目覚めた時には記憶を失っていたホムンクルスのスカーレット。
出会うのは血に塗れたメイド姿の少女。そして鳥。
冒頭より主人公・スカーレットは死神の能力の一端を使い暴漢を排除、それを見た敵か味方かも定かでないメイドの少女は、同行を申し出る。
その場にいた巨鳥も含めた謎に包まれた一行で出発するところから、この物語は始まります。
マイペースに世話を焼くメイド少女に護られながら旅を続け世界を知ってゆく、生真面目な死神のスカーレット。
徐々に自分のスキルの在り様を知り、他者の命を直接奪える死神としての自分に悩み、そして記憶も常識もない自分に悩み、それゆえの無能力にも悩み。
それはもう、生真面目に悩んで、対応して、失敗しますとも。
そんな自分を、周囲を、世界を、少しずつ受け入れて行く彼女の成長は、見ていて爽やかであると感じます。
作者様の編み出す独特な世界観、ほんのりとダークな設定に、まっすぐな主人公といささか利己的かつ悪戯な従者のメイド少女、癒しのもふもふ鳥。
清々しさを感じる死神の綴る物語です。
こんな世界をいちど目にしてみてはいかがでしょうか。