第27話 必殺『フルバースト・セカンド』 相手は死ぬ

 ちょっと舐めプしたら女の子達に嫌な顔された。

 負けず嫌いかな?

 これで更に、この子らに屈辱を与えてやればぽっきり心折れて、おうちに帰ってくれるんじゃね?

 そう思った俺は、腰をスイングしてぶるんぶるん。

 よーし、いいキレだ。きらりと光るものがある。


「ふふふ……お前ら、チソチソに負けたらより屈辱的だろ? このチソチソにかけて必ず敗北を味合わせてやるぜ……!」

「なんて下品なオーガなんですか。自信たっぷりのようですが、僕の火炎系魔法に耐えられるとは思えませんね!」

「……死……」


 俺は腕組みして股間を突き出す。


「いいから、かかってきな! あとはこいつで相手してやっから!」 

「……では遠慮のう死んでもらうぞい!」


 俺の背後から新たな声。

 やはりな!

 俺は振り返りざまに叫ぶ。


「フルバースト・セカンドぉ!」


 どぅん……っ!

 ザ・ワー〇ド発動したみてーな重低音。

 これはチソチソに大量の血流が急激に流れ込んだことによって生じる脈動の音です。

 SE効果音ではありません。


「うぬ!? 眩し……!?」


 俺のフルバーストしたチソチソが、なぜかどこからか射し込む謎の光によって光り輝く。その形状がはっきりわからないほどに眩い。

 その光に目を焼かれたか、俺の背後から戦斧を振りかざして襲い掛かってきたドワーフの女の子がバランスを崩して倒れ込んだ。

 ごろごろと転がり、苦悶の声。


「……目が……っ!」

「ああ、メルガド! あまりに汚いものを見せつけられて、目が潰れてしまいましたか!?」

「汚くねーだろ。ピカピカやぞ」

「……光、なぜ……?」

「フルバーストしたチソチソや乳首が、まるで誰の目にも触れないよう配慮したかのごとく輝き出す謎の発光現象……これは、それを利用した俺の必殺技、フルバーストセカンドだ!」

「訳がわかりませんが、わかりました! あなた、頭がおかしいです!」


 ボーイッシュな短髪の魔法使いに断言されて、俺しょんぼり。


「それにしても背後から別行動の仲間が不意打ちとはな。下賤な冒険者風情にはお似合いの浅ましい戦い方だが、貴様、気付いていたのか?」


 さっき、俺の横で『うわびっくりしたぁ』とか呟いていたデスメソスが、俺に問いかけてきた。


「あったりめえよ! さっき俺が嗅ぎつけた女の子の匂いは3人分あったのに、目の前には2人しかいねーんだぜ? もう1人がどっかに隠れてるなんて誰だってわかんだろ」

「貴様、少女の匂いを複数嗅ぎ分けられるというのか!?」

「あれあれ? こんなこと誰にでもできるんじゃ……? 俺、またなんかやっちゃいました?」

「あの、いいですか? シンプルに気持ち悪いです」

「どうしてそんな酷いこと言うの?」


 魔法使いの言葉に、俺泣いちゃった。

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