第13話 猪狩りへレッツラゴー
ーーー翌朝
「うっ....うう....おかあさん...おとうさん!」
朝起きると、ミーヤちゃんがうなされていた。
両親の夢...?
奴隷になる過程で、両親と離れ離れになってしまったのだろうか。辛い記憶である事は間違いない。
「ミーヤちゃん。起きて。」
「.....ん.....?」
すると、ミーヤちゃんはベッドから飛び起きた。
「ダゴミ様!!申し訳御座いません!!何でもしますから!助けて下さいッ!!ガハッ...!」
取り乱している。ダゴミの名前が何度も出てくるとは、ダゴミは色々な事に介入しているらしい。
「大丈夫、ここは奴隷商の所じゃないし、酷い事はしないよ。」
「はぁっ、はぁっ....ケホッ...」
額に大粒の汗をかいている。
ぎゅっと手を握る。まだ幼い手。だが、どれだけの苦労をしてきたのだろう。
「お風呂、入ろっか。」
朝、まだ誰も入る人が居ないうちに、お風呂を済ませてしまいたい。獣人に対する差別と言うのが有るかも知れないからだ。
随分汚れているし、まともに風呂に入れて貰ってないのだろう。商人も病気だと言っていたから、清潔にして、薬でも買って治してあげたい。
「気持ちいい?」
「はい....ですが....私は奴隷です!主人に体を洗ってもらうなど...!」
「良いって良いって!ミーヤちゃん可愛いもん!」
頭をなでなでした。
「ひぅっ!何ですかぁ!」
もふ!もふもふ!もふー!
猫族だからか、髪の質が猫っぽい。
「んにゃぁー....」
溶けてる...ここ撫でられるの気持ちよさそう。しっかりしてそうでも、可愛い所あるな。
体を洗うと、ボサボサだった髪の毛が整い、身なりも、新しく貰った服に着替えさせると、綺麗になった。
髪は小麦色で、顔の汚れを落とすと、とても可愛い顔をしていた。
もっと成長すれば、美人になりそうだ。
「朝ごはん、食べようか!」
「そうしよう!」
するとミーヤちゃんは一歩後ろに下がり、私達が朝ごはんを食べようとするのを見ていた。
「ミーヤちゃんも一緒に食べるんだよ。おいで?」
「でも、私は獣人です....私と食べると、ご飯が不味くなるそうです!」
「一緒に食べよう?ここの朝ご飯も美味しいよ」
「でも...ミーヤは...」
「?」
「どうして、奴隷の私に優しくしてくれるんですか...」
「ミーヤちゃんが好きだからだよ。」
頭に手を乗せて、なでなでする。
やっぱり髪の毛ふわふわ〜
「す....すき?...す...」
私の手を振り払い、顔を覆いながら、壁際まで後退りした。
「?」
嫌な事言った....?
「あ....あのぉーミーヤちゃん?嫌だった?」
「い....嫌じゃない...ですが...なでなで...すき...?」
だが、うずくまって震えている。やっぱり嫌だったのかなぁ。ご飯で機嫌を直してもらおう。
「朝ごはん持ってきたから、食べようね!」
「は...はい。」
また、昨日のいい食べっぷりが見れるぞ。
パク
ガツガツガツガツ!
昨日と同じように、一瞬で朝ごはんはなくなった。
満足そうな顔で、宙を見つめている。
本当に美味しそうに食べるなぁ。おばちゃん幾らでも買っちゃう!
ハッ!やばいやばい。私はまだ十五歳よ!気をしっかり持って!
やりとりを見ていたナーフは、何故か優しい微笑みを浮かべていた。
何で微笑んでんだ?イケメンが!
「ご飯を食べ終わったら鍛冶屋に行こう。ミーヤちゃんには、一緒に戦ってもらおうと思う。」
「戦い....」
ナーフの提案に、さっきとは打って変わって、顔には絶望の色が濃く浮かんでいた。
商人が言った囮の話が怖いのか?
