第8話 ルーカスの意外な一面

魔物倒しを終えて家に帰ってきた。


「おかえりにゃん」

「レオ、ただいま」


レオは普通に抱きついてくる。


「レオは抱きついていいの? おれもいい?」

「ジェースはだめだ」

「なんでルークはおれにだけだめっていうんだよー」

「レオもだめだけど、レオはだれにでも抱きつくからな」

「たしかに」


まあ、抱きついていいか決めるのはわたしですけどね……。


「まい、どこにいってたにゃん?」

「魔物倒しの練習にいってたの」

「ん~怖かったでしょ」

「うん、でも短剣で倒せたよ」

「そっか、よかったにゃん」

「うん、これで買い物くらいはひとりでいけるかな」

「ええ~危ないよ、ぼくが一緒に行くからひとりでいったらだめだにゃん」

「わかったよ~」


「ルーカスさんとジェースさん、ありがとうございました」

「また、練習に行こう」

「はい、ルーカスさん」

「いつでも一緒にいくよ」

「はい、ジェースさん」


ふたりは部屋に戻っていった。

わたしも部屋にもどった。

すると、ディアムが部屋にできあがった家具を運んでいた。

見てびっくり!

花柄のカーテンがひらりと風に揺れていた。

そして白っぽい本棚とドレッサーが完成していた。


「ディアムさん! これは」

「どうだ? 気に入ったか?」

「はい! とても素敵です」

「それはよかった」

「カーテンも用意してくれたんですか?」

「そうだ。まいの印象で花柄を選んでみた」

「あ、ありがとうございます」


ディアム、わたしの印象って花柄のようなかわいらしい感じだと思ってくれてたんだな~

いつも冷たい感じに接しているけど、もしかしてクールなだけなの?


それにしても本棚にしてもドレッサーにしてもすごく綺麗な仕事をしてるな。


「ディアムさんは、家とかもリフォームできるんですか?」

「ああ、家も建てられるぞ」

「ええ、すごいですね」


スキルで最高の職人になったんだね。

これって!


わたしは思いついてしまった。


最高の家をリフォームできる職人がいる。

最高の食事を作れるシェフがいる。


この家を改装してお店にしたらいいんじゃない?


この提案はルーカスさんに話をしてみようと思う。

ルーカスさんとジェースさんの家だから、わたしがどうにかできることではない。

提案だけはしようと思う。


「まい」


ルーカスさんが部屋にきた。


「ディアムの仕事をみにきた」

「ルーカスさん、こんな感じにしてみました」


ディアムはルーカスさんの顔いろをみているようだ。


「まいは気にいったか?」

「はい、すごく素敵で気にいりました」

「なら、よかった」


「ディアムの仕事は完璧だな」


ディアムは褒められて嬉しそうだ。


「まい、服ができたから部屋にきてくれるか?」

「はい」


早い! もうできたの?

どんな服ができたのか楽しみだな~


ルーカスの部屋にいった。

レオも一緒についてきた。

なぜかディアムもついてきた。


「これだ」


ルーカスは服をもってみせてきた。

かわいい~

素敵~


ひとつはワンピースだった。

白地にやはり花柄だった。

ピンクの花柄だ。

デートに着ていけるようなかわいい服だ。


もうひとつはエンジにピンクのラインが入ったワンピースだ。

でも、こちらは普段着だろうか。

こちらも素敵だ。


「ルーカスさん、かわいいです」

「気に入ってくれたか?」

「はい」

「じゃあ、着てみてくれ」


え? はずかしい……。

でも、着れるか確認したいよね~


「はい、着てきます」


わたしは、自分の部屋にもどり着替えをした。

まずは、花柄のワンピースを着てみた。

ルーカスさんの部屋にむかった。

なぜか、みんな集まっていた。


「えっ?」


「まい、可愛いにゃん」

「まいちゃん、かっわいい」


レオとジェースもいた。


「うん、可愛いな」


ルーカスさんも嬉しそうに見ていた。


「似合っているぞ」


あの、クールなディアムまでほめている。


「すごくお似合いです」


昼食のしたくをしていたリエルまで、きていた。


みんなに可愛いと褒められ照れちゃうじゃん。


【妄想中】


♪~花柄ワンピースを着たわたしは3人掛けソファーの真ん中に座っている。

右にルーカス、左にジェースが座る。

ルーカスはわたしの顔に自分の顔を近づけキスをする。

ジェースはわたしの顔に手をまわしキスをする。

両サイドからキスをされる。

ソファーの後ろにはディアムがいる。

ディアムも後ろから抱きついている。

わたしの足元にはレオとリエルが座る。

ふたりはわたしの足にまとわりついてくる。

う~う~……♪


幸せだー

我にかえる。


「うれしいです」


みんなのわたしをみる目が違った。

本当にかわいいと思ってくれているみたいだ。

あのクールなディアムが少してれているように見えた。


「まい、もう一枚の服も着てくれるか?」

「はい、わかりました」

「もう一枚まいちゃんのかわいい姿みられるの~」

「ジェース、下品なことをいうな」

「なんでよ、みんなもそう思っているだろ?」


みんなの顔をみたら赤く照れているようだった。

わたしはその場にいるのが照れくさくてにげだしました。


「着替えてきますね」

「あ、ああ」


もう、ジェースさんは恥ずかしくないのかな~

照れてしまうことも簡単に言えちゃうだから……。

でも、そこがジェースさんのいいところなんだろうな。


エンジの服に着替えた。

ドレッサーで確認した。

これも素敵だな~

色がすっごくかわいい。

さすが、衣装クラフトスキルがマックスなだけあるな~

すごいよ。


わたしはまたみんなのところにいった。


「どうでしょうか……」

「お~いいじゃん」

「これも可愛いにゃん」

「これも素敵です」

「おお、似合ってんじゃん」

「よかった、似合っているよ。あとこれも……」


ルーカスから渡された。

ニーハイソックスだった。


これは?

ルーカスさんの趣味……かな?


「おい、ルーカス! これはお前の趣味だろ」

「そ、そんなことはない、この服には……これを履いた方が……か、可愛いんだ」


ルーカスが照れている。

ルーカスの意外な一面がみれてうれしかった。

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