第6話《三》喪姫血涙(とわのわかれ)-4-
その半刻後―
「だんな様・・・」
彼は、
「さぞや、御
「
こう言い残して、
彼が
どこかの部屋のようでもあり、全くただの空間のようでもあった。
彼が腰かけている、ひどく粗末な(と思われる)椅子の感触だけが妙に
その姿勢のまま彼は、じっと
果たして何を見ようとしているのか、自分でも解らない。
ただ、何かが身の
突然―。
薄明りの中に、一個の人影が浮かび上がった。
「父上!」
その人影に向かって、
だが、彼とはほんの
「父上⁉どうなさったのです。なぜ、返事をなさいませぬ⁉」
「父上!」
けれども、やはりその姿は全体に
「泣いていらっしゃるのですね、
しかし、彼女もまた、何も答えようとはしなかった。
やがて―父と姉は、すうっと煙のように立ち上がり、彼に背を向けて去って行こうとした。
「お待ちください、父上!姉さま!」
それどころか、実に不可解にも、彼は
〈これは!・・・これは一体、何なのだ?どういうことなのだ⁉〉
気ばかりが
「父上っ‼
自分の声で
〈また、同じ夢だ!・・・〉
彼は思わず、両手で顔を
額にも
のみならず、全身
すでに、今夜で四日目・・・。
最初のうちは、
けれど、こう毎晩同じ夢を見るというのは、とても
〈どうあっても、
現に今も、
風雨は
消し忘れてしまった
〈とにかく、着がえねば・・・〉
そう思った
〈‼〉
彼が何かを予感したと同時に再び
その中をこちらへ向かって急速に近づいてくる
「何事です、
「あ⁉ああ、
〈やはり、何かがあったのだ‼〉
「
「はい、あちらの
「お
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