第3話 夕陽

 自転車の夕方の帰り道。アルバイトの帰り道。頭がぼんやりするんだ。夕方の空をチラリと見てみる。赤い空と暖かい風。オレの頭がわたあめや雲になったのかい? 自転車をこぐ足は軽やか。アルバイトの帰り際に片思いの女子から声をかけられた。嬉しい、けれどもうまく声が出せなかった。頭がぼんやり、わたあめや雲のようだ。いっそのこと夕陽に溶けてしまいたい。そうしたら夕陽の空の向こう側へと飛んでいける気がする。

 頭がぼんやりするんだ。嬉しいから自転車もすいすい進む。

 いっそのこと夕陽に溶けてしまおう。そうしたら夕陽の空の向こう側へと飛んでいける。

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