第22話《三》赤絲再逅(えにし ふたたび)-8-
彼女は、
華の国にあっては、白は本来「
けれどもその一方で、生死を超越した『
まさしく
そしてまた、当然のように、彼には白が一番よく似合った。
華の情は、一日の
彼女の黒髪には、あの日以来、
六日前の
その
「へーえ、結構、肌
などと
「では、どうか
そう言って、彼女の手を握りしめた。
「いつかきっと、あなたを迎えに戻って来ます。待っていて下さい。けれど万一、
そう言ったあとで、
「でも、私は必ず生きて帰る積もりでいるんです、本当はね。だってあなたを、他の誰にも取られたくはないもの!」
チロっと可愛い舌を出し、
「それから」
「
「これはもしや、お姉さまが御自害遊ばした時の!?」
「その通りです」
「この剣には、姉の
彼らはひっそりと抱き合った
「
「どうか、御無事で!!・・・」
その
それ以上何か言えば、
〈あの方は必ず、生きて私の許へ戻って来て下さる。そして、この
祈りか願望か、
いつしか彼女は、空想に
彼女の
「いつ頃、
彼は、小首を
「もうすぐですわ、あなた」
本当に声に出してそう言ってしまい、
その夢を突然、
「お嬢様っ!!お嬢様っ!!大変でございます。お嬢様っ!!」
〈!?〉
とても
実のところ、それまでも相当表の方は騒がしかったのだが、
バタバタと廊下を走る足音が今の前までやって来たかと思うと、ドン!!と扉が乱暴に開かれて、髪を乱し、
「何があったの、
その彼女の側に物も言わずに駆け寄った
「あ、
「何を
そう言いながら、彼女はなおもぐいぐいと
「
「
まくし立てつつ、引っ張り出した品々を、手早く幾つもの包みに
「そんなこと、おやめ!」
「私たちは、何もやましい事などしていないわ。そうでしょう!?なぜ、
「何言ってらっしゃるんです、お嬢様!!」
能天気なことを言うなとばかりに
「
「
言うなり
「そんなこと、もういいから、お前はすぐにここからお逃げ!!お前には、何の
「お嬢様!?」
「逃げて、
だが、
そんな彼女を、
「さ、早くおゆき、
その
「お嬢様」
きっぱりとした
「あたし、お言葉に甘えてそうさせて頂きますわ。でも、たった一つだけ、お願いがございますの。お嬢様にお仕えした思い出に、今お召しになっているその上衣を、どうぞ
「
彼女の様子に何か不吉なものを感じて、
すると
「何もしやしませんわ、お嬢様。あたし、あなたのおっしゃる通りにするだけです」
ドタドタと
「御免なさいまし、お嬢様!」
言うが早いか、
その拍子に、袖の一部が
「抜け穴を通ってお行きなさいまし。一刻も早く!いいですわね!?」
「さようなら、
言い残すや彼女は、勢いよく廊下へ飛び出した。
「
必死に追い
「おっ!
「
四日目の朝になって、火は
のみならず、山荘の女主人・
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