第4話 目覚めのスキルすごくない?

テーブルに置かれた料理はとてもおいしそうだった。

でも、見た目の色があまり綺麗ではなかった。

でも、味は美味しいのだろう。

楽しみだ。


「みんな揃ったか?」

「では、いただこう」


「「「「いただきます」」」」


モグモグモグッ


みんなおいしそうに食べている。

わたしもいただこう。

スープから飲んでみた。

ん?

これは何味だ?

見た目はコンソメスープっぽいけど、少し濁っている。

まずいわけではないが、そんなにおいしくもない。

まあ、スープがたまたまいまいちだったのだろう。

お肉料理を食べてみよう。

ナイフでお肉を切ってフォークにさしてっと。


モグモグモグッ


硬い。

ちょっと味が薄い。

あとちょっと何かがたりない気がする。

これは早急に『目覚め』スキルを使わせてもらおう。


みんなはおいしそうに食べている。

うそではなさそうってことは、この世界の食べ物ではこれがおいしい限界ってことなのかな。

じゃあ、わたしのスキルでリエルはこの世界で一番の料理人になれるってことだよね。

すごい!

イケメンシェフじゃん!


【妄想中】


♪~「まい、食事ができたよ」

「リエル、いつもありがとう」

わたしは美味しい料理を食べる。

口にソースがついているのに気づかない。

「まい、口にソースがついているよ」

そっと中指でふいたあと、リエルは自分の口にもっていきなめる。

「まいはいつまでもこどもみたいだな、そこも可愛いけど」……♪


きゃー

「まい」

「……」

「まい」


我にかえる。


「はっ! なに、レオ」

「まいは、なにか考え事してるの?」

「えっ? まあ」

「にやにやしてるよ」


やばい。

妄想中は顔がにやけてしまう。


「ごめん、でレオなんだったの?」

「リエルの料理、おいしいでしょ」

「うっ……ん」

「でしょ~この辺じゃ一番おいしいんだよ」

「そうなんだ~」

「早く一緒にここで暮らせばいいにゃん」


ルーカスが話始めた。


「リエル、わたしたちはいつでも歓迎だ」

「はい、ルーカスさんありがとうございます」


口数の少ないディアムが話をしてきた。


「隣街から来るのは大変だろ」

「ええ、まあ」

「おれもルーカスに賛成だ」

「はい、ありがとうございます」


わたしには、すぐに来れない理由があるようにみえた。


「「「「ごちそうさま」」」」


リエルは片づけ始めた。

わたしも手伝おうと思った。


「リエル、手伝う」

「ありがとう」


食べた食器を洗う手伝いをした。

そしてなにか悩みがありそうだったので聞いてみることにした。


「リエル、なにか悩み事があるの?」

「えっ?」


リエルは驚いた表情をした。


「料理のこと?」

「えっ? な……なんで」

「もしかして、自分の思ったように作れてないんじゃない?」

「なんで、わかる?」

「やっぱり」

「本当はもっと味付けも変えたいと思っている」

「見た目の色も?」

「そう、なんでわかる」


ここでわたしのスキルの出番かな。


『目覚め!』


ピカッ!!


リエルの体に光がまとった。


「まいさん、なにかしたの?」

「まってね」


ん!


女神さまがいっていた。

頭の中で感じるって。


ピッ!


出た!


『料理スキル追加ーレベル100』


やったー


「リエル、なにか作ってみて」

「えっ?」

「いいから」


リエルは食後のデザートを作ってくれた。


「はい、できあがり」


これはパンナコッタみたいな見た目だった。


「リエル、これはパンナコッタ?」

「まいさんはなぜ知っている?」

「まあ、なんとなく」


「食べてみて」


一口食べてみた。

すると、正真正銘のパンナコッタだ。


「美味しい」


わたしのスキルのすごさを初めて感じた。


「ほんとにおいしい?」


リエルも食べてみた。


「おいしい」

「でしょ」

「まいさんのおかげだ」


リエルはわたしの手をずっと握っている。


「リエル、わかったからそろそろ手を放してくれる?」

「あっ、ごめん」


リエルは顔を赤らませ恥ずかしそうにしている。

かわいい。

手を握っただけで顔を赤くするなんてピュアすぎる。

ん~もうっ、母性本能くすぐられるよ~


「まいさん、わたし明日からここに引っ越してきます」

「そう、よかった」

「ルークさんに言ってきます」

「うん」


リエルは嬉しそうにルークさんの部屋に行ってしまった。

よかった。

これから、おいしい食事が食べられるな~うれしい~


そういえば、ルーカスさんとレオにもスキル使ったからなんのスキルが追加されたのかみてみよう。

レオとディアムはリビングにいた。


レオの顔をみて頭で念じる。


ピッ!


出た!


『掃除スキル追加ーレベル100』


やっぱり、追加されてる。

お掃除なんだ。

しかもレベル100ってマックスだよな。

すごい。

明日からの掃除に期待しちゃうよ。


ルークさんは部屋にいるからみれないや。

あした、一緒にショッピング行くからそのときにでもみてみよう。

明日のショッピング楽しみだな~

わたしの服を作ってくれるっていってたな。

もしかして、服作るのが特技だとするとスキル追加は衣装作りのスキルなんじゃないの?

デート用の服作ってもらえるかも。

なんか、わたしのまわりにいたらいいなと思う人しかいない。

あったらいなって思うスキルもちの人がそろっているのではないか?

これはありがたい。

そうであるとするならば……。


このディアムの特技ってなんだろう。

まあ、いいか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る