第13話 このおはなしをよんでチソチソはなんのためにあるのか、おうちの人とよくはなしあってみましょう

 俺は死人使いの闇エルフに、きりっとした顔で聞いた。


「お前、俺にやられることを自分で望むとか、本当の目的はなんだ!」

「ふん……目的だと? もともとわたしは貴様を狙っていた……この荒れ地に住む凶悪凶暴なクリムゾンオーガの噂は有名だったからな」

「クリムゾンオーガって俺のことだよな? よく知らんけど。で、なに? 俺って超やべー奴なん? 凶悪凶暴って、俺、なにしたの? 体中にジャム塗りたくってヤクザの事務所にロケランぶっぱのレイドでもした?」

「は? なに言ってるのかわからんが、貴様の凶悪さはそのような些末な暴力によって語られるものではない。誰かを殺したとか女子供を無残に食い散らかしたとかの無慈悲・残酷さで恐れられているわけでもない」

「なんだよ、俺、どんだけやべえんだよ?」

「貴様はその凶悪な男根で悪名高いのだ」

「……俺の……チソチソが有名……だと?」

「えっぐい形に、ド太くでかい。その硬さは岩をも貫き、触れれば赤く焼けた鉄棒のごとし。吐き気を催す邪悪な香り。どくどくと脈打つ音さえ響かせるという、凶悪凶暴なチソチソ……。私はその噂を聞いた時から、貴様に並々ならぬ関心を持っていた」


 チソチソに興味津々なロリ闇エルフ……だと?

 そんなファンタジーが存在するわけが……。

 でも、ここファンタジーな世界だからなあ。

 ほな、おるかぁ……。

 しかも、このロリ闇エルフは俺に出会ってから好感度が上がってこうなったわけではなく、最初から好感度120000の状態で俺に会いに来たということになるようだ。

 すげえチソチソファンじゃん!

 好きなものがあるって素晴らしいよね!

 人生が豊かになる!

 たとえば、全裸のエルフとか、ぼく好きです。


「そして、貴様を手に入れるために策を講じた。正確には、手に入れたいのは貴様ではなく貴様のチソチソだがな! まずは、荒野に潜む貴様をおびき寄せるために見目麗しいエルフを囮に使った。とんでもない淫獣である貴様なら鎖に縛られたエルフに目がないだろうと踏んでな。そうしておびき出された貴様を殺すために、冒険者達にも情報を流した。哀れな攫われエルフが人食い鬼の牙にかかろうとしている、と」

「で、俺があの冒険者達に倒されていたらアンデッド化されていた、と?」

「そうだ。貴様のチソチソを手に入れるのに、貴様自身は生きていようが死んでいようがどうでもいいからな。貴様をアンデッド化して、私のいつでも望むときにチソチソを使えればそれでいい」

「あのなー。使うってお前……。大人のエルフだって俺のチソチソ突っ込もうとしたらがばがばの串刺しになっちまうだろうに、お前みたいなロリに使えるわけねーだろ! 死ぬぞ!」

「それでも構わん!」

「は?」

「私は噂を聞いてからずっと思い描いていたのだ。貴様のたくましい丸太のようなチソチソ……それで貫かれたらどうなるのだろう、と。いや、正直に言おう。貫いてほしいとずっと心ときめかせていた……! 死んでもいい! 私をめちゃくちゃにしてほしいと願っていたのだ!」

「きっしょ!?」


 性的にめちゃくちゃにされたい、そのためなら死すらも厭わないというロリの欲望に、俺は思わず言ってしまった。

 チソチソは気持ちよくなるためのものであって、決して人の命を奪うためのものじゃあないんだ……! 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る