第10話 ブティックとカフェ併設

夕食の時間だ。

テーブルを囲みみんなで食事をしていた。

ルーカスが話をきりだした。


「みんなに話がある」


みんな素直に耳を傾ける。


「この家の1階をリフォームしてレストランを開こうと思う」

「ええっ?」


リエルが一番驚いていた。


「どういうことですか?」

「リエル! お前の料理の腕は本物だ」

「そう言っていただいて、ありがとうございます」

「そこで、リエルはシェフをやってもらいたい」

「ええっ~」


リエルは驚いている。

でも少し嬉しそうだ。


「お店を開くことは私の夢でもありますが、わたしなんかでいいんですか?」

「これはまいが提案してくれた話なんだ」

「え? まいさんが?」


リエルはわたしのほうを見ている。


「リエルの料理を、この世界のみんなにふるまってほしいと思って」

「まいさん! ありがとう」

「いいぇ、わたしは提案しただけです」


「それに関してリフォームをディアムに頼みたいんだ」

「はい、ぜひやらせてください」

「これもまいから申したてがあった」

「おまえかぁ~ でもしっかりやらせてもらうよ」


「わたしたちはできた料理を運んだりお客の接待をする」

「わかったにゃん」


レオとジェースは得意だろう。

ルーカスは……まあ、イケメンだからいるだけでいいか。


「お金の管理はわたしがやろう」


まあ、ルーカスが適任だろう。


「まいにはこのレストランの管理者になってもらいたい」

「ええっ? 管理者?」

「そうだ、言い出したのはまいだからな責任をもっておれたちを管理してくれ!」

「ええっ~」


管理ってどうしよう。

社長ってことだよね。

なにすればいいの?

まあ、とにかく今はレストランを無事にオープンさせるのが優先だよね。

よ~し。


この日の夕食のあとみんなでどんなレストランにするか相談した。


「がっつり食べれる定食屋がいいな」


これは、ディアムだ。


「やだよ~ かわいいデザート系がいいにゃん」


レオはやっぱりかわいいな。


「綺麗なおねえさんたちが来るバーとか」


ジェースがいいそうだ。

リエルはなんでも作れるからどんなレストランでもいいみたい。

ルーカスはどんなレストランがいいのだろう。


「ルーカスさんはどんなレストランがいいですか?」

「わたしは……なんでもいい」


なにか思いはありそうだけど、はっきりは言わなかった。

めずらしくもじもじしている。

なんだろう。


もしかして……。

いいことひらめいちゃったかも!


「ルーカスさん!」

「なんだ?」

「ルーカスさんはブティックを開くつもりはありませんか?」

「ブティック?」

「はい、服屋です」


一瞬、ルーカスの顔が嬉しそうにみえた。


「レストランっていってるのに服屋って」

「だから、ブティック&カフェはどうでしょう」

「ブティック&カフェ?」


みんなハテナって感じできいていた。


「はい! 1階の3分の1で服を売ります」

「うん、それで?」

「残り3分の2でカフェを開きます」

「それは2つやるってことか?」

「はい。 2つやるメリットがあります」

「ああ、メリットが聞きたい」

「服を買いにくるお客はほとんどが女性です」

「そうだな」

「女性をターゲットにした服を売ります」

「ああ、それで」

「服を買いに来た女性が帰りにカフェによるってことです」

「買わなくてもよるってことか?」

「はい。逆もあります」

「食事をしにきたお客が服をみて買っていくってこともあるのか」

「そうなんです!」


みんなうんうんと、うなずいてくれているようだ。


「みんなさんの特技スキルがマックスなのでかなり繁盛するはずです」


……たぶん。


「まいちゃん、特技スキルってなに?」


あ、ジェースにはまだ使ってなかった。

ジェースの特技ってなんだろう。


「ジェースさんの得意なことってなんですか?」

「おれか? おれは……ないな」

「え~ないんですか?」

「ああ、特にはないな。しいていえば、女性と遊ぶこと……なんてね」


はいはい、そうでしょうね。

たしかにジェースは女性を操るのが得意だな~

カフェに来た女性たちに、どんな甘い言葉を投げかけるのかしらね~


【妄想中】

♪~「いらっしゃい、おじょうさん」

おじょうさんの手の甲にキスをする。

「あ~ジェースに会いたくてまた来ちゃった」

「おれもきみに会いたかったからうれしいよ」

抱きつく。

そしてデザートのプリンをスプーンで食べさせる。

口についたプリンをジェースがぺろり。

「甘いっ」

おじょうさんはもううっとり……♪



「まいちゃん」

「……」

「まいちゃん」

「あ、はい」

「きいてる?」

「あ、ごめんなさい」

「おれの得意なことないよ」


わたし、見つけたかも。

ジェースの特技。


「ジェースさん、スキル追加しますね」

「えっ?」


「目覚め!」


ピカッ!!


ジェースの体に光がまとった。


ピッ!


『人脈スキル追加ーレベル100』


やっぱり、ジェースは人を呼ぶスキルだね。

これもカフェにぴったりだ。


「なあ、いまのはなんだ?」


ジェースは驚いている。


「まい、ジェースの特技はあったのか?」


ルーカスが心配そうに聞いてきた。


「はい、ジェースさんのスキルは人脈スキルマックスです」

「人脈スキルってなに?」

「人付き合いです。カフェを開くのには最高のスキルです」

「そうなのか?」


ジェースはうれしそうだ。


「まいちゃん、ありがとう」

「いえ、もともとジェースさんがもっているスキルを追加しただけです」

「すごい能力だな」


これから、お店の準備で忙しくなるよ~


あれ? スローライフじゃなかったの?

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