特殊部隊
運転では常に360度広い視点をもって運転し,譲り合いの精神を心がけてきたはずだが…。
今日はハイビームを切り忘れたりと気が抜けてしまっている。おまけにはカーラジオの調子もいつにも増して芳しくない。
ふと思い出してしまうあの笑顔。
わざとらしくもない,心から自然に表れた笑顔のように感じた。僕のようなただの水に近づけていけないと悔しいながらに思った。
いま思い返せば,あのボディーブローは初めての,(実際には何回か経験があるのだが),一番芯に,ダイレクトに,有無を言わさず僕を完膚なきまでに制圧した。
その瞬間の僕の感情を言葉にして表すのなら,友達を待ちつつリビングでコーラ片手に映画を悠長に見ていたところ,玄関にたたずむ1人の黒ずくめベレー帽。
その刹那。玄関の二重の鍵,ドアチェーンを爆薬でドアもろとも破壊し突入,拳一つでリビングに到達し僕の目の前へ。
来るのが友達だと思っていた僕は気付いたころには手遅れ。
といった感じのスピーディーで無駄のない,それでいて自然なまさしく特殊部隊に追い詰められたような感情の流れだったと思う。
そうこうしているうちに自宅へ到着した。
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