「使い捨てにはしないから安心して。あの商人が言ってたようなことは何もしない。」
「えっ.....?」
意外そうな顔で、ミーヤちゃんはこちらを見上げた。でも直ぐ、元の顔に戻ってしまった。
どうすれば信頼して貰えるのだろう。
「鍛冶屋に行こうか。」
「はい。ご主人様。」
「ご主人様....」
信頼を得るのって難しいんだなー。
大通りに出ると、いい香りが漂ってくる。
「エリス、屋台が出てるよ!」
いつの間にか肉串の屋台が出ていた。
「すいません!串三本ください!」
「はいよ!銅貨三枚ね!」
一本はナーフに、もう一本はミーヤちゃんに渡す。
「わーいありがとう!」
「私に...ですか....?」
「勿論だよ!」
「こんな物、食べたことありません...クンクン。」
初めての食べ物に警戒しながら、匂いを嗅ぐ。その美味しそうな匂いに抗えなくなったのか、
「はぐっ!はぐはぐっ!」
豪快にかぶりつく。肉汁かぽたぽたと垂れて、美味しそうだ。
険しかった顔がどんどん緩んでいく。
かわいい...しみじみと目の前の光景を噛み締めた。
「おいし〜い!エリスの奢りだし更に美味しいよ!」
ナーフのお口にも合った様だ。うん!美味いな。塩が効いていて何本でも食べたい。
「ゴクン。」
ミーヤちゃんはもう食べ終わってしまった。
「すいません、もう一本!」
「はいよ!」
「ほら、もう一本食べな。」
すると、本当に嬉しそうな顔をして、上目遣いで見てきた。
「ありがとうございます....」
「はぐはぐっ!」
ズッキュゥゥゥン!
失神しそうなのを抑えながら何とか鍛冶屋までの道を歩き始めた。
ーーー鍛冶屋
「すいませーん!」
「おう!てめぇらか。素材が集まったのか?」
「いえ、この子に合う武器と防具がほしくて。」
商人が付けた片手剣は大人用の大きさで、とてもミーヤちゃんが持てそうになかった。
くそ、あの奴隷商....
「猫族の嬢ちゃんか。体もちいせぇし、短剣なんかどうだ?」
「これがお勧めだな。」
「普通の鉄製の短剣。これは二本金貨一枚でいいぞ。」
この短剣でも十分事足りそうだが、中々重い。
ミーヤちゃんに持てるか?
「ミーヤちゃん、持ってみて。重い?」
「はい.....少し重いです。」
「もっと軽いやつある?」
「じゃぁこれだな。少し値は張るが、シルフタガーっつって風の魔法が付与されてる。シルフィードっつー妖精の魔石が埋め込んであるんだ。」
妖精なんかも居るんだなー。
「ちっと高えが風魔法のお陰で軽い。嬢ちゃんにも扱えるんじゃねぇか?」
「じゃぁそれにするよ。二本で幾ら?」
「まぁ、オーダーメイドの依頼も入れてくれてるし、金貨四枚に負けといてやる。元々手に入り易い素材で作ってるしな。」
「いえっ!私は一番安い物で良いのです!」
「ミーヤちゃんの命が一番大切なんだよ。だから少し高くても良いものを使うべきだ。」
「......分かりません....どうして私なんかに....」
ミーヤちゃんの前でカッコつけたは良いものの、所持金を見てなかった....大分使っちゃったけど....?
あっぶない。ギリギリ足りそうだ。
「エリス、今日、もっと依頼受けないと宿泊まれないよ。」
ガッシィィ!
