第6話

 それから息を整えてから探索を続けていくととうとう次の階層に進む事ができる階段を見つけた。今までそこには何もない草が生えた地面があったのにその場所に近づかないと階段は現れない仕組みになっていた様だ


 「まさかこんな仕掛けだったなんてな……シルク二階層に行くぞ!」


 「はい、ご主人様!」


 二階層に続く階段を降りていくとまた草原だった。【微風吹く草原二階】と目の前に表示された。先ほどの迷宮と同じ場所の様だ


 「じゃあ二階を探索しよう、シルク」


 「はい、ご主人……様……階段、が」


 そう言った俺に返事をしようと後ろを振り向いたシルクは途中から何かに驚いている様子をしていて俺も後ろを振り向くとそこには先ほど降りてきた階段が消えていた


 「階段が……消えてないな……?」


 「はい、先ほどまではあったはずですが……」


 「一階に戻る事は出来ないって事か……先に進もう、シルク」


 「かしこまりました。行きましょう、ご主人様」


 二階層をシルクを先頭に進んで行くと一階と同じくラージラビットが現れた。魔法の魔弾を使ってからそれなりに立ちMPも回復したので魔弾の魔法陣を展開する。その様子を見たシルクはいつでもラージラビットに向かって攻撃が出来る様に構える。まだこちらに気づいていないラージラビットに魔力が貯まった魔法陣から魔弾が放たれた。シルクは魔弾が放たれた瞬間に走り出した


 「行きます!」


 魔弾はラージラビットの後ろ足に当たりラージラビットは悲鳴を上げる。悲鳴を上げているラージラビットにシルクが近づいて短剣で切りつける。切り付けられたラージラビットは魔弾と短剣の切り付けでほとんど動かなくなった右の後ろ足を庇いながら走り抜けていったシルクを警戒している。シルクはそんなラージラビットに向かい短剣を構えてラージラビットの注意を引きつける。その間に俺はラージラビットに近づいて木の剣を振り下ろす。ラージラビットは振り下ろしている最中にこちらに気づいたが攻撃が当たりシルクに向いていた注意が逸れたその瞬間にシルクが一気に近づきラージラビットに短剣を刺す。それがとどめとなりラージラビットは倒れて動かなくなった


 「ふぅ……なんかこのラージラビット……ちょっと強くなかった?」


 「確かに少し強かったですね。鑑定を使ってみればよかったです」


 「次のラージラビットの時に使ってみてくれ」


 「はい!」


 さっきのラージラビットからの経験値も2と高く魔物石もレベル2がドロップしていた様だ。もしかしたらさっきのラージラビットのレベルが2レベルのモンスターだったのかも知れないと思いながら探索していると不思議な光景を目撃した


 「なんだろう。あれって」


 「怪しいです!警戒をご主人様!」


 淡い光を発している草むらが進んでいた先に現れた。シルクがそれに警戒をしているが何も起こらないのでヘルプで調べてみるとあれは採取ポイントらしい。あの光を発している場所に触るとなにかが採取できる様だ。他にも専用の道具やスキルを使うと採取できる物の数が増えるらしい


 「シルク、それは採取ポイントみたいだ。採取してみるから警戒をお願い」


 「わかりました」


 採取ポイントに近づき淡く光を放つそれに触れると一枚のカードに変化した。カードを確認してみると三つ葉を大きくした草の絵が描かれておりライフリーフと名前が書かれていた


 「シルク、これを鑑定してみてくれ」


 「わかりました!鑑定!」


アイテム名 ライフリーフ

項目 素材 回復アイテム

説明 生命力が溢れる草。そのまま使用してもHPが回復するがすごく苦く青臭い。使用方法は食べるか傷口に貼る


 鑑定したシルクの表示を見せて貰うとこんな鑑定結果が表示されていた


 「おお!回復アイテムなのか」


 「ですが苦いそうですよ、まだ子供のご主人様には使用できないと思いますよ」


 「苦くても大丈夫だよ!たぶん。それに使うのはいまインベントリに入っているポーションからだしね」


 「そうですか?あれももしかしたら苦くて美味しくないかもしれませんよ」


 「じゃあ出すから鑑定してみてくれよ」


 「わかりました」


 初級HP回復ポーションをインベントリから出すとシルクがすぐに鑑定してその結果を見せてくる


アイテム名 初級HP回復ポーション

項目 回復アイテム

説明 薬草類を使い作られたポーション。HPを10回復させる 爽やかな匂いのする無味なポーション


 「苦くないってさ」


 「そうみたいですね。ライフリーフ以外も使われているのでしようか?」


 「そうなんじゃない。まだ元気だし探索を続けよう」


 ライフリーフのカードとポーションをインベントリに収納して探索を続ける行き止まりの陽炎の壁を回ったりその中をラージラビットを倒しながら探索しているなかシルクがラージラビットを鑑定するとやっぱりラージラビットのレベルが2レベルのラージラビットがいたり数回しか会わなかったがレベル3のラージラビットがいた。そのラージラビットを倒した時にレベルが上がりましたと表示されていた


 「おっ!シルク、レベルが上がったぞ!」

 

 「本当ですか!おめでとうございます!ご主人様!」


 「ありがとう。でもシルクもレベルが上がってるよ。ほら」


 表示された画面をシルクに見せてシルクもレベルが上がっているのを確認させる


 「私も上がっていますね」


 「なっ!ステータスの確認をしよう!」

 

 「はい!」


 メニューを開いて二人でステータスを確認する


ステータス

名前:水瀬ミコト

種族:人間

レベル:2 次のレベルアップまで2/300

職業:【召喚師(特殊)】

能力

HP:20

MP:140

SP:30

力:2

耐久:2

器用:3

敏捷:2

魔力:4

精神:3

ボーナスポイント:10

スキルスロット

【特殊契約レベル1】【召喚レベル1】【???】【???】【インベントリ】【近接戦闘技能レベル1】【無属性魔法レベル1】【】【】【】

予備スキル

武技

強斬撃

魔法陣

魔弾

装備

武器 メイン木の剣 サブ

防具 頭 皮の帽子 胴 皮の鎧 腕 皮の手袋 足 皮のブーツ

アクセサリー その1 その2 その3

召喚一覧

シルク


ステータス

名前:シルク

種族:シルキー

レベル:2 次のレベルアップまで2/300

職業:【メイド】

能力

HP:20

MP:30

SP:30

力:2

耐久:3

器用:3

敏捷:2

魔力:3

精神:2

ボーナスポイント:10

スキルスロット

【家妖精レベル1】【メイドの心得レベル1】【短剣術レベル1】【暗殺術レベル1】【鑑定】【】【】【】【】【】

予備スキル

武技

急所突き 強斬撃

魔法陣

軽清掃 洗濯 乾燥 魔弾

装備

武器 メイン 鉄の短剣 サブ

防具 頭 ホワイトブリム 胴 メイド服 腕 足 皮のブーツ

アクセサリー その1 その2 その3



 やっぱり召喚師だからか魔法を使う様なステータスの上がり方なのかな。シルクのステータスはこんな感じかメイドの職業だからなのかな?


 「どう、身体の感覚が変わったりしてない?」

 

 「ああ!確かにほんの少し感覚が違いますね。戦闘には問題はない程度ですけど」


 「俺にはそこまで分かんないけど変わった気がするな」


 身体を動かしたりその場でジャンプしてみたりして俺もレベルが上がり変わったのかを体感しようとしているとラージラビットが現れ襲ってきた


 「ご主人様!後ろに!」


 シルクの後方に移動してラージラビットの攻撃に供える。ラージラビットはそのままシルクに勢いをつけて体当たりをしてくる。シルクはそれを回避してカウンターで攻撃をする。その攻撃はさっきまでよりも短剣の切り傷が深くラージラビットにダメージを与えている。その攻撃で怯んでいるラージラビットの頭に強斬撃を使用して頭に木の剣を振り下ろすとその一撃でラージラビットは倒れた


 「前に使ったよりもなんだか振り下ろしが早くなっているな」


 「ご主人様!危ないのでそんな風に戦わないでください!あの一撃で倒れなかったらどうするんですか!」


 ちょっとレベルが上がって調子に乗っちゃったな


 「ごめん、今度は気をつけるよ」


 「まだ、ご主人様は子どもなんですからね。瀕死のラージラビットに攻撃されていたかもしれないんですよ」


 「うん、反省するよ」


 「もう、気をつけてくださいね。ご主人様には怪我をして欲しくはないんですから」


 それから少しだけ探索を続けたが調子に乗って危ない事をしてしまったし思いのほか精神力を使っていた様で集中力も切れてしまったのでもう帰る事にした

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