本作のタイトル通り、まるで世紀末の世界から飛び出してきたようなキャラ達。
特に主人公兄弟の「見た目」はそれはもう極悪を絵に書いたかのような世紀末ヒャッハーっぷり。
ヒロイン候補に誤解されて追放されるわ、初対面の村人には怯えられるわ、
衛兵には槍を向けられるわ、
訳も聞いてもらえず誤認逮捕されるわ、
盗賊どもから仲間扱いされるわ、
とにかくキリがない!
でも「中身」は人情溢れ面倒見がよく、困っている人を見かけたら助けずにはいられない好青年なので、すぐに慕われちゃいます。
「悪党どもに祈る言葉などない!」って言っちゃいそうな側なんです。
世界観とキャラの濃さ(画風的に)だけでご飯三杯はいける!
作中に出てくる抑えきれない世紀末感をぜひ体感してみてください!
これ、ぜひコミックで見てみたいなぁ……
ーー痛快!
この言葉がピッタリな物語です。
主人公のアニーとオットー兄弟は、見た目は悪人、中身は強く優しく豪快、ヒーローらしいヒーローです。
そんな彼らが力を合わせ、巨悪に立ち向かいます。
テンポ良く進むストーリー。鮮やかに情景が浮かび上がる戦闘シーンの合間に、塩梅よく配置されたラブコメとギャグがたまりません。非常に完成度の高い作品だと思います。
この物語の特に素晴らしいところは、ヒロイン・ロレッタの「変化」でしょうか。ゆっくりと違和感なく、でも確実に成長していく精神、芽生えていく恋心。彼女の心理描写が見事です。
個人的に、ロレッタの気丈さ、悲壮さ、美しさが素敵です。男女ともに広く好かれるヒロインかと思います。私は少なくともロレッタに惚れました。
文章に無駄がなく、読みやすくする工夫が至る所に散りばめられているので、漫画を読むようにサラサラと読めてしまいます。ハイレベルな娯楽を求めている方にオススメです。