第29話 俺ちゃん、ヒロイン枠に昇格する
「よーし、お前ら。そこから動くんじゃねーぞ」
「はぃぃ……♡」
俺への好感度バク上がりの冒険者達は素直に従う。
こうして、俺達を襲ってきた冒険者達の内、2人は無力化した。
勝ったなガハハ。
いや、グヘヘか。
「……く……みんな、やられてしまうなんて……残ったのは僕だけですか」
「どうだ? お前達の相手をするのに、やっぱり俺のチソチソ一本で十分だったろう?」
「無念ですがしかたありません……あなたは一体なんなんです? どうしてオーガがそんな強力な洗脳能力を?」
「いや、俺はただエルフとエロいことできればそれでいいだけの単なる転生者なんだけどね」
「……転生……? なにを言ってるんです?」
「でも今のままだとチソチソデカ過ぎてエルフとできないからチソチソ小さくしたいんだわ。あ、そーだ! お前、冒険者なら、チソチソを小さくする邪神のこととか知らない? どこに封印されてるかとか、どうすれば復活させられるかとか」
「チソ……! 本当になにを言ってるんですか!?」
魔法使いが赤面しながら叫ぶ。
と、俺の横のデスメソスが呆れたような声を出した。
「本当に、なに言ってんだ、と貴様も思うだろう? チソチソを小さくしたいとか……馬鹿げている」
「……あなた達は……だ、男性器を卑小化する邪神を復活させようとしているんですね。……まったく、面白いオーガです」
お?
これはもしかして俺、『おもしれーオーガ』枠で勝ちヒロインに昇格か?
「……僕にこんな態度を取ったオーガははじめてですよ」
やっぱり!
俺のこと気に食わないけど気になっちゃう感じ?
「……あなたがただの暴れ者ではなく、邪神復活を企む危険な存在だということ……どうあってもみんなに知らせなくては! ミラーイメージ!」
と、魔法使いの姿が二重三重に増え、分裂した。
「……メルガド、シェイヨル……後で必ず救い出しますから……!」
魔法使いの集団は背を向け、脱兎のごとく駆け出した。
逃げた!
幻影で目くらましして、俺に的を絞らせない気だ。
……だが、俺にはフルバーストしたチソチソがある。
「どこへ行こうというのかね?」
ガオン。
「……な……に……!?」
俺の傍らで、魔法使いが茫然と俺を見上げている。
「……オーガから逃げ出したと思ったら、いつの間にかオーガの傍にいた……!? 一体なにが起こったのですか!?」
ふっふっふ……。
あれ?
よく考えたら、あのまま逃げてもらえばよかったんじゃね……?
ビビらせて、戦わずにすまそうと思ってたんだし……。
まあ、いいか。
ノリでこういうことになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます