アリーヤの憂鬱
◇
SIDE:アリーヤ
連盟!!!連盟!?!?
本当だったらヤバすぎますわ!!!
術師界隈の殺し屋集団、善人も悪人もブッ殺す狂人集団…
でも、連盟の術師は目についたものを片っ端から殺すようなことはしないはずですわ…。多分、きっと…。
そもそも本当に彼は連盟の術師なのかしら。
連盟の術師は冷静にイカれてるってお師匠様が仰っておりましたわ。
さあ、彼の目をみなさいアリーヤ!
術師たる者、目を見れば人となりは分かるものですわ。
私の目からみて、彼は……イカれてますわね!
でも、これはヤバいけどどちらかというとヤバくない感じのイカれ方とみました。理由があれば結構平気で人殺しをするタイプですわ…。
まあそれはわたくしもなのですが…
つまり、まだチャンスはありますわね。
思い出しなさい…お師匠様がいっていたことを…!
…連盟は理念で動く、そして理念はそれぞれ形が違う、でしたか?
では、その理念とは!!
理念とは普段の言動に滲み出るものですわ。
だから話を思い出せばわかるはず。
彼の理念の形が!
ええと、さっきの話を思い出すに……
彼が見ている。
まだだ、まだ時間が欲しい。
術師たる者、適当な事を言えばすぐにそれと察しますわ。
わたくしが適当な事を言って、それが分かればどうなりますの?
そう…死にますわ!
だったらどうするか?
それは適当な事を言わなければいいのです!
わたくしは4等術師にして既に爆炎弾を放てる不世出の天才術師…
齢12の頃には6人の野盗を地の影とした事さえある…
ならば出来るはずですわ。
「ち、ちょっと待ってくださるかしら?今まとめていますの。そう!考えをね、貴方も術師であるならば、言葉の大切さは分かるでしょう?分かりますわよね!?」
勿論だ、と彼が頷いた。
なるほど、つまり…彼等は……
■
「なるほど!術師ヨハン、貴方の言う事がわかりましたわよ。確かに仰る通りですわね…命を賭けねば打倒し得ない強敵でこそあっても!それはあくまでも能力だけの話であり!心が伴っていないそれであったと!そのようなゴーレムが如き存在との戦いが!勇士達の最期の戦いであるというのは余りに悲しいことではないかと!彼等ならば!もっと誉れのある戦場もあるだろうにと!そういうことですわね?わたくしも……ええ、改めて考えれば…確かに同感いたしますわ…ッ!」
ヨハンはアリーヤと名乗った協会の術師の目を見ていった。
「術師アリーヤ、連盟と協会は確かに余り良い関係とはいえないが、俺は君の尊い品格に敬意を払おう。エル・カーラまで短い道中だが、宜しく頼むよ」
アリーヤは大きく頷き、顔布で汗を拭い取る。
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