第2話 またイケメン!

ルーカスさんについてきたわたしは、またイケメンに出会った。

なんでこの世界はイケメンばかりなんだ。

顔がなぜかにやけちゃうよ。


「ルーカスさん! おかえりなさ~い」


少し小柄なかわいらしい男の子が出迎えた。


「こちらはどなたかにゃん?」


そういうと、わたしのほほをなでてきた。

なんだこれは。

こそばゆいぞ。


よくみると猫耳がついている。

これは本物なのか?


ピピッ!!


『獣族ーねこーオスー弓ー戦闘レベル39』


獣族?

ん?


ルーカスが着ていたマントとバンダナをとった。


えっ?

ルーカスの頭にもなにかついている。

耳ではない。


角だー!


もしかして、鬼?


さっき聞き逃した言葉思い出した。

オーガだ。


バンダナしてたからわからなかった。

やっぱりここは異世界なんだな。

まあ、かっこいいからなんでもありだ。

なんてね。


そしてこの猫耳のぼくちんはやけに、にゃんにゃん触ってくるな。


「レオ! まいさんだ。これから一緒に住むことになった」

「あっ、よろしくおねがいします」

「わ~い、お友達増えてうれしいにゃん」


レオは抱きついてきた。


「あ~よろしく! レオくん!」

「レオでいいよ」

「じゃあ、レオ! よろしくね」


なんて人懐っこいかわいい子なんだろう。

猫耳だけどイケメンにはかわりない。

これから、わたしはこんなイケメンふたりと一緒に暮らせるなんて幸せだわ~。


「ぼくが、部屋を案内するにゃん」

「レオはいつもにゃんっていうの?」

「べつににゃんって言わないこともできるよ」

「ほんとだ」

「でしょ」

「じゃあ、わざとつけてるの?」

「うん、そのほうがかわいいじゃん、なんてにゃん」

「そう……だね」


わたしは部屋を案内してもらった。


「1階はリビングとキッチン、お風呂に洗面所にトイレだにゃん」

「うん」


異世界も一緒なんだな~

2階にいき右の部屋から、案内された。


「ここはルーカスさんの部屋だよ」


トンットンッ!


「ルーカスさん、はいるよ」

「ああ」


扉を開けると、部屋を囲むように本棚があり本に囲まれていた。


「わあ、すごい本」

「すごいでしょ。ルーカスさんはここの本全部読んでいるんだよ」

「へえ、すごい」

「いや、大したことないよ。時間があるだけだよ」


いやー時間があってもよまないわ。


「もし読みたい本があったらいってくれ」

「はい、わかりました」

「あと、まいさん!」

「はい」

「部屋の案内が終わったら、わたしの部屋にきてくれるか?」


え~~なに~~いきなり部屋に呼んで何をする気なんだ~


【妄想中】


♪~椅子に座っているルーカスがわたしを呼ぶ。

「まいこっちにおいで」

わたしは、ルーカスに腕をひっぱられ勢いでルーカスの膝の上に座ってしまう。

「今日は疲れただろ、ここでお休み」

ルーカスにやさしく抱きしめられ……♪


きゃあー

我に返る。


「は、はい……わ、わかりました」


妄想していて、言葉がつまってしまった。


レオがわたしの顔をのぞきこんでいる。


「なに? レオ」

「べっつに」


レオは少し不機嫌そうにみえた。


「まい! 違う部屋にいくよ」

「うん、まって」


「右から2番目の部屋が、ディアムの部屋」

「ディアム?」

「うん、もうすぐ帰ってくると思うよ」


ほかにも住んでいるんだー。


「3番目の部屋がぼくだよ」


扉をあけると、かわいらしいオレンジとピンクの色で統一された部屋だった。


「かわいい」

「でしょ。これみて」


見せてくれたのは大きなうさぎのぬいぐるみだった。


「かわいいでしょ」

「うん、名前は?」

「まめ」


おいおい、かわいいうさぎのぬいぐるみにまめって。

まあ、またこれがレオのかわいいところなんだろうな。


「まめくん、よろしくね」

「まめちゃんだよー」

「あっ、ごめん」


女の子だったのか……。


「まい、隣がまいの部屋だにゃん」

「ありがとう」


そこにはベッドと机が置いてあった。


「もっと、かわいい部屋にしていいんだにゃん」

「うん、おいおい考えるよ」

「お掃除はぼくが担当なんだよ」

「えっ? 全部の部屋を掃除してくれるの?」

「そうだよ」

「大変だね」

「そんなことないよ、ぼくに任せるにゃん」

「よろしく」

「でも、そんなにきれいにできないんだけどね」


確かに、それほど綺麗にはなっていないか。


そういえば、あの究極恋愛スキル『目覚め』レオにも使ってみるか。

ルーカスさんに使ったけど、あまり変化なかったような気がする。

いったいどんなスキルなんだろう。


よ~し、使ってみよう。


「目覚め!」


ピカッ!!


レオの周りに光がまとった。


やっぱりなにも変化がないように感じる。

まあ、いっか。


「まい、隣の部屋はあいてるんだ」

「そうなんだ」

「一番左の部屋はリエルの部屋だ。でもまだ住んではいない」

「なんで?」

「いつも料理を作りにきてくれるんだけど、一緒に住めばいいのに引っ越してこないんだにゃん」

「今はどこに住んでいるの?」

「隣街だよ。でも部屋は用意してあるんだ」

「へぇ~そうなんだね」

「だから今この家には、まい含めて4人で住んでいるんだにゃん」

「わかった」


1階で、もの音がした。


「ディアムが帰ってきたのかもにゃん」


1階に降りていった。


「おかえり、ディアム」

「おぅ、戻った」


うっひょう!


なんなのまたイケメン?

こんどは何族?

この世界最高かよ!


わたしこんなイケメンと毎日生活できるの?

まじ、ありがとう女神さま。

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