第7話《四》惜別翔琳(さらば、しょうりんじ)
僧房には、
他にも二、三人の僧が控えていたが、やがて
「
「
二人は、お互いの名を呼んで
が、
「お許しください、
彼は、ひとかたならず声を
「
だがしかし、彼は改めて問いかけた。
「もしや、父上と
「はい・・お察し通りにございます!まことに申し上げにくき事ながら・・・
たった今、自分がその耳で何を聞いたかのさえも解らぬほどに、彼は
そのくせ、心のどこかが妙に
耐え
彼の内なるその
「父上も
内面の混乱に決して巻き込まれまいとする、無意識のうちの抵抗ででもあったろう。
自分よりも年下でありながら、
「
「
「
彼のやさしさが胸に
「
「いつまでも変わらず、今のままのあなたさまでいてほしい、と。そして、
「そうか・・・
彼が愛してやまなかった姉が、
彼は
〈
そして彼は、父と姉の魂に
〈お二人の御無念、いつの日にか、必ずやこの身が晴らして見せましょう。待っていて下さい‼〉
しかし、今はまず何よりも、父と姉の葬儀を無事に送り出すことが、
その重い責任を
「
「いいえ、
「手前、夜明けを待つことなく、今よりすぐさま立ち戻り、準備万端整えまして、あなたさまのお帰りをお待ち申す
「そうか、済まぬ
「ならばお先に、
一礼した
その彼と入れ
彼は、
「
彼は小さな声で、悲しそうに続けた。
「
他のどの
「
「もしも御縁があれば、いつか再び、お会いできる日も
こう言って、そっと
「そうか、そなたもついに、行ってしまわれるか・・・」
「そなたが初めて
彼はしばらくの
「この
深い深い、底知れぬ程に深いその瞳で、
「お
「振り返ることなく、
「さらばじゃ、
「おさらばでございます、お
これが、
ともすれば押し流されそうになる
次第に遠ざかりゆく
〈さらばじゃ!我が
やがて・・・
それは、この
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