デート編
12.なぜか2人がうちに泊まる事になった!?
「うっ……」
「あぁ! 優太起きたよ!! おばあちゃん!!」
目を覚ますとそこはリビングのソファの上で、俺のすぐ横で凛津と有里姉ちゃんが俺を覗き込むように見ていた。
「俺、そういや玄関の前で気を失って……」
「そうそう! 急に倒れて大変だったんだから!!」
「本当に……。急に倒れるからどうしたのかと思ったわ……。心配させないでよ……」
凛津と有里姉ちゃんが口々に俺を責めてくる。
「いや……そもそもそっちが急に抱きついてきたから!!」
「だっ、だって! 有里ねぇ……じゃないっ!! 凛津が突然抱きつくからっ!」
と有里姉ちゃんが凛津の方を見て言う。
「…………まぁ、仕方無いじゃんっ? 事故だよ!」
元凶の凛津はケロッとしている。
ん〜〜。なんかいつもと逆なような……。
「ご飯出来たわよ〜〜!」
そこでおばあちゃんの声が聞こえた。
「は〜〜い!」
凛津が走って食卓へ向かう。
「まったく、有里ねぇ……じゃないっ! 凛津は本当にご飯の時は異常に速いんだから……」
そう言いながら有里姉ちゃんも食卓へと向かう。
「ほら、優太も行くよ」
「あぁ、今行くよ」
俺は有里ねえちゃんの後に続いて食卓へと向かった。
「それにしても有里香ちゃんがうちに来るなんて久しぶりだね〜!」
おばあちゃんはご飯を食べながら嬉しそうに有里ねえちゃんに話しかけている。
「確かに久しぶりですよね〜〜!!……料理も美味しいし! これからも毎日来ていいですか?」
何故か、隣にいる凛津が答える。
なぜ凛津が答えるんだ?
向かいの席のおばあちゃんも頭にハテナが浮かんでいる。
そこで急に凛津が何かに気付いたようにビクッとして
「そっ、そう思うよね〜〜? ねぇ! 有里ねぇ?」
と有里姉ちゃんの方に話を振った。
「うっ、うん。……毎日来たいな〜〜!」
急に話を振られた有里姉ちゃんはしどろもどろになって答える。
「そんなこと言ってくれると、おばあちゃんも嬉しいよ〜! 良かったら今日泊まっていく?」
「いや、おばあちゃん! それは流石に……」
「いいですねっ!! それ!」
なぜか凛津は俺の言葉を遮って食い気味に言う。
「それに、り……じゃない、有里姉ちゃんとも色々話したいことあるしっ!! ねぇっ!? 有里ねぇ!」
有里姉ちゃんはこくん、こくんと頷いている。
「じゃあ決まりだね!!」
凛津はそう言って俺にピースしてきた。
「……」
まぁ、一緒に寝るわけでもないし、いいか。
「そうだな、分かった」
そんな経緯で有里姉ちゃんは今日、ウチに泊まることになった。
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