第3話マルクス・アウレリウスの言葉。

お前がなすべきことをなすに当たり、寒さに凍えてか、それとも暖まってのことか、居眠りをしてか、それとも十分寝たりてのことか、また人から悪しざまに言われてからか、それとも良く言われてのことか、さらには死につつあるのか、それとは何か別のことをしていてのことか、ということで違いを作るな。

我々が死ぬというその行為も、人生の行為の一つであるから。

ならば、その際にあっても、「現に自分の手元にあることを立派に処理すること」で、もって足りる。


古代ローマにおいて、「哲人皇帝」と言われたマルクス・アウレリウスの言葉である。

「なんだかんだ」と言い訳をして、つい「雑」に物事を処理してしまう人(自分を含めて)厳しい言葉である。

特に「人から悪しざまに言われて」、手抜き仕事をしてしまう人にも、耳が痛い言葉である。


要するに、肉体や精神が、どんな状態であっても、目の前の仕事、処理するべき事において、誠心誠意取り組めと言うのである。


私は、本当に厳しい状態の時に、この言葉に救われたことがある。

実際、突然思い出したのだけど、


「出来ることは、しっかりやれ」

「怠けるとか、手抜きする必要もないだろう」

と言われたような気がしたのである。


確かに、無様な仕事も、人として、後々恥ずかしいことがある。

「出来る限りしっかり対処して」、自分自身に新たな自信が芽生えたことも、事実である。

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