索を続けよう」
「はい!ご主人様」
すごくやる気に満ちているシルクの後をついて探索を続けていると突然シルクが立ち止まってしまった
「どうしたんだ、シルク」
「行き止まりの様です。ご主人様」
そう言ったシルクの横に行くと陽炎の様な壁がそこにはあった。壁に触ってみると固くて前には進めない様だ
「進めないしこれがこの階層の壁なのかもね。別の場所を探索しよう」
「わかりました。この壁沿いを進んで行こうと思いますが構いませんか?」
「それでいいよ」
頷いたシルクの後をついて探索を進めていく。モンスターはラージラビットしか今の所は現れておらずこの微風吹く草原の一階の壁沿いをぐるっと一周してしまった
「壁に沿っての探索では二階に行く階段はなかったな」
「そうですね」
「地道に階段を探すか」
陽炎の様な壁を離れて探索していく。だいぶこの階層の探索に慣れてきたからシルクに俺も魔法を使う戦闘ではなく木の剣で戦いたいとお願いしてみた
「ご主人様が近接での戦闘ですか……危険な事はして欲しくはないのですけど」
「ダメなのか?」
シルクを下から見るとシルクは上目遣いをされている様に感じて少し顔を赤らめて息が荒くなっていたけど渋々一人ではなく一緒に戦うのならと条件を付けて認めてくれた。それから探索をしているとラージラビットが姿を現した
「ご主人様、私がラージラビットの気を引きますからその隙に攻撃してください」
「わかった」
正面からシルクがラージラビットに近づいていく。ラージラビットはシルクに向かい口を大きく開けて噛みついてこようとした。それをシルクが避けながら攻撃して気を引いている間にラージラビットに近づいて木の剣を振るって攻撃する。ラージラビットが振り向き俺に敵意を向けて時にシルクがラージラビットに蹴りを食らわせて再びシルクにラージラビットの敵意が向かいその隙に強斬撃の武技を使いラージラビットに当たるとラージラビットは倒れた
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「お疲れ様です。ご主人様。最後の一撃よかったですよ」
「あーうん、こうやって戦うの疲れるね。ありがとうシルク」
「どういたしまして」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます