第14話《二》凶刃魔拳(じゅうりん)-2-
話は前後するが。
忍び
彼女は、人を探していた。
恋
女の名は、
『
けれども、半月前の夜に
とは言っても、彼が、何か特別なことを彼女にしてくれた訳ではない。
ただ―『生きざま』を見せてくれた。
逆境のさなかにあってなお、
父の
同時に、
『火の女』
以来、彼女は、
そして、
主に北方に伝わる
だがしかし、今一歩遅かった。
この上は、一刻も早く
その眼前に、血に
それらの顔を一人一人確認するたびに、ほっと胸を
若者の体を
全く何の
にもかかわらず、そばかすだらけのその顔は不思議に安らかで、
愛する者と
〈幸せな
やがての
だが、ここから駆け付けたのでは―。
〈間に合わぬ‼〉
彼女は、
が、敵もさるもの、槍は目標を失って、
それでも一瞬もたらされた
それを見届けるがはやいか、
彼女が
〈東へ向かわれたか⁉〉
ここから東といえば、
それにしても、少なからず傷ついた体で、
裏門からその時、どやどやと
死んでいるのだと思い、
〈まだ、生きている!〉
相当な
そう思いをめぐらせた時、
〈もしかすると、この若者もまた、
見知らぬ若者の心情が、なぜか手に取るような
〈私は一刻も早く、あの方を追わねばならぬ!しかし、みすみす、この男を見殺しにも・・・〉
「お許し下さいませ、
その数刻後。
誇り高き
気も遠ざかりそうな傷の痛み、多量の出血のために、幾度となく襲い来る
断腸の思いが、彼の胸を
それは、帰るべき場所を失った悲しみにも
〈許してくれ。みんな‼・・・〉
その
このままでは、九死に一生を得て脱出して来たことが、まるで意味の無いものになってしまう。
しばらくの間そうやって血を吐き続けた
それからのほぼ四日間というもの、
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