第14話 ロリ闇エルフ、チソチソにフラれる
気持ちよくなるためにあるはずのチソチソが人の命を奪うなんて、この世界は間違っている……!
どうして人はチソチソを争いの道具にしてしまうんだ……!
チソチソは握ればみんな笑顔になれる、争いを根絶するためのものではないのか……!
ならば……ならば、いっそ俺が……!
……俺がチソチソだ!
やっべ、悟っちゃったなー。
悟りの境地に至った俺(別名チソチソ)、死人使いデスメソスに道理というものを説いてやる。
「おいおいおいおい、お前、自分でなに言ってるかわかってんの? チソチソにめちゃめちゃにされて死にたいって、それ頭おかしいで?」
「馬鹿が! 貴様のチソチソの噂を耳にした時からずっと私は狂っているのだ! 恋焦がれて焼かれているのだ! そんなこともわからんのか、愚かなオーガめ!」
「チソポ狂いか!?」
「……結局、貴様をアンデッド化してチソチソを手に入れることは叶わなかったが、今この場で貴様のチソチソにめちゃくちゃにされることはできよう。そう望んでこの場に来たのだ。殺されても悔いはない……!」
「やらされる方の俺の事情は無視ぃ?」
「黙れ、馬鹿が! さあ、さっさと、私にそのチソチソを巨大化させてねじ込むがいい! 無慈悲に無情に! 私をめちゃくちゃに壊してしまえ! モノみたいに扱って、雑にチソチソをごしごしするだけ玩具にするのだ……!」
「ひぇ……マジでいかれてるし、言い方下品すぎん?」
俺の言葉は無視された。
デスメソスは憑かれたように声を上擦らせていく。
喋ってるうちに自分の言葉で舞い上がってわけわかんなくなってくやつだ、これ!
「……私をただのチソチソこすり洗い機にしろ! ……目に見えるようだ……胃の中身がチソチソに圧迫されてゲロ吐いているのに、きっと貴様は無関心に私を使うだろう。腹が貴様のチソチソの形にボゴォッと盛り上がって突き破られそうになっている……。そうなれば私の腰骨も背骨も粉砕だ。両足などあらざる方向へ折れ曲がって力なく、されるがままに揺れるのみ……。光を失った私の目は最早なにも映さず、口元からは、ごぼっと泡と血を噴く……。そうして、がばがばになり全身の骨が折れて虫の息の私を最後には貴様は食ってしまうのだろう……? 貴様のチソチソのせいで私は……破滅する……! そうだ! 私に耐えきれぬ苦痛を、そしてその先にある取り返しのつかない官能を与えろ! 愚かで卑猥なオーガよ!」
「うわ、俺、そういう痛い系とかかわいそうなのマジでダメなんだって……! 想像するだけで、キンタマひゅってなる……勘弁してぇな……」
「!? オーガのくせになにを世迷言を!? 貴様のような下衆は獲物に苦痛と恐怖を与えるのが大好きなものだろうが!? それを……苦手!? 恥を知れ、混沌にして邪悪な怪物め!」
「そう言われても……こっちだって選ぶ権利くらい欲しいしなあ」
「はあああ!? オーガは下賤な怪物で、女であればなんでもいいはずだろうが! 私を好きなように蹂躙できることをもっと喜ばんか! それともなにか? 貴様……私では不満だとでもいうのか!? この美しく優れた魔力を持つこの私を拒む……!?」
デスメソスの表情が打ちのめされた様に曇る。
まるで絶対フラれるわけないと自信満々だったお嬢様が見下してた男の子に冷たくされて現実を知ったよう。
チソチソをもらえると無邪気に信じてたみたいだ。
かわいそうに。
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