第9話 リフォーム

この家の1階をリフォームしてレストランにしたいと考えていた。

それを伝えにルーカスの部屋にいった。


トンットンッ!


「はい」

「ルーカスさん、まいです」

「どうぞ」


ルーカスの部屋にはいった。

ルーカスの部屋に入るのはいつも緊張する~


「どうしたんだ、まい」

「はい、お話しがあって」

「なんだ?」

「あの、わたしがしゃしゃり出ることではないのですが……」

「なんだ? いってみなさい」

「この家の1階をリフォームして、レストランにできないでしょうか?」


ルーカスは驚いているようだった。


「なぜ、そう思うんだ?」

「リエルはこの世界最高のシェフです」

「ああ、そうだ」

「それに、ディアムさんも最高の木工職人です」

「そうだな」

「ルーカスさんも最高の衣装クラフトスキルをお持ちです」

「まあ」

「こんなにも最高のスキルをお持ちの方がいるなんてすごいことです」

「そうだな」

「そのスキルをマックスに使うにはレストランがいいのではないかと思ったんです」

「たしかにそうだな」

「どうでしょうか?」

「……」


ルーカスはなにか考えていた。


「そうだな、とてもいい案だ」

「じゃあ」

「でも、この家はわたしだけの家ではないのでジェースにも相談してみようと思う」

「はい、そうですね」


わたしはルーカスの部屋をでた。


「まい!」


下から、レオがわたしを呼ぶ声がした。


「レオ、どうしたの?」

「街まで買い物に行くけど一緒にいかない?」

「うん、行く」


家にいても何もすることがないので一緒に買い物に行くことにした。


一応、外にでるときはシルバーダガーを腰につけるようにしている。


「よし、いくにゃん」

「うん」


家をでた。


「ところで何を買いに行くの?」

「よさそうな食材だよ」

「食材か~」

「リエルが倉庫の中の在庫がなくなってきてるっていうから」

「レオが買い出しにいってるの?」

「うん、だいたいね」

「そうなんだ~」


もしレストランとかやるなら、業者の方に配達してもらわないとね。


レオとふたりで街に向かった。

草むらから突然、ゴブリンが現れた。


きゃー!

わー!


わたしはすぐにシルバーダガーを手に持った。


「まいはぼくの後ろにいて!」


いつものレオと違ってたくましく見えた。

ゴブリンがレオに襲いかかってきた。

レオは素手でゴブリンを殴った。

さすがのゴブリンも素手の1ぱつではやられないようだ。


もう1ぱつ殴ろうしたとき、草むらからもう1匹のゴブリンが飛び出した。

レオはゴブリンに蹴られてたおれた。


「レオ! 大丈夫?」

「このくらい大丈夫だよ」


すこし痛そうにしている。


「レオ! わたしも戦うよ」

「まい、危ないからよせ」

「大丈夫、練習したもん」

「でも……」


わたしはレオの前にたちシルバーダガーを手に戦おうとした。

でも2匹なんてどうやって戦えばいいの~


だれか助けて~


ゴブリン2匹がわたしに向かってとびかかってきた。


きゃー!


わたしは目をそむけてしまった。


グサッ、ドスッ!


ん?


恐る恐る目を開けると、レオがわたしの後ろから弓を放っていた。


「レオ!」

「大丈夫か? まい!」

「うん、怖かった~」

「まいはぼくが絶対守る!」


わたしはレオに飛びついた。


「痛い、痛い!」

「あ、ごめんレオ」


わたしはレオに肩を貸して街まであるいた。


【妄想中】


♪~魔物に囲まれる。

「まいのことはぼくが絶対に守る」

やられてもやられてもレオはわたしの前から離れない。

「レオあなたがやられてしまうわ」

「ぼくはどうなってもいい、まいだけは守るんだ~」

「レオ~」……♪


こんなときに妄想なんて……。

でも、わたしを必死に守ってくれたレオがたくましく見えた。


薬屋で回復薬を買って、レオは飲んだ。

レオはすっかり元気になった。

回復薬ってすごいんだね。


わたしはもう少し魔物を倒す訓練をしようと思った。


――――


わたしたちは食材を選んでいた。


「レオ?」

「なに?」

「食材を選ぶ基準ってあるの?」

「あるよ。新鮮な野菜にお肉そして魚を選ぶんだ」

「新鮮ってわかるの?」

「ああ、まあ見てなって」


レオは野菜を見ていた。

トマトを手にとった。


「おねえさん! これ新鮮?」

「ええ、全部新鮮です……。なんだ、レオくん!」


振り向いたおねえさんは美人で巨乳だった。

レオにくっついてきた。

まあまあ、これだけイケメンで可愛ければこうなるでしょうね。

ああ~ちちがレオの腕にあたってるって。

巨乳だとあたっちゃうのかね~

羨ましいわ。

違う、違うっ!


【妄想中】


♪~「おねえさん! 新鮮な果物ある?」

「果物より、わたしはどう?」

モモより大きなお胸がゆらゆらと揺れている。

レオはその胸に吸い込まれるように顔をうずめる……♪


きゃー!

何を妄想してるんだ、わたしは。


おねえさんは振り返えり、レオの顔をみたとたんに態度をかえた。


「レオくん! こっちの方が新鮮だよ」

「じゃあ、このトマトとかぼちゃを1箱ずつもらおうかにゃん」

「いつもありがとね」

「ここのお野菜、とってもおいしいからついここに買いにきちゃうんだにゃん」

「あら~ うれしいこと言ってくれるわね~ これはおまけだよ」


そういうとおねえさんはりんごを2個くれた。

これはレオくん効果ってことね。

イケメン、恐るべしだわ~


レオは2ケースを肩にのせた。


「重くない?」

「このくらいは大丈夫だにゃん」


可愛い顔してるけど、力持ちなんだな~

さっきの戦いもレオは弓使いだから、素手で戦うことになったんだね。

あの状態で2匹に弓をうつなんてどんだけ素早いんだよって話だよ。

目をつぶっていたことを後悔する~

かっこいいレオを見逃したよ。


食材をかって家に戻った。


すると、ルーカスが待っていた。


「ただいま」

「おかえり、遅かったな心配したぞ」


ルーカスが言うと、レオが答えた。


「ゴブリン2匹に出くわしててこずった」

「大丈夫だったのか? けがはないのか?」


ルーカスはわたしにけががないのか心配しているようだ。


「わたしは大丈夫です。でもレオが……」

「レオ、大丈夫か?」

「うん、なんとかね。でもまいに弱いところ見せちゃって恥ずかしいよ」

「弱くなんてないよ、レオはけがをしながらもわたしを助けてくれたじゃない」

「まあ」

「かっこよかったよ、レオ」


レオは嬉しそうにしていた。

そして照れくさそうだった。


「ふたりとも無事でよかった」

「はい」

「ところで、まいリフォームのことなんだが……」

「はい」

「ジェースに話をしたら、いいアイデアだといっていた」

「じゃあ」

「ああ、リフォームをしようと思う」

「はい、きっと成功します」

「ああ、今日みんなにさっそく話をしよう」

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