肩をぐっと掴まれて、圧力をかけられた。
笑顔が怖い。美人の圧力は怖さが倍増するよね。
ミーヤちゃんも怖がってるじゃないか。
まぁ行くしかあるまい。衣食住は保証するとミーヤちゃんに約束しちゃったからな。
ギルドに向かう途中、ミーヤちゃんが小走りで道の脇に逸れていった。
「あれ?エリス、ミーヤちゃんは?」
「何見てるんだろう?」
ミーヤちゃんの見ている物の方へ行ってみる。
「どうしたの?」
「ひっ....何でも無いのです!すみません!」
くるりとこちらを向いたミーヤちゃんの背中には、「まりょくだま」と書かれた丸い玉があった。
「まりょくだま」銅貨五枚
「これが欲しいの?」
「い...いえ....私は...」
耳がぴくぴく動いている。欲しいってことなのかな。
と言う事で、この玩具を一つ買い、ミーヤちゃんにあげた。
子供の手のひらに収まる大きさだったが、使い方を聞くと、幾らでも魔力が込められる玉で、魔力を込めると色が変えられるらしい。
「良いんですか...?ミーヤ...おもちゃなんて....」
「いっぱい使ってね!」
ギルドに行く間、色が変わらず必死で魔力を込めていた。獣人の特性のせいで、魔力の操作と放出が難しいようだ。
「ふんぬぬぬ!」
かわい。
ーーーギルド
「あら、お帰りなさいませ!まだ依頼を受けられますか?」
「ははは....はい。」
「次はこれにしようか。」
ーーーーーーーーーーーーーーー
Fランク依頼
下位猪討伐
報酬 一頭 銀貨一枚
場所 街周辺の森林
ーーーーーーーーーーーーーーー
この依頼は、素材と別で報酬が出るらしく、それも銀貨一枚と言う美味しい依頼だった。
「なんとか宿代だけでも稼ぎ切ろう。」
「うん...!」
あのベッドのふかふかを体験した後、野宿は出来ない。こちらも本気になる。
ーー近くの森
薬草を採った時とは違う森にきたが、そこら中から茂みを揺らす音が聞こえている。
ピリッ!
危機感知が反応した。素早く後ろを振り返って、短剣で突進してきた猪の脳天を突き刺す。
ふぅ、下位兎よりは手応えがある。
「....い....いや....血...!おかあさんっ...!!」
ミーヤちゃんが震え、泣き出した。
おかあさん...?
「どうした?大丈夫?」
「おかあさんが...!おかあさん...っ!」
「大きな竜が...私の村と...おかあさんを!その後直ぐに...っ...ダゴミが来て...!」
お母さんが魔物に殺された後、奴隷にされた....?
ダゴミは、魔物に襲われた村から村人を攫っているのか....町中で噂に聞く通りの卑怯な奴だ。
だが、買ったからには、値段分の仕事はして貰わねばならない。この過酷な世界で何も出来ない子供を連れて行けない。
また突進してきた猪の頭を殴って気絶させた。
「ミーヤちゃん、君がやるんだ。」
「いやっ...!」
「これから魔物を毎日倒す。何もしない君を養う事は出来ない。私達には目的がある。その為に冒険してるんだ。」
「出来ないなら、途中の村に置いていく。お金も用意する。」
「私は....あんなに美味しいものを食べさせて貰った事はありません。お風呂も、撫でて貰ったのも、おもちゃも、全部....」
ミーヤちゃんは短剣を構えた。そして、気絶した猪に突き立てる。
猪から真っ赤な血が噴き出した。
「はぁっ....はぁっ....私もっ..つれでっでくだざい...!」
目から大粒の涙を流しながら懇願している。
「私も連れてって!置いてくなんて嫌です!二人と一緒に行きたいです!!」
「初めて自分の意見を言ってくれたね。嬉しいよ!」
「うわーーーん!」
「良く倒せたね。怖かっただろうに。」
ナーフが頭をなでなでしている。気持ちいいよね。
「凄いよ!ミーヤちゃん。今から私たちは仲間だ、だから敬語は無しにしてくれ。」
「いえ...ミーヤがそうしたいんです...!」
「うーん....でもなぁ...」
「エリス、良いじゃ無い。好きなようにさせてあげなよ。」
「うーん...ナーフがそう言うなら、わかった。」
だが、今日はまだ沢山猪を倒す。
「ミーヤ、僕が魔法で動きを止めるから、その間に剣でとどめを刺すんだ。いいね?」
「わかりました!ナーフ様!」
ナーフ様....そんな風に呼ばれたら恥ずかしすぎて耐えられない....よくナーフは平気だな。
「いくよ、拘束!」
襲いかかってきた一匹の猪の動きを止める。だが、他にも三匹同じタイミングで突進してきた。
「拘束、拘束、拘束!」
ナーフはそれにも臆さず無詠唱魔法を連続で唱え、計四体の動きを同時に止めた。
「ミーヤ、今だ!」
「っ...!はい!」
ナーフからの掛け声で、ミーヤが切りかかる。最初は抵抗があり、苦労しているように見えたが、全ての猪を倒す事に成功した。
しかし、まだまだ猪は襲いかかってくる。
「拘束、拘束、拘束、拘束!」
ザシュッザシュッッ!
足元には次々と猪の死体がころがっていった。
それでも猪達は、間髪入れず襲ってくる。
「ミーヤ、まだ戦える!?」
「まだまだいけますっ!!お二人についていく為には、まだ足りないです!」
気合いは十分。だが、恐らく初戦闘で、ナーフに動きを止めてもらっているとは言え、もう十匹は倒している。
ナーフのMPを見る。
MP 100/173
まだまだ余裕はありそうだ。ナーフのMPが尽きるまでは戦闘が続けられる。それに、ナーフは称号「守護者」を持っている。ミーヤちゃんが危険に陥る心配は無い。
「ナーフのMPが尽きるまでやる!」
(舞姫!)
素早さ四倍のバフをかけて、猪を倒す速度を上げる。だが舞姫はMPを一秒間に一も消費するので、長くは使えない。
シュシュシュシュ!ヒュン!
段々日が落ちるにつれて、魔物の数も増えてくる。場所を変えながら、猪を切り刻み続けた。
すると、段々猪の出てくる数が少なくなり、遂に攻撃はピタリと止んだ。
「僕のMPも三十切った!素材を出来るだけ持って撤収!」
以前の下位兎を倒しまくった時編み出した、魔力で手を作り、物を運ぶ技を活用できる!
「召喚!」
十本の腕が地面から生えて、素材を全て回収する。
「エリス!ありがとう!」
この腕も、一本当たり、召喚時にMP五を持っていかれるのに加えて、一分間しか出しておけないので、急がなければ。
「エリス様、ナーフ様、今まで忘れていましたが、町には門限があります!夕陽が沈む前迄に帰らなければ!」
「「そうなの!?」」
「門を閉めるぞ〜〜〜!!!」
シュッ!!
ギリギリ三人とも滑り込んだ。
ーーギルド
時計を見ると、午後七時位を指している。
二時間か三時間戦い続けていた....
召喚した腕達が、カウンターに素材を乗せていく。
そして魔石を乗せた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
Fランク依頼
下位猪討伐
報酬 一頭 銀貨一枚
場所 街周辺の森林
ーーーーーーーーーーーーーーー
「この依頼です」
「えぇ...!?<計算>!」
「魔石は五百個、金貨五十枚になります....!」
「そして...こちらの素材ですね...?」
「<鑑定>!」
「はい、状態も良いですね。満額で買取ります。ですが数が多いので、一頭当たり銀貨二枚で買取らせて頂きます。」
ギルドの中には収まらず、街の外まで猪の死体で溢れかえっていた。
「緊急依頼を出さねばなりませんね....」
頭を抱えているマリアさんには悪いが、こちらとしては一日に百万円以上稼げたのだから、これ以上ない幸せな気分になっている。
私たちはその場で素材の分、白金貨一枚、金貨五十枚を受け取り、宿に帰った。
白金貨....初めて見たが、輝きが違う。
冒険者、夢が無いなんて言ってすみません。すっごい夢有りました。
だが、何故こんな事が起こったかと言うと、ミーヤの称号が関係している。普通こんなに猪が出る事はない。何故なら猪は群れで生活せず、個々で離れた場所で生活しているからだ。
故にこんなに猪を狩る事は普通、誰にもできない。
それなのにどうして猪が大量発生したかと言うと、ミーヤが持っている称号が関係している。それは「特異体質」、魔物を寄せ付け易くなったり、成長し易くなる体質らしい。
その、魔物を寄せ付けやすくなる性質のせいであんなに猪が襲いかかって来ていた訳だ。
因みに、ミーヤのレベルは、今日だけで5上がり、レベル6になっていた。
これがミーヤのステータスだ。
名前 ミーヤ・ムーシャ
年齢 7歳
種族 獣人
レベル 6
職業 無し
スキル
[New!]<短剣術Ⅰ>[New!]<速度上昇Ⅰ>
称号 「特異体質」
ステータス
HP 79/79
MP 55/55
攻撃力 101
防御力 39
素早さ 76
精神力 20
新しいスキルを覚えている。それに、攻撃力だけを見れば、もうナーフを超えている。
これは、これからどんどん伸びるかもな...
私はレベルが2上がった。
名前 エリス・サラ
年齢 15歳
レベル 18
スキル
<鑑定Ⅲ><言語取得Ⅹ><舞姫Ⅹ><舞神Ⅱ><危機感知Ⅱ><痛覚遮断Ⅵ><耐久Ⅳ><突進Ⅱ><音速Ⅰ>
称号
「慈愛神の加護」「舞神の加護」
ステータス
HP 138/138 +23
MP 141/141 +30
攻撃力 142 +20
防御力 142 +20
素早さ 172 +20
精神力 159 +20
そして、ナーフのレベルも3上がっていた。
ステータスウィンドウ
名前 ナーフ
年齢 15歳
種族 人間
職業 魔法使い
レベル 15
スキル <器用Ⅹ><料理Ⅴ><魔力操作Ⅱ><魔力適正Ⅱ><鑑定Ⅱ><隠蔽Ⅰ><速度上昇Ⅱ>[New!]<雷魔法Ⅰ>[New!]<記憶Ⅰ>
称号「守護者」
ステータス
HP 112/112 +25
MP 223/223 +50
攻撃力 88 +12
防御力 79 +10
素早さ 107 +27
精神力 227 +50
魔法使いだからか、MPと精神力の成長が著しい。だが、他のステータスは伸びにくいようだ。
新しいスキルが増えている。
<雷魔法Ⅰ>
・雷魔法の威力、発射速度が上がる。
<記憶Ⅰ>
・記憶力が上がり、魔法を覚えられる数が増える。
この記憶ってスキル...強いのではないか?
私の魔法が覚えられる枠は五枠しかない。しかし、それが増えれば幾らでも魔法が覚えられる!
羨ましいなー....
もうすっかり日が暮れ、人通りも少なくなってきた通りを三人並んで歩く。
すると、唐突に
「ミーヤ、もっと強くなってご主人様たちの役にたちたいです!なので捨てないで欲しいのです...」
「捨てないよ、ねぇ、ナーフ?」
「うん!今日も凄かったじゃ無いか、何頭も猪を倒して。」
「本当なのです...?」
「本当本当!ミーヤは仲間なんだからさ。」
「ふぇぇん....嬉しいのです...」
又泣いている。彼女のおった傷は相当深い物の筈だが、よく普通にしていられる。私達に話していない過去の悩みもあるだろうに...
「その短剣は使いやすかった?」
「はい!とっても軽くてミーヤにも使えました!」
ネチカさんの目利きは鋭いな。客にあった物をちゃんと提供できるとは。
ぐぅぅぅぅ
「ん?」
「はわわわわわ/////」
「ミーヤ、お腹減ってるの?」
「ち...違うのです...これは...!」
「じゃぁミーヤの分は大盛りにしてもらおうか!」
「ふふふふ。」
「ご主人様なんて嫌いなのですー!!」
そうは言いつつも、勿論大盛りを完食したミーヤだった。
ーーその夜
「おーい!国子!フン!」
「コイツはいつになったら信者を増やしてくれるのかしら??フン!」
「一切増えて無いけど、きっと何か準備してるんだよ。」
「むにゃむにゃ...」
「本当かしらねぇ...?」
「全然起きないし、疲れてるんだよ...可哀想。今日は辞めてあげたら?僕達、あと数百年は消滅しない筈だしさ。」
「うーん、それもそうね....フン!また来るわよ!」
朝、夜閉めた筈の窓が空いていた。
「何でだ...?」
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