第3話 女神再び登場

またイケメンのお出ましだ。


「だれだ?」

「わたし、まいといいます」

「で?」

「えっ? 今日からここに住みます」

「はぁ~なんでおんなが……」


なんか感じ悪い。


「ディアム! そんなこといっちゃだめにゃん」


レオはディアムにくっついた。


「やめろ」


ディアムは嫌がっている……が、いや嬉しそうにもみえる。

なんだ。

ドM(ドエム)なのか?


ん?

やっぱり耳がある。

犬っぽいな。


ピピッ!!


『獣族ーウルフーオスー斧ー戦闘レベル58』


ふ~ん、レベルが高いね。

そして、すごく鼻筋が通っていてとてもイケメンだ。

性格は悪そうだけど。


みんなイケメンじゃん。

おかしな妄想ばかりしてしまうよ。


「おい、おまえなんでここにきたんだ」

「えっ? 住むところがなくて」

「そうじゃなくて、いままでは何をしていたんだ?」


仕事のことか……。

インテリアの仕事なんていってもわからないしどうしよう。


「あの~家の内装考えて配置する場所を提案したりとか」

「家を作ってたのか~おんななのにすげぇな」


いや、パソコンでやるだけなんだけど……。

まあ、いっか。


「おれ、汗かいたからお風呂入ってくるわ」


そういうと、その場で上着を脱ぎだした。


きゃー


わたしは目のやり場にこまって手で顔をかくした。

が……、こんなチャンスをのがすことはできない。

男性の体をちゃんと見たことがないんだもん。

見てもばちはあたらないでしょ。

手の隙間からディアムの裸体を拝ませてもらいました。


「ディアム! まいの前で裸になっちゃだめだにゃん」

「なんで!」

「なんででも!」


レオがディアムの体を隠しながらお風呂場にいった。


その裸体は筋肉質で腹筋は割れている。

腕も太い。

力持ちのようだ。


【妄想中】


♪~あの筋肉質な腕に抱えられるわたし。

夢のお姫様抱っこ、きたー!

そのまま部屋に連れていかれベッドにおろされ……♪


「まい」

「……」

「まい」

「……」

「まい!」


我に返った。


「わぁ~ ん? なに? レオ」

「もう、どうしたの? にゃにゃして」

「ん? なんでもないよ」


「もうすぐ、リエルがきて食事を作ってくれる」

「うん、楽しみ~」

「リエルの食事はおいしいんだよ」


――――


「レオ!」

「きた! リエルいらっしゃい」

「リエル、今日からひとり増えたから紹介するね」

「まいだよ」

「まいです」


これは綺麗な男の子だ。

耳がとんがっている。


ピピッ!!


『エルフ族ーオスー魔法ー戦闘レベル50』


エルフかぁ~

さすがに耳の形から検討はついたよ。

色白でイケメンで素敵。

じゅる、よだれがでたから手でふき取った。

もうやばい。

顔のゆるみがはんぱないぞ。


「ぼくはリエル、よろしくね」

「こ、こちらこそ……よ、よろしく」

「今から食事の用意をするからまっててね」


レオは嬉しそうにこたえた。


「う~ん、待ってるにゃん」


リエルはレオに微笑みかけ、キッチンに行き支度を始めた。


なんだ、いまの微笑みは。

わたしに向けての微笑みだったら、とろけていただろう。


いったいどんな料理を作ってくれるんだろう。


「まい、料理ができるまで部屋で休んだら?」

「うん、そうする」


とりあえず、部屋ですこし休むことにした。

なにか忘れているような……。


キラッ!!


急に光った。


なに?


「おい! おまえなにしてるんだ」

「ん? だれ?」

「もう、わすれたのか?」

「あ~女神さま」

「そうだ女神じゃ」

「女神さま~こんなイケメン揃いの異世界に転生させてくれてありがとう」

「なにをいっている。おまえ、まったく『目覚め』の使い方わかってないぞ」

「あ~使ってみたけどなんにも起こらなかったんだよね」

「ばかか! もったいない使い方するな。もっとちゃんと使え!」

「どうやって使うの?」

「例えば、料理いま作ってるやつがおるだろう」

「うん」

「そいつに使ってみたら、料理のスキルが加わりレベルがマックスになるからつかってみろ」

「え~そうなの?」

「そいつの能力を加えられ、しかもそのスキルのレベルがマックスになるなんてちゃんと使えばすごいんだぞ」

「たしかに」

「あと、いいわすれていたけどお前の頭の中で相手のスキルやレベル、職業など表示されるが自分のもわかるから確認するといい」

「なるほど」


わたしの見たいな。

よし、わたしのスキルは……。


ピピッ!!


『人ーフェロモンーメスー90』


なんだこれ。

フェロモンって。

レベル90ってなに?

戦闘レベルのこと?

わたし、戦えるの?


「おまえ、まだ戦ってないだろ」

「うん」

「これは、フェロモンレベルのことだろ」

「フェロモンレベルってなに? なんかエロい感じするけど」

「おまえがイケメンに囲まれたいっていったからこうなったんだろ」

「そうか」

「まあ、とりあえず『目覚め』使ってみるよ」

「そうしろ。うまく使えればもっと楽しいスローライフができるぞ」

「わかった。ありがと、女神さま」

「じゃあな」


女神は消えた。


あっ!!

思いだした。

ルーカスさんの部屋に行く約束してたんだった。

いかなくちゃ。

なんだろう。

緊張する。


ふんっふんっ。

自分の体の臭いをかいだ。

体のにおいは大丈夫そうだな。

まだ、臭くない。


――――


トンットンッ!


「はい」

「ルーカスさん、まいです」

「どうぞ」

「ごめんなさい、遅くなってしまって」

「いや、大丈夫だよ」

「それで、用って何でしょう」

「あ~明日もし時間があったら一緒にクラフト店にいかないかい?」

「えっ? クラフトって布とか売ってるところですか?」

「そうだよ。まいに服を作ってあげようと思って」

「えっ? わたしの服ですか? 服を作れるのですか?」

「うん、そうだよ」

「すごい! すごくうれしいです」

「じゃあ、朝食を食べ終わたらいこうか」

「はい」


ちょっと聞き逃すところだったけど、今ルーカスさんまいって呼び捨てにしてたよね。

さっきまでまいさんだったのに、急に呼び捨てなんて興奮する~


「お~い、まい! ルーカスさん! 夕食の準備ができましたよ」

「はい、いまいきます」

「よし、じゃあ1階に行こう」


ルーカスさんと一緒に1階におりていった。


「まい! ルーカスさんの部屋で何をしていたの?」

「なにって、お話しをしていただけだよ」

「そうか」


テーブルにはたくさんの料理が並んでいた。

これが『目覚め』を使うともっとおいしくなるっていうの?

でもすごくおいしそうだけど……。

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