幸せ
エティーの微笑む顔を見たら少し安心したのか、お腹が鳴った。
「何か食べるか?大したものは作れないが」
「はい!」
エティーは嬉しそうに笑った。
俺は簡単な手料理を振る舞った。
エティーは喜んで食べてくれた。
「少し汚れてしまっているな。向こうに水場がある。洗ってくるといい。」
俺は右側の扉を指差した。
広場の近くにある水場の方が広いが、羽を見たら住民がパニックになるかもしれないと思い、家の水場で済ませてもらうことにした。
「今着ている服は洗っておくから、悪いが俺のを着てくれ。
すまないが下着は乾くまで我慢してくれないか?」
「いえ、ありがとうございます。」
エティーは水場へ行き、俺は服を洗った。
十数分後、水場から出てきたエティーはとても美しく見えた。
浮世離れした美しさで、身体を神へ捧げると聞いたら皆止めるだろう。
「好きなようにしていていい。俺も水場に行ってくる。」
普段と違うせいで少し疲れていた俺はそう言い残し、水場へ行った。
エティーに殺されるのも悪くはないな、と考えながら全身を洗う。
水場から出るとエティーはコップに水を注いでくれた。
「ありがとう。下着は乾いているはずだ。」
「こちらこそありがとうございます。」
ずっと敬語で話されるのは苦手だったので、楽な話し方でいいと言うとエティーは笑顔を見せた。
空を見ると星が輝いていた。
もうこんな時間か、と思いつつエティーに言った。
「エティーはベッドで寝るといい。空から墜ちて疲れただろう。」
「私だけずるいです!一緒に寝ましょう?」
エティーは頬を膨らませて言った。
「仕方ないな。」
そんな可愛いお願いをされたら誰だって一緒に寝るだろう。
俺たちはベッドに寝そべった。
「私、あなたに助けてもらえてよかった。今とても幸せだわ。」
「そうか。嬉しいな。」
俺たちは互いを見つめ笑った。
いつまでもこの時間が続いたら、なんて柄にもないことを思った。
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