第4話 情報収集
クラスメイトに着いていき城の裏庭にやってきた俺なのだが......なんだろう、皆のスキルが強すぎて萎える。
力が馬鹿みたいに強くなったり、空を飛べたりなど中学生の時誰もが妄想するようなスキルばかりだ。そのせいか中二病が再発しそうな奴までいる。
あれ?これもしかして、俺めっちゃハードモードなんじゃね?
多分俺のスキルって、他の戦闘系スキルと組み合わせるとかなりのチートだと思うんだよなあ。他のスキルの力を最大限使いこなせるスキルなんだと思う。最も、他にスキルなんて持っていないんだが。
「お、できたできた」
そう言ったのはマイ幼馴染こと凛。その手には鉄らしき物の延べ棒を持っている。こいつのスキルは錬金術。なんでも、どんなものでも等価交換ができるらしい。極端な話、石ころを頭おかしいくらい大量に集めれば上位の金属と交換することが可能だ。生産チートかよ。
とりあえずクラスメイトのスキルはあらかた把握した。【思考加速】を使うことで覚える時間を大幅に短縮できたのは大きい。
「お~い、優人~」
「翔吾か」
俺の事を呼んでいたのは藤山翔吾。数少ない俺の中学時代からの友達だ。180㎝を優に超える高身長と鍛え上げられた肉体を持つコイツはなんと2年生にしてすでにバスケ部のエースらしい。なぜ俺がコイツと絡むようになったか、話せば長くなるのだが……
「そういえば、お前のスキルってなんなんだ?」
見た目からして身体能力系だろうとは思うけど。これでヒーラーだったら笑い倒してやろうと思う。
「俺か?【衝撃操作】っていうスキルだ。衝撃を広げることで和らげたり、圧縮することで強くたりできるぜ。ただ、衝撃を完全になくすことはできないけどな」
ほう、結構汎用性が高そうなスキルだな。少なくとも近接戦闘ではかなり使い勝手がいいだろう。高所から飛び降りた時とかに地面からの反作用による衝撃を緩和できたり、衝撃を一点集中させて地面を蹴れば跳躍や加速にも応用が利くので、機動力も申し分ない。
「そういうお前はどうなんだ?優人」
「俺は【思考加速】ってスキルだ。最大で普段の100倍のスピードで思考できる」
厳密にいえば思考自体のスピードは変わっていないが、嘘は言ってない。
「なんというか、お前らしいスキルだな」
「そうか?」
「優人って理屈っぽいとこあるから、向いてるとは思うぜ」
「せめて論理的といってくれ」
まあ、考えすぎてしまう癖があるのは否めないが。
「ただまあ、戦闘向きではないよな。まあ、近接戦闘なら俺に任せとけ」
「元よりそのつもりだ」
まあ、そこらへんは遊び人のステータス補正と要相談ということでいこう。
とりあえず、全員のスキルは【思考加速】を使ってじっくり分析させてもらったので、そろそろ戻ることにする。他にやりたいことがあるからな。
「あれ?もう戻る感じ?」
「おう、元々俺のスキルはどこでも使えるしな」
「じゃあ皆のスキルを見に来た感じ?」
「そんな感じ」
そんな会話を凛とした後、俺は一番最初に城の中に戻ったのだった。
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