エピローグ

白い壁。白いベッド。心拍数は安定している。彼は楽しく過ごせているようだ。

「最近は心拍数も安定してきてますね。後はいつ起きるかってとこですかね。」

「…もしかしたらこのまま起きないかもしれませんがね。」

2人の白衣の男が話す傍らにはベッドに横たわった中年の男。

「あれから10年ですか。そろそろ治っても良い頃なんですけど。」

「自分以外の家族全員が殺されたんだぞ。一生かかっても治らない可能性だってある。」

「ならせめて、幸せな夢の中で一生を終えて欲しいものですね…院長には」

20XX年、医療は飛躍的に発展し、治せない病気は残る所精神疾患だけとなった。そして近頃患者を眠らせ、夢の中で心を休ませる事で精神疾患を治す新たな治療法が開発され、今現在試験運用を続けている。快うつ病棟、心に傷を負った人々を癒すための施設だ。だが最初に運び込まれた、この病院の院長は未だ目を覚まさないでいる。2人の白衣の男は溜息をついて席を立った。

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怪物病棟 しーらかんすごはん @sirakansugohan

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