第5話 スライムボディの神秘

 ――異世界28・レイズリー村付近の林

――年月日不明

 ――時間不明


 先程の人間(仮称)の女性だが…。

 その場にへたり込んで、発狂してしまっている。


 「無理!!無理!!無理!!無理!!オークの子出来ちゃう!!いやああああああああっ!!」


 ――ドスッ!!

 ――ドスッ!!


 急に女性は子宮の辺りを殴り始めた…。


 「お姉さん!!やめて!!別の方法探そ??大切な人の赤ちゃんまで産めなくなるよ!!」


 私だって…。

 この世界に来るまでは…女してたし…。

 直前まで、雅幸さんに抱いてもらった…。


 「赤ちゃん産めないスライムに何が分かるの??」


 出た!!

 出ました!!

 マウンティング!!

 どの世界にもあるんだね…。


 「『擬態』!!」


 私は悔しかった…。

 だから早速、『擬態』スキルを試してみることに。

 勿論、擬態するのは『杉田美春』≪私≫。


 ――ポヨンッ!!


 可愛い音がして、スライムの姿から…懐かしい自分の姿に。

 酷いことが一つあった。

 服を着ていない!!


 「え…。ええ…?!あ、貴女は何なの!!す、スライムじゃないの!?」


 でも、逆にこれは良いチャンスか?

 この女性に私は女だと分からせるにはもってこいだ。


 「私?ミナ=ルナ。見ての通りの三十女。」


 人間とは一言も言ってない。

 これでも『無性受胎』で妊娠出来るんだから!!


 「ちょっと…身体触っても良い?」


 「どうぞ?そう言えばアナタのお名前、聞いてないけど…??」


 人間(仮称)の女性は、ハッとした表情になった。

 さっきまで発狂してたなんて思えない。


 「私は…イース。種族は人間。すぐ近くのレイズリー村に夫と暮らしてるの…。」


 「教えてくれてありがとうね?イース。じゃあ、触って良いよ?優しくね?」


 イースは私に近づき、そっと手を私のDカップの胸に触れた。


 「冷たい…。死んだ人みたい…。でも柔らかさは人間みたい…。」


 まぁ…スライムだもん…。

 冷んやりぷるるん!!

 喉越しも良くて…甘うま!!


 って…水まんじゅう!!

 何か無性に食べたくなってきた。


 「じゃあ、ここ見せて?」


 そう言って、イースは私の秘裂に手をかけた。


 「わぁ…。凄い…。本物みたい…。」


 そう言いながら指を挿れてきた。

 私は…必死に堪えた。

 と言うか…ここまで再現出来てるとは。


 [キーユ?凄いんだね?詳細な解析って。]


 {ハイ。そうだろ?満足してくれたか?}


 [もし、キーユの身体が出来たならさ?一回だけ抱かせてあげる…。それくらい満足。]


 {ハイ。マジか?!本気にするからな。}


 {肉体構造:性感 獲得しました。}


 [え?!ええええ!?]


 それからは、キーユと話して気を逸らしていないと、頭がおかしくなりそうだった。

 そう、イースが手で私の秘裂を愛撫し続けているから…。


 まぁ、本当のことを言えば…。

 キーユがくれたと思われる…肉体構造のアレが主因なのだ。


 「あれ…。ミナ?大丈夫!?」


 私は白目を剥いて、歯を食い縛って耐えていた。

 だけど、身体は正直で…口の周りと秘裂からはスライムの体液が垂れ出ていた。


 「だ、大丈夫。」


 {肉体構造:愛の雫 獲得しました。}


 [ふぇ…?]


 「この身体は、誰の身体を擬態しているの??」


 イースが難しい質問をしてきた。

 普通ならば簡単な質問なのだが…。


 「この身体はね?私が人間だった頃の身体を擬態してるの。」


 普通の人間ならば理解不能だろう…。

 頭のおかしなスライムと思われたに違いない…。


 「ミナ?アナタ…まさか転生者なの?!」


 私の秘裂からイースは手をそっと離した。

 スライムだから、弄っても大丈夫だろうと思ってたのだろう。

 私が転生者と気づいて…って?!


 「私は、地球という所から来た転移者だったんだけど…スライムに食べられて、転生者になったの。イースもそうなの?」


 イースの表情が今日一番で明るくなった。

 でも…イース?

 アナタはオークに孕まされてるけど、大丈夫なのかな…?


 「地球!!私は日本人!!」


 ちょっと待て…。

 雅幸さんが転生してるとか、あるのか?!

 あれば、これ以上の冒険はお終いだ。

 期待してしまう…。


 「私も…杉田美春という日本人でした。」


 名前を出して反応あればいいんだけど…。


 「うーん…知らないですね。ゴメンなさい。私は、日本では竹田瑠奈≪たけだるな≫と呼ばれていました。」


 とりあえず自己紹介みたいな雰囲気だ。


 「そうだ…オークの件…。」


 私は口からその言葉が漏れてしまった。


 「あ…。私、本当にオークの子を妊娠してるんでしょうか?分かりませんか…?ミナさん…。」


 [キーユ?この場合って、私がイースさん取り込めばいいの?]


 {ハイ。まぁ、その前にこれを済ませてくれよ…?}


 何だろう?

 済ませることって…。


 {吸収:オーク・♂1 により、スライムリーダーに進化可能です。}

 {進化しますか? (ハイ/イイエ)}


 [ハイ…。]


 恐る恐る私は答えた。

 今回もあまり期待していない。

 レッドスライムに進化した時、二つしか習得しなかった。

 それが私の頭にはある。


 {ハイ。進化:スライムリーダー 開始します。}


 はじまった。

 あ、そうだ…。


 「今少し、オークを吸収した時の処理をしてるの。終わったらイースさんの身体診させてね?」


 「はい!お願いします。」


 {感知スキル:気配 獲得しました。}

 {固有スキル:統率 獲得しました。}

 {固有スキル:扇動 獲得しました。}


 あれ?

 何かこれって…。

 大勢をまとめたり、煽って行動させたり出来るってことだよね!?


 {固有スキル:分裂 獲得しました。}


 分裂きたー!!

 分身出来るって意味だよね…??


 ――ピンッ!!


 {!閃いた!}

 {特殊スキル:分析 獲得しました。}


 効果音…。

 さっきもしてたのかな…?

 私、音が聞こえてなかっただけなのかな…。


 {無効:火属性 は 吸収:火属性 に変化しました。}


 {吸収:火属性 獲得により 肉体構造:体温調節 獲得しました。}


 [ありゃ…?]


 {ハイ。これでスライムって言わなきゃバレないだろ?}


 キーユ…?!

 色々陰ながら動いてる…?!


 [アナタは私が、街で男に声掛けられて…抱かれても平気??]


 {イイエ。平気じゃ無いが、僕の女では無いからな…。ミナのする事は、止める事はできないさ。}


 ホッとした。

 キーユのモノ宣言されても、私困る。

 好きでもないしね。

 とりあえず、一度だけは恩義は返すけど。


 {進化:スライムリーダー 成功しました。}


 さて…。


 「イースさん?お待たせ!!じゃあ、楽な姿勢で立っててね?」


 そう言って私はイースさんに抱きついた。


 「え?!ミナさん、身体どうしたの!?人肌の温もりがある!!」


 「えへへぇ♡良い感じ?」


 「これなら…ミナさんが、スライムだなんてバレないかも。」


 キーユの言った通りの言葉をイースさんは言った。


 「ひやっ!!」


 イースさんが指を秘裂にまた挿れてきた…。

 裸って言うのは、こう言う事が容易に防げなくてダメだ。

 と言うか…マズい…。

 イースさんの指遣いが…。


 「ミナさん?どうやって中の温度調節してるの?本物みたい…。」


 {詳細な解析しっかりとしたから…かな?}


 キーユがボソリと呟いた。

 そうか…。

 ただ長時間私を弄んでたのではなかったのだ…。

 色々な場合の温度変化のサンプリングもしてたのか…。


 [ありがとう…。]


 {イイエ。僕こそ、ミナをスライムにして悪かった。}


 [アナタが現れなければ、下手したら私がオークの餌食にされてた。だからね?もういいの。]


 {イイエ。もういいとは?どう言う意味だ?}


 [いつまで私生き残れるか分からないけど。それまで宜しくお願いしますね?キーユ。]


 人間の弱い身体より、この身体の方が強い。

 しかも、キーユのナビゲーションがある。

 一人じゃ無いから、怖くない。

 雅幸さん見つけるその日まで、キーユと私頑張って生き抜きたい。


 そう思った。


 ―続く―


――――

ここ迄の主な登場人物とステータス

――――

名前   :ミナ=ルナ

種族   :スライムリーダー

魔法   :なし

称号   :なし

二つ名  :なし

容姿   :肌【青】、髪【-】、頭部【-】、目【◉:黒】、背中【-】、その他【-】

+肉体構造:五感、声帯、性感、愛の雫、体温調節

究極スキル:傍にいる者≪ナビゲーター≫

特別スキル:異世界ジャンプ

特殊スキル:無性受胎、分析

固有スキル:擬態、取込、吸収、溶解、再生、火球、統率、扇動、分裂、

吸収スキル:催淫、強制種付け

感知スキル:元素、気配

吸収   :火属性

無効   :状態異常、痛覚

耐性   :物理、温度

擬態   :杉田美春、????(ロック状態)、オーク・♂1

再訪先  :異世界28

解析情報 :オーク・♂1

地理   :異世界28

――――

名前   :キーユ

種族   :ナビゲーター

魔法   :不明

称号   :不明

二つ名  :不明

容姿   :肌【-】、髪【-】、頭部【-】、目【-】、背中【-】、その他【-】

究極スキル:傍にいる者≪ナビゲーター≫、引継ぐ者、閃く者、焚べる者、その他不明

特別スキル:魂転送、解析、共有、オートモード、その他不明

詳細   :異世界転生者と思われるが不明。

――――

名前   :イース

種族   :人間・♀

魔法   :不明

称号   :不明

二つ名  :不明

容姿   :肌【白(イエベ)】、髪【茶】、頭部【-】、目【茶】、背中【-】、その他【身長162cm、体重47kg、Eカップ】

スキル等 :不明

詳細   :レイズリー村に暮らす人妻。夫と二人暮らし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る