第7話 潜入!シート・ストアーズ!

「これは……凄いことになってるわね」


 セラがシート・ストアーズにたどり着くと買物をしている主婦の軍隊がいた。


「それはあたしが先に取ったじゃろうがァァァァ! 返せぇぇぇぇぇ泥棒猫ぉぉぉぉぉ!」

「きしゃあぁぁぁぁぁ! 洗剤はあたいのものだよ! ぺっぺっ! ほーらツバもつけておいたからね!」

「未来永劫分のタオルを買い漁ってやるわよぉぉぉぉぉ!!」


 さすがにこの戦いに入るのは無理がある。


 そう判断したセラは90%引きになっても売れていない雑貨などを持てるだけ持ってレジへと向かった。


 買取カウンターの横にある販売カウンターも長蛇の列になっており、かなりの時間待ってようやくセラの番になった。


「おっ! よく来たなセラッ! 何だ? もう勝てないと分かったから優雅に買い物か?」


 忙しすぎて顔が死んでいる店員の後ろでライリルが豪華そうな椅子の上に立って大きく手を振っている。


「別にコールに頼まれただけよ。っていうかライリルこんなに忙しいんだから少し手伝ったほうがいいんじゃない?」


「ボクは店長だよ? 店長は店にいるだけでいいんだよ。決まってるだろ? お子ちゃまなセラはそんなこともわからないのか! くふふふふ」


 パッと見ただけで買取・販売の店員からライリルへの殺意のオーラが滲み出ているのがはっきりわかる。


「……商品お預かりします……」


「お〜ぃ、元気がないぞぉ〜スマイル〜スマイル〜」


「チッ!!!!!」


「メチャメチャ舌打ちしてるじゃない……」


「えーと……もう2ギークでいいです」


「いや、よくないでしょ!」


「こんな世界滅んでしまえばいいのに……」


「「「同感」」」


「ちょっとライリル! 店員全員のメンタルが破壊されてるわよ!」


「大丈夫。大丈夫。みんなーがんばれー」


 何も気にせずに手のひらをヒラヒラさせているライリル。


「全く本当に昔から困った子だわ」


「あっ! 今お姉ちゃんぶっただろう!

 何百回も言うけどな! 

 お誕生日だけ見たらボクが一番お姉さんなんだからな! 

 ボクが一番で二番がミールでしょ! 

 三番がコールだし! ほらっ! 

 最後はセラだもん! 

 一番妹はセラだからな! 

 お姉ちゃんぶるなよ!」


「そういうところがガキンチョなのよね」


「うー! ガキって言うな!」


「はいはい、わかったわよ。それじゃあもう行くわ。じゃあねライリルお姉ちゃん」


「むーはっはっはっ! 分かればよろしいのだセラ妹ちゃんよ!」


 セラが外に出るとさっきまで買取ボブにいたお客さんが全員並んでいた。


「これで二倍で買取ってもらってまた買取ボブ行って繰り返させばいいだけだ!」


「いやー! 時価最高っ!!」


「でもそろそろ買取ボムの品物もなくなってきてるけど次行った時買うものあるかな?」


「あー……そういうことね……」


 セラは苦笑いしながらシート・ストアーズを後にした。